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2月28日 以前であれば、明らかに怪しいレーシングチームが、ダメもとでルマンの24時間レースの参加を目論んで、ACOにエントリー申請書を送りつけることも少なくなかった。そのため、エントリー総数が100台に達することもあった。その後、ACOが参加資格を厳しくしたため、怪しいエントリーは減ったが、それでも、2007年のルマン24時間へは76台のエントリー申請が行われた。 今年の場合、ACOは三段階で、ルマン24時間レースのエントリーリストを決定した。最初に前年度の成績によって選定する。次に車種によって選定して、最後に、過去の成績を加味した選定を行って、55台を決定した。 LMP1クラスの主役は、3台のアウディと2台のプジョーの5台のディーゼルエンジンカーだろう。 ガソリンエンジンカーは、3台のペスカロロ/ジャド(ペスカロロスポール×2、ロールセンター×1)、それぞれ1台ずつのクリエイション/ジャド、ザイテック、童夢/ジャドが登場する。クリエイションは自分自身で、ザイテックは、2002年アウディUKの名前で、ガルフカラーのアウディR8を走らせたアレーナが、童夢は歴戦のRacing for Hollandが走らせる。これらの6チームは、総てが新しいP1カーを走らせる。 ローラは、基本的に同じマシンであっても、違うエンジンと違う国のレーシングチームがエントリーしたため、3台のエントリーが認められた。スイススピリットは、注目のアウディエンジンを組み合わせたB07-10を、チェコのシャロズレーシングシステムは、ジャドV10を組み合わせたB07-10を、3台目は、チェンバレンがAER製3.6リットルターボエンジンを組み合わせたB06-10を走らせる。 25周年を迎えたクラージュコンペティションは、AERエンジンを積んだLC70を2台走らせることが認められた。 LMP2クラスは、1台のピルビーム/ジャド、2台のラディカル(ジャドとAERターボ)、3台のローラ(ザイテック×1、AERターボ×2、)、1台の童夢/マーダー、2台のクラージュ/AER、2台のザイテック、1台のペスカロロ/ジャドが選ばれた。 GT1クラスは、アストンマーティンレーシング自身が走らせる2台を含む6台のアストンマーティン、ORECAの走らせる2台のサリーン、GMワークスの2台のコルベットC6R、ルック・アルファンドもC6RとC5Rの2台のコルベットを走らせる。ロシアのコンバースチームは、LMSでの活躍と車種選定によって、フェラーリ550マラネロでの参加を認められた。 GT2クラスは、ポルシェに代わってフェラーリが最大勢力となった。5台のフェラーリF430GT、4台のポルシェ997GT3RSR、2台のパノス、2台のスパイカーだ。2台のパノスは、昨年GT2クラスで優勝したLNTチームが走らせる。 http://www.lemans.org/mailing/2007/02_27_invites/datas/jt2007_liste_invites.pdf 以上の55台が、6月3日の公式テストへ参加する資格を持っているが、エントリーを諦めるチームが出た場合のため、同時にリザーブリストの8台も発表された。 代表的な研究の幾つかが発表されたが、スポーツカーレーシングファンとして、もっとも興味深いルマンカーについては、新たに2スロットルとした最新バージョンが公開されると共に、肝心なシャシーフレームについての研究等が発表された。 実際にルマン参戦が実現する場合、山形のYGKと共にマシンは共同開発されることも従来の内容と変わらない。では、一体何時ルマンに挑戦するのか? と言うと、現在のところ、時期については未定とのことである。 大学にとって、学生の教育を柱としたプロジェクトであることは当然のことだ。であるから、4年毎にメンバーが入れ替わって、しかも、新入生には新たな教育が必要であるため、進歩の遅いのは、別に不思議でもない。それどころか、ほとんどの日本の大学の場合、まったく進歩が見られないことを、企業の方々は嘆いている。この現実を考慮すると、東海大学は、素晴らしい場を学生に提供することに成功している。 このことを踏まえて、少々現実の話しをさせて頂きたい。 東海大学が、ルマンプロジェクトの最初の段階として開発した4リットルターボエンジンは、決して最先端の技術のショールームではなく、実際に高性能を発揮することを目標としていた。そのため、初期段階から、順調に開発は行われていた。 車体については、彼方此方を少しずつ部分的に研究している段階であって、優れている?とも、劣っている?とも、判断することは不可能だ。 これは、エンジンやシャシー、そしてタイヤの専門家にとっても同じ意見であるようだ。 3月25日中国のツーハイで、2007年のFIAGTは開幕する。開幕戦を前にして、FIAGTの総てのカテゴリーを対象とした合同テストがモンツァで行われた。 2007年のFIAGTは、お馴染みのGT1とGT2カーのレースだけでなく、昨年スタートしたGT3カップと、SROベルギーが開催するGT4ヨーロピアンカップが含まれる。 耳慣れないGT4ヨーロピアンカップとは、昨年GT3カップを開催したところ、500馬力を超えるアストンマーティンDBRS9やランボルギーニガヤルドに対して、どんなに軽かったとしても、ロータスエクシージやマセラッティトロフェオライトは対抗出来ないことが明らかだったことから、GT3カーより小さなパワーのクルマを対象として、ヨーロッパ内でのみ行うシリーズとして構想されている。 一応、ステファン・ラテルの説明では、GT3カーより少ないパワーのクルマと表現しているが、正確にはGT3カーより遅いクルマと言うべきだろう。 判り易く表現すると、GT3カーが日本のN1だとすると、GT4カーはN0である。 モンツアテストに登場したGT1カーは、5台のマセラティMC12、4台のアストンマーティンDBR9、3台ランボルギーニムルシエラゴ、そしてパガーニゾンダだった。 GT3とGT4カーはどうかと言うと、ポルシェ997カップカーと997GT3RS、そして、コルベットZ06R(写真の後方に写っているクルマ)、フェラーリ430GT3、アスカリが1分55〜56秒台で拮抗したタイムを記録したのに対して、アストンマーティンDBRS9やランボルギーニは1秒から2秒遅かった。写真で左側に写っているジャガーは、結局走行しなかった。アストンマーティンヴァンテッジGT4カーは、2分6秒台であることから、GT4カーの正体が判るだろう。 テスト最終日になって、BMSスクーデリアイタリアのアストンマーティンDBR9は、1分45秒台に突入した。GT2クラスは完全にフェラーリ430の独壇場で、スクーデリアアコッセは1分49秒台で走行している。対するポルシェ997GT3RSRは、3秒遅れの1分52秒台だ。時代は完全に変わったと言うべきだろう。 最初のALMSであるセブリング12時間に向けて、今週アキュラは12時間のシュミレーションテストを実施した。 このテストに参加したのは、新たに開発された2007年バージョンのボディカウルを備えたフェルナンデスチームのローラB05-40(B07-40?)と、アキュラのオーダーによって、ニック・ワースが改良を施したボディワークを備える、AGRとハイクロフトの2台のクラージュだった。クラージュは、あまりにも変更が大きかったようで、既に、クラージュの名前ではエントリーされていないことはご存じだろう。 結果から報告すると、12時間のシュミレーションテストを一等賞で終了したのは、予想通りフェルナンデスが走らせるローラだった。 しかし、ノートラブルだったのがフェルナンデスのローラだけで、他の2台クラージュは完走することが出来なかったと言うと、違う判断を下す方々は多いだろう。 2台のクラージュは、6時間目にAGRがスタータートトラブルでストップして、9時間を過ぎると、もう1台のハイクロフトも、致命的なトラブルでストップした。 振動の大きい1プレーン90度V8を搭載する以上、剛性の低いシャシーと組み合わせられるのであれば、スターターのトラブルは、充分予想出来る。しかし、アキュラが公表を躊躇った、致命的なトラブルとは尋常ではない。 このテストのため、ローラとニック・ワースは、それぞれ、現時点で最高の空力パッケージをセブリングに持ち込んだ。たまたまローラからの写真だけが間に合ったが、ご覧のように、フェルナンデスのローラは、最新のハイノーズと、それに伴って、ブレーキ冷却ダクトがノーズ中央に移動した、新しいノーズを備えている。 ニック・ワースが手がけたクラージュは、残念ながら、ボディ表面だけの改良が加えられただけの状態であるようだ。テストを直接目撃してないことから、間接的に見聞きした情報となってしまうが、1月のウインターテストと比べると、ポーポジングは減っているらしい。しかし、ローラ、そしてポルシェと比べると、明らかに激しいポーポジングと共に、2台のクラージュは走っていたらしい。 非公式ながら、ハイクロフトのトラブルの原因が、トランスミッションを含む駆動系であることをアキュラは明らかとしている。素直に判断するのであれば、リア回りの剛性が不足していることは、容易に予想出来る。 たぶん、噂通り、ニック・ワースは、次にモノコック本体の改良を手がけるのだろうが、そこまで改良するのであれば、ニューマシンと言うべきだろう。 我々の感覚では、クラージュとアキュラ、そして、ニック・ワースの対応は理解し難いが、アキュラの開発が、想像以上のペースで進んでいることは明らかなようだ。 その際、クリエイションのCA-06HハイブリッドカーでP1クラスにエントリーすると思われたインタースポーツは、間に合わないため、第3戦ロングビーチ頃からP1に参加して、それまではローラB05-40でP2クラスに参加する旨のコメントを発していた。 この時、インタースポーツ自身は公表しなかったが、最も大きな問題は、マシン本体やエンジンではなく、タイヤだった。 2007年ALMSをサポートするタイヤメーカーは、ミシュラン、クンホ、ヨコハマの3社だけで、他のタイヤを使う場合、個別に交渉しなければならない。元々グッドイヤーと契約していたインタースポーツは、2007年の活動のため、マツダの新しい4気筒ターボエンジンを使うBKモータースポーツ等と共にクンホと契約した。当然、クンホはP2カー用の幅14インチのタイヤを開発していた。 新興勢力のクンホにとって、現在のところP2カーがトップカテゴリーだった。いきなり、P1用の16インチタイヤの開発を要求されても、即答するのは難しいだろう。 最終的にクンホは、3月17日までに16インチタイヤを用意出来ることを約束したため、インタースポーツは、開幕戦からP1クラスへの参戦が可能となった。 現在のところ、間に合ったとしても、レースウイークと考えられているため、当然ながら、ぶっつけ本番で12時間レースを走ることとなるだろう。 インタースポーツの走らせるクリエイションは、2006年にクリエイション自身が走らせたシャシーそのもので、直径650mmのフロントタイヤを履くことを前提としてデザインされている。昨年ミシュランが開発した直径680mmのフロントタイヤを履くように、現在改造が進められているが、取り敢えずインタースポーツに手渡されるのは、直径650mmのフロントタイヤに対応した2006年バージョンとなる。 エンジンは、ジャドが、最新型であるGV5.5 S2 5.5リットルエンジンの提供は不可能であることから、GV5 S1 5リットルエンジンを使うことが決定した。 クリエイション本体は、今週バルセロナで、直径680mmのフロントタイヤを履く改良型CA-06Hハイブリッドカーのテストを行っている。 エントリーリストには掲載されていないものの、クリエイションはセブリング12時間参戦を公表している。しかし、慌ただしい準備状況から、もしかしたら、セブリング12時間だけ、クリエイション自身の680mmのフロントタイヤを履くCA-06Hを、ミシュランタイヤごとインタースポーツはレンタルするのではないだろうか? これまでも、ローラカーズは、ヒストリックカーレースに参加するT70のため、様々な部品を再生産してきた。ボディーカウルやサスペンションはもちろん、ダメージが大きいクラッシュをした場合、新たにモノコックの製作を注文されることもあった。つまり、ローラカーズは、何時でも、新車のT70を再生産することが可能だった。 しかし、21世紀に1960年代のT70と寸分違わぬクルマと作ったとしても、通常、それは本物のT70ではなく、T70のレプリカと判定されてしまう。このことは、ジャガーDタイプ等、たくさんの前例を見ても明らかだろう。 通常T70の歴史は、1969年最後のT70MK3BであるSL76/144がロールアウトして、1971年にトップクラスのスポーツカーレースから引退したと考えられている。しかし、ローラは、T70の生産終了やオーダー受付を、これまで宣言したことがなかった。もし、顧客が新車のT70をオーダーした場合、続くシャシーナンバーを与えることが可能だった。 生産が途絶えた直後であっても、T70、特にT70クーペのオーダーはあったそうだ。ところが、当時のオーダーは、「ロードカーとしてT70を走らせたい」と言うものがほとんどで、レーシングカーとしてのオーダーではなかった。 ところが、その後ヒストリックカーレースが盛んに行われるようになると、T70のパーツや修理のオーダーが増えるようになってきた。もちろん、完全な新車のT70を求める顧客も少なくなかった。 そこで、2006年ローラはT70の再生産を決定すると共に、1969年にロールアウトした最後のT70に続くシャシーナンバーを与えた。そしてヒストリックカーレースを開催している各オーガナイザーやヒストリックカー団体と交渉した。 現在のトップレベルのヒストリックカーレースの場合、参加するマシンの多くは、最初に工場から出荷されたのが1960年代であっても、過酷なレースを闘うため、新車同様か、場合によっては、新車以上のコンディションに仕立て上げられている場合も多い。 ほとんどのヒストリックカーレースの主催者や団体は、新たにローラが生産するT70に対して、ヒストリックカーとしての資格は与えないものの、ヒストリックカーレースへ参加することは、何ら問題がないことを確認した。 そうして、ローラはT70の再生産を正式に決定した。 生産されるのは、T70の最終進化モデルであるT70MK3Bだ。通常T70GTbと呼ばれているクルマだ。好みによって、T70MK3やオリジナルT70のボディカウルをオーダーすることも可能らしい。しかし、オリジナルT70の場合、第二次世界大戦の戦闘機のように、モノコック内側をそのまま燃料タンクとしていることから、燃料が漏れやすいため、フレームそのものはT70MK3Bだけが作られる。 燃料タンクだけでなく、現在の技術で、安全性に配慮して製作されることから、ヒストリックカーレースに参加するドライバーにとって、安心出来る要素となるだろう。 既に2006年前半、最初のロッドとして5台のT70 Mk3Bが作られている。この5台は、総てが、中身だけでなくボディカウルもT70MK3Bで、シボレーの5リットルスモールブロックV8が組み合わせられる。 ローラカーズによると、T160カンナムカーやT600、T810GTPカー等、現在でも様々なパーツの出荷が続いているクルマが何台か存在することから、これらのクルマの再生産も不可能ではないと語っている。 先週ALMS開幕戦セブリング12時間のエントリーリストが発表された。詳しくは下記のALMSのホームペイジをご覧いただきたい。 *下記が改訂版エントリーリストです。正式にインタースポーツのクリエイションが掲載されています。 予想されたことだったが、P1クラスとGT1クラスは、それぞれ、たった3台のエントリーしか集めることは出来なかった。P1クラスの2台はアウディのファクトリーチームで、GT1クラスの2台もGMワークスのコルベットレーシングだ。深刻な状況であるのが理解出来るだろう。 1月のウインターテストの後、インタースポーツはクリエイションCA06Hハイブリッドカーを導入してP1クラスへエントリーすることを決心している。クリエイションによると、2007年のALMS参戦のため、2006年に走ったCA06Hハイブリッドカーをベースとして、アウディやペスカロロと同じ直径が大きいフロントタイヤを装着出来るよう、モデファイが進められているそうだ。 しかし、インタースポーツの決定が遅れたことから、2006年と同じ小さなフロントタイヤのCA06Hを取り敢えずデリバリーする予定だったと言う。 その段階で、2006年にダイソンが走らせたローラB06-10/AERを買い取ることも話し合われた。 最終的、インタースポーツは、セブリングへは、従来通りローラB05-40/AERでP2からエントリーして、準備が整い次第、クリエイションCA06Hハイブリッドカーを走らせることとなった。 もし、インタースポーツのクリエイションCA06Hが参加しないのであれば、セブリングの後、アウディのファクトリーチームは、本当にALMSから撤退してしまうような状況となっている。 悲惨な状況のP1クラスと比べて、P2クラスは華やかなエントリーで賑わっている。 もちろん、AGRとハイクロフトが走らせるマシンはクラージュLC75だ。しかし、同じくアキュラエンジンを搭載するフェルナンデスのローラと共に、アキュラによって様々な部分の開発が行われており、ローラとクラージュの両方が、ザイテック製の電磁石を使ったパドルシフトシステムを組み合わせられる等、スタンダードのローラとクラージュから大きくモデファイされている。 フェルナンデスの走らせるローラが、それなりに走るのに対して、2台のクラージュLC75は、そのままでは、まともに走らせることが出来ないことから、イギリスでニック・ワースによって、慎重に風洞実験を行われている。 1月のセブリングテストの段階では、手を付けられてなかったようだが、頭痛の種のモノコックの剛性不足を解消するため、モノコックをモデファイする計画まで存在しているようだ。 しかし、2008年を目指してニック・ワースが開発するアキュラオリジナルのP2カーがクラージュベースとなる訳ではないようだ。そのためのテストと考えると、理解し易いだろう。 本日(12日)ルマンで行われた発表会で、クラージュコンペティションを率いるイブ・クラージュは、「2007年は大きな改革の年」と言った。 その結果、昨年から噂になっていたように、トランスミッションは(C60と同じ)古いヒューランド製から、ペスカロロと同じXトラック製と交換される。同時にAERエンジンとミシュランと契約した。 AER自身は優秀なエンジンビルダーでも、新しい3.6リットルV8ターボエンジンは、充分な開発が行われてないため、昨年AERの3.6リットルV8ターボエンジンをローラに組み合わせてALMSを闘ったダイソンは、トップクラスのポテンシャルを発揮することが出来なかった。 元々クラージュは、フォードを経由してコスワースと話し合っていたことが知られている。クラージュは2005年にコスワースが発表して、アウディV8との類似性で騒がれた3.6リットルV8直噴ターボエンジンの獲得を狙っていた。どのような交通整理が行われたのか?判らないが、コスワースとの提携は、どうやら不発に終わったようだ。その結果AERのV8ターボを採用することとなったらしい。 ATR製モノコックや空力等、他のたくさんの問題について、イブ・クラージュは何も発言しなかった。 しかし、2007年にAER製3.6リットルV8ターボを積むP1カーを2台走らせ、既にアレクサンダー・フレイとジョナサン・コシェと契約したことを公表した。 同時にイブ・クラージュは、ノエル・デル・ベローがAER製の2リットル直列4気筒エンジンを積むLC75によって、P2クラスにエントリーすることを発表した。 1980年代、ザウバーから手に入れたC8/メルセデスによって活躍したことを覚えているだろうか? 今日は正式な発表は行われなかったが、クラージュコンペティションは、インド企業と話し合っていることが知られている。既に、「インディアンプロジェクト」としてクラージュ自身が公表しているが、AER製2リットル直列4気筒ターボエンジンを積むP2カーに加えて、P1カー(エンジンは未発表)を走らせることを目論んでいた。しかし、最近になって、ヨーロッパのLMSでインドのレーシングチームが走ることに対して、様々な疑問(反論?)が呈されるようになって、ルマンだけをターゲットとした、1980年代の日本のファクトリーチームのようなプランに切り替えられてしまったらしい。 ちなみに、アウディが、アウディスポーツノースアメリカと言っているレーシングチームは、2007年の場合、ディレクションはアウディスポーツで、アウディスポーツが派遣するエンジニアと、アウディスポーツのワークスドライバーが乗り組む一方、レースメンテナンスは、デイブ・マラジのチャンピオンレーシングに委託する体制のことと考えられている。もちろん、ラインホルト・ヨーストのヨーストレーシングが、テクニカルダイレクターのラルフ・ユットナー以下関与していることは言うまでもない。 3台目として、認識されているレーシングチームは、簡単に言うと、2003年のアウディスポーツノースアメリカで、ラインホルト・ヨーストのヨーストレーシングが、単独で組織する体制と考えられていた。 ところが、元々IMSAがハンデキャップルールを取り入れた結果、2006後半のALMSで、アウディスポーツノースアメリカが走らせるR10は、ダイソンのローラ/AERや、スポット参戦のザイテックやクリエイションのハイブリッドカーより65kgも重い車重で走らなければならなかった。 それでも、アウディスポーツはIMSAの決定を受け入れて、参戦を続けた。 その結果、開発段階にあったローラはともかく、有能なザイテックやクリエイションが、アウディスポーツを破ってポールポジションを獲得することとなった。それでも、チーム力に優れるアウディは、決勝レースで巻き返して、2006年のALMSタイトルを獲得した。 IMSAは、2007年のルールとして、同じクラスで車重に最大75kgのハンデを設けることを発表している。しかも、開幕戦のセブリング12時間の時点で35kgのハンデを設けることも決定した。 これだけであれば、アウディスポーツは何も言わなかったかもしれない。 IMSAは、2007年のハンデキャップルールを公表した時、アウディ以外にP1クラスの有望なエントリーが存在しなかったことから、P2クラスのポルシェやアキュラのワークスカーが、アウディのディーゼルエンジンカーより速く走れるよう、P2クラスに対して、大きなリストリクターの使用を許した。 この決定に対して、アウディスポーツの面々は一斉に反論を展開し始めた。 同じP1クラスであれば、大きなハンデキャップを課せられた結果、負けることも納得出来たとしても、ハンデによって格上げされた、格下のP2カーに負けるのは、許されることではないようだ。 今週行われたセブリングテストの際、ウルフガング・ウルリッヒは、目前に迫ったALMS開幕戦セブリング12時間へは2台のR10が参加することを約束した。しかし、その後のALMS参戦について、現在計画を棚上げにしたことを明らかとしている。 ウルフガング・ウルリッヒが強硬手段に出た理由の1つは、アウディスポーツの訴えに対してALMSサイドが真剣に対応してないこともあるようだ。 話し合いが上手く行かない場合、セブリングの後、アウディスポーツはLMSをターゲットとすることが予想される。しかし、2月5日から行われたセブリングテストで、アラン・マクニッシュの操るR10は、ハンデ無しのポルシェRSスパイダーより2秒も速い1分44秒台で走行しているのだ。1.1mm大きいリストリクターを装着したRSスパイダーは、アウディと同じ速さで走れるかもしれないが、勝てると考えるのは、楽観的と言うべきだろう。 今年ALMSがエタノール含有燃料の供給に踏み切った理由は、EPIC(エタノール・プロモーション・アンド・インフォーメーション・カウンシル)とパートナーシップを結んだことにある。EPICと共に、既存のエンジンに対するエタノール燃料の影響を検査した結果、EPICが定めるE10規定の採用を決定した。 2005年からIRLはEPICとパートナーシップを結んで、今年100%エタノール燃料の使用に踏み切った。もちろん、IRLはアキュラ(ホンダ)1社だけが、同じエンジンを供給いているため、このような決定が可能であるのは容易に理解出来る。 これに比べると、ALMSの10%エタノール含有燃料は、最初の1歩と言えるかもしれない。しかし、2007年のALMSには、最低12種類の異なったガソリンエンジンが登場することが見込まれている。シーズン終盤LMSからのエントリーが実現するのであれば、さらに増えることとなるだろう。 2台の内訳は、一方はたった1台だけレイナード時代に完成した、元々レイナード02Sだったクルマで、その後IRMやデンブラエビスを経てクリエイションが手に入れたものだ。デンブラエビス時代に取得したテクニカルパスポートからDBS03と呼ばれていた。もう1台は、ザイテックがレイナードの遺産を引き継いだ後完成したクルマで、2004年JOTAにデリバリーされ、2005年末JOTAの活動休止後、CA06Hハイブリッドカープロジェクトのため、クリエイションが手に入れている。 クリエイションのCA07P1カーは、“屋根付き”と言っても、CA06Hハイブリッドカーのコンポーネンツの多くを利用するため、画期的に違いがある訳ではない。しかも、CA07
P1カーの場合、エアコンを装着することが条件となるため、CA06Hハイブリッドカーの方が優れる場合も出てくるだろう。 このような事情もあって、ハイブリッドカーの使用が許されるALMSへはCA06Hハイブリッドカーで参加することが予想されていた。実際、3月に行われるALMS開幕戦セブリング12時間へ、クリエイションは、CA06Hハイブリッドカーでの参加を公表していた。 最近になって、クリエイションの2台のCA06Hハイブリッドカーの売却先が明らかとなった。1つはインタースポーツ、もう1つは、ほとんど知られてないヴェロシティモータースポーツだ。 1月末セブリングで行われたウインターテストの際、プレスコンファレンスで、ポルシェやアキュラのワークス勢を横にして、今後の計画を求められたインタースポーツのクリント・フィールドは、ニューマシンを導入する計画が存在することを明らかとしている。その時、当方も含めて、ほとんどの人間は、発表直前だったローラB07とラディカルを天秤にかけているものと判断していた。 2007年ALMSのP2クラスは、ポルシェとアキュラによって、激戦が繰り広げられる。セブリングのウインターテストでも明らかなように、それ以外のレーシングチームが太刀打ち出来る状況ではない。 BKモータースポーツのローラ/マツダはマシンが完成していないが、インタースポーツはAER製のMGエンジンを積んでセブリングのウインターテストに参加した。その際、既に直径45mmのリストリクターを装着して、2,700mbrの過給圧で走行していたらしい。 ペンスキーはもちろん、強力なダイソンもポルシェとの繋がりが強く、もし、インタースポーツがポルシェを手に入れたとしても、ペンスキーやダイソンと同じ速さで走れるとは考えられなかった。 現在のところ、インタースポーツは、CA06HハイブリッドカーをP1カテゴリーで走らせることを公表しているだけだ。常識的に考えると、昨年ALMS“プチ-ルマン”で、アウディからポールポジションを奪い取る等、活躍したCA06Hハイブリッドカーがそうだったように、ジャドの最新型5.5リットルV10を組み合わせることとなる。しかし、既にインタースポーツは、P2カテゴリーを闘うため、AERの間にMGの4気筒ターボエンジンのリースとメンテナンス契約を結んでいる。AERとの契約を解消しないのであれば、P2とP1の2台を走らせることとなる。 先週末に明らかになったヴェロシティモータースポーツの計画は、さらに先の話しと考えられている。 ヴェロシティは、スターマツダシリーズに参加するレーシングチームで、2007年もスターマツダシリーズをターゲットとしている。ところが、急遽クリエイションのCA06Hハイブリッドカーによって、ALMSのP2クラスへ参加する計画を明らかとした。 であるから、マシンについて、何ら問題はないだろう。 もちろん、プロフェッショナルなドライバーが乗り組んで全力で走るのであれば、550馬力のアストンマーティンに対して180馬力のロータスは、ほとんどの場合歯が立たないことは明らかだ。 このようなレースが実現出来た理由は、FIAGT3カップがアマチュアを対象としたハンデキャップレースだったからだ。参加出来るのはアマチュアだけで、シーズン開幕前何度かテストディを設けて、そのテストのラップタイムによってハンディキャップは決められた。 ポルシェ、フェラーリ、マセラッティ、ロータスは、それぞれワンメークレース用マシンを、コルベット、ヴァイパー、アストンマーティン、ランボルギーニは、ロードカーをベースとしてGT3バージョンを用意した。最初のテストディにはニッサンの350Zも姿を見せていた。 FIAGT3カップの成功をヒントとして、ステファン・ラテルは新たなカテゴリーの創設を目論んだ。 GT2カテゴリーは、統べたがプライベートチームであるポルシェとフェラーリによって占められ、どちらかが優位な年はあっても、それぞれがモデルチェンジするまで普遍的な闘いが続けられる。 2006年のFIAGTのGT1クラスは、たくさんのアストンマーティンとコルベット、そして、ヴィータフォンのマセラッティとザクスピードのサリーンによって、非常に賑やかなシリーズとなった。 そこで、ステファン・ラテルは、アマチュアドライバーが乗り組むことを条件とした、ハンデキャップカテゴリーをGT1クラスにも導入することを決心した。 Citation GT1
Cupと名付けられた新しいカテゴリーは、通常のGT1クラスとは別のクラスとして設けられる。取り敢えず、CAREプロドライブ製フェラーリ550、フェラーリ575M、リスターストームを対象とするが、要望次第で、最初期バージョンのサリーンS7RやコルベットC5Rも参加を認めるようだ。 お金持ちを相手としたレースであるため、タイトルスポンサーとして、ビジネスジットのCitationが名乗りを上げている他、セスナもサポートを表明しており、GT3の方もCitation
GT3 Cupを名乗る。 Citation GT1
Cupによって、2007年のFIAGTのコース上が賑やかとなることは間違いない。 ところが、2007年ALMSのP1クラスは、アウディのファクトリーチームを除くと、貧弱なオートコーンのLMP675バージョンのMGローラだけが参加を表明しただけだった。セブリング12時間や、シーズン後半の“プチ-ルマン”やラグナセカには、クリエイションのハイブリッドカーの参加が見込まれていた。もしかしたら、噂通り童夢やペスカロロがやって来るかもしれない。しかし、1月にセブリングで行われたウインターテストを見ても明らかなように、オートコーンはP2カーにさえ太刀打ち出来ないため、シーズンがスタートする前から、アウディの完全制覇が明らかだった。 2006年のALMSは、暫定モデルと言っても、ポルシェが作り上げたRSスパイダーP2カーは素晴らしいポテンシャルを発揮して、1度とは言え、アウディを破って総合優勝を成し遂げている。 この新しいレギュレーションによって、どんなにポルシェが斬新なP2カーを誕生させても、あるいは、どんなにアキュラが万全な開発体制を築いても、ポルシェとアキュラの間で激しいレースが展開されるだけで、アウディを破って総合優勝するのは不可能と考えられていた。 ところが、ALMSはP2カーだけのレースではないため、レース全体として見た場合、好ましいことではない。そこで、ALMSを統括するIMSAは、ウインターテストの結果を受け、IMSAはP2カーにアウディより速く走る可能性を与えるため、2007年のALMSに参加するP2カーは、2006年と同じ大きなリストリクターの使用を許すことを公表した。 ACOの2007年レギュレーションでP2カーは、NAエンジンは42.9mm×1、ターボエンジンは42mm×1のリストリクターの装着を義務付けられているが、ALMSに参加する場合、NAエンジンは44mm×1、ターボエンジンは43mm×1の大きなリストリクターが許されることとなった。 同時にガソリンエンジンを積むP1カー(つまりアウディ以外)のハンデキャップも公表されている。 本来の予定であれば、本日から3日間、セブリングでアウディがテストを行う予定だった。しかし、先週末以来フロリダ半島中部は竜巻を伴った悪天候に見舞われ、セブリングも豪雨であるらしい。 クスコがSUPER GT(JGTC時代も含めて)に参戦するようになって、今年で11年目を迎えた。 ご存じのように、元々クスコは、ラリーやダートトライアルをテリトリーとしていた。そのため、スバルがAWDと呼ぶ4WDについて、大きな経験を持ち、独自の駆動システムさえ開発していた。 ところが、クスコがGTレースに参入した頃、GTレースのレギュレーションは、4WDに対して、大きな重量ハンデを課していた。そこでクスコは、得意な4WDを諦め、FRでインプレッサGTレースカーを仕立てて、ポルシェやフェラーリに闘いを挑むこととなった。 FFベースの4WDの場合、エンジンがフロント車軸より前にオーバーハングしてレイアウトされることから、フロント寄りの重量配分は避けられない。しかし、FRとすることで、フロント車軸を考慮しなくても良いことから、エンジンをホイールベースの内側まで後方に移動することが可能となる。 こうしてGTレースに登場したクスコインプレッサは、目論見通り素晴らしい操縦性を実現していたが、インプレッサは、ポルシェやフェラーリのようなスポーツカーでなく、純然たるセダンであることから、大きなボディ故、大きな前面投影面積は、空力的に大きな弱点だった。 2003年レギュレーションが変更になって、ミッションの位置や方向が自由となると、クスコは、ミッションをデフと一体としたトランスアクスルとした第二世代のインプレッサGTカーを登場させた。より優れた前後の重量配分を実現したが、それはクスコが得意とする4WDではなかった。 昨年やっと転機が訪れた。4WDカーが1台も居ないこともあって、SUPER
GTは、それまで存在した4WDに対する大きな重量ハンデを撤廃した。もちろん、クスコは4WDでのGTレースカーの開発を決心する。 FRトランスアクスルと同じように、ミッションは、後輪のデフと一体としてリア車軸前にレイアウトされる。エンジンもFR時代と同じく、フロント車軸後方のホイールベース内に存在する。ここまではトランスアクスルFRと変わらない。 ミッションやデフ等総ての駆動システムがクスコ自製でなければ、実現不可能な凝ったシステムだった。 こうして、やっとクスコは得意な技術によるGTレースカーを登場させた。少なくとも、それはクスコが持てる技術による最良の方法だった。 その結果クスコは、2007年これまでと違った動きをすることとなった。 M-TECは、2007年もスポーツカープロジェクトを継続させることを決定した。 JLMCプロジェクトは、実行することが決定した段階で、詳細はこれから詰める状況だが、昨年導入したクラージュLC70に無限V8を組み合わせることは変わらない。 ご存じのように、昨年スタートしたクラージュLC70と無限をV8を組み合わせるプロジェクトは、様々な苦労と共に実行されていた。最も大きな苦労は、Sports-Car
Racing
Vol.17で掲載したように、クラージュLC70の低い品質にあった。まともに走らない。走れば壊れる。ツインリンクもてぎで行われたシェイクダウンテストでは、バックストレートでリアウイングのステイが崩壊して、フラップが前後逆向きとなってしまった。もう少しで黒澤治樹は空を飛ぶところだった。 M-TECは、2006年のJLMCで、たった2回だけレースを経験しただけだったが、速く走らせる、と言うより、クラージュLC70の低品質を改善することで翻弄されてしまった。 リアウイングのステイが崩壊してしまうような、工業製品として許されない部分は、既に改良されている。2007年に向け、最も望まれる改良は、トランスミッションの信頼性向上であるらしい。 クラージュLC70には、ヒユーランド製6速トランスミッションとイクイップメイク製の空気圧を使ったパドルシフトシステムが組み合わせられている。 極端な話し、童夢やダラーラから、エンジンから後ろの部分をミッションごと買ってきて、クラージュLC70と交換してしまえば、問題のほとんどは解決してしまう。しかし、この場合、リアサスペンションが含まれることから、サスペンションのセットアップをやり直さなければならない。 組み合わせられる無限V8は、現在総てを見直して開発中だ。当方の「排気量をアップさせるのか?」との質問に対して、M-TECは現在開発中との回答している。つまり、場合によっては、MF458Sのスケールアップバージョンが登場する可能性もあるだろう。 2007年に使うタイヤと乗り組むドライバーとは現在交渉中だ。同様にスポンサーとも交渉中であることから、カラーリングも変わるだろう。 非常に不安定なJLMCだが、M-TECが参加を決めたため、2007年も行われることは間違いないだろう。 |
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