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6月29日
●ALMSはP2のリストリクターが、本来のレギュレーション通りに小さくされる
ポルシェとアキュラの活躍は終了

Photo:Sports-Car Racing

 今年のALMSは、アウディのワークスチームを除くと、充分なポテンシャルを持ったP1チームのエントリーがなかった。そこでIMSAは、ポルシェとアキュラによって、熾烈な闘いが繰り広げられることが明かだったP2クラスに目をつけて、P2クラスのリストリクターを1段階大きくして、P1クラスのアウディと総合優勝争いを行わせようとした。IMSAの目論み以上にポルシェとアキュラは速さを発揮して、しばしば、アウディを破って総合優勝してしまったことは、ご存じの通り。

 しかし、この本末転倒な状況に対して、アウディスポーツのウルフガング・ウルリッヒは猛烈に反論を表明していた。一時はセブリング12時間の後、ALMS参加をキャンセルすることまで噂されていた。
 アウディが、ルマン終了後ヨーロッパのLMS参加を噂されるようになって、やっとIMSAは、自分たちのローカルルールを撤廃することを決心した。

 来週ライムロックで行われる第6戦から、P2クラスのクルマは、ACOの2007年レギュレーションに従って、一段階小さなリストリクターの装着が義務つけられる。しかし、P2カーの中で、アウディのP1カーに太刀打ち出来るのは、アキュラとポルシェだけであるため、取り敢えずアキュラとポルシェが使う3.4リットルV8だけ、本来の2007年スペックに戻して、それ以外の2リットルターボエンジンを使うP2カーは、大きなリストリクターの使用を継続させることとしている。ちなみに、現在の2リットルターボエンジンは、2006年後半45mm×1の大きなリストリクターの使用が許されているため、ライムロック以降、ポルシェやアキュラの3.4リットルV8より2段階も大きなリストリクターの使用が許される。

 また、マツダの4気筒ターボエンジンが使用する電気スロットルについて、既にACOは、レギュレーションに抵触するとの判断を示していたが、2007年最終戦まで、このまま認められることとなった。

6月15日
●Qualifying2  第二ラウンドはアウディ1-2、ポールポジションはプジョー

Photo:Sports-Car Racing

 昨日、雨と赤旗によって、ほとんどのレーシングチームは、満足な予選を行うことが出来なかった。しかし、もし、木曜日も同じようなコンディションあったら、タイムアタックを行うことが出来ないと考えたレーシングチームもあって、No.18ロールセンターペスカロロは、終了間際に予選タイヤに履き替えて、8位で初日を終了している。1日目の予選で、予選タイヤを使ったトップチームは、このロールセンターとクラージュだけだったらしい。
 どうやら、ロールセンターやクラージュの判断は正しかったようだ。

 木曜日になって、天気は回復するどころか、益々不安定になってきた。午前中は雨が降り続いて、昼頃一旦回復したものの、午後になると、時折激しい雨が降り始めた。夕方になって、雨は止んだが、1950年代から1960年代のレーシングスポーツカーによるルマンレジェンドの予選の途中から再び降り始めた。そのため、ヒストリックカー特有のオイル処理に時間を要して、30分遅れの午後7時30分から、2回目の予選はスタートすることとなった。

 午後7時30分グリーンフラッグが降られた時、再び雨が降り始めた。しかも、これまで無かったような激しさで雨はサルテサーキットを襲った。そのため、総てのクルマは、1周か、せいぜい2周走っただけでピットに戻ってきた。No.7プジョーだけが、直ぐにコースへ復帰するが、ほとんど前は見なく、しかも、コースの彼方此方が水に浸かる状況であるため、1周走っただけでピットに戻ってきた。
 開始40分を過ぎる頃になって、やっと雨が止んだため、次々とレーシングスポーツカーがコースに出てきた。しかし、ほとんどのチームはコースコンディションを確認するだけで、ほとんど走ることなくマシンをピットに呼び戻して、早々と走行を終了するチームも出てきた。

 このような状況の中でも、プジョーとアウディは闘い続けていた。
 もちろん、スターティンググリッドは、昨日ドライコンディションで記録したラップタイムで決定されるため、プジョーのポールポジションは変わらないが、プジョーとアウディは闘い続けた。
 最も大きな理由は、もし、決勝レースが、同じようなコンディションになった場合を想定して、ヘビーレインのセッティングを施すためだ。しかも、速く走ることだけでなく、雨によってトラブルを発生させないことが大きな目的となっているようだ。特にクローズドクーペのプジョーは、ピットインする度様々なチェックを慎重に行っている。アウディは、雨が降った時のメニューが決められているようで、慌てることなく、ヘビーレインのセッティングを慎重に行っている。

Photo:Sports-Car Racing

 昨日ドライコンディションでも、ほんの少しだけアウディの方が最高速度が速かった。しかし、その違いはほんの僅かで、アウディの334km/hに対して、プジョーは1km/h遅い333km/hだった。つまり、プジョーはアウディよりコーナーを速く走って、昨日トップタイムを記録している。
 今日になって、ヘビーレインとなると、アウディはさらにストレート重視のセッティングを行ったのに対して、プジョーはダウンフォースをつけてコーナー重視のセッティングを進めた。その結果、最高速度の差はさらに広がることとなった。その時のコンディションの差があるため、ACOが公表した第一シケイン前での最高速度のデータは少々曖昧だが、漏れ伝え聞く情報によると、アウディはプジョーより4km/h速い最高速度を記録しているらしい。
 最高速度で4km/hの差を取り戻そうとすると、ドライバーは、コーナーリングで相当頑張らなければならない。巨大な5.5リットル100度V12ディーゼルターボを積みながら、プジョー908は俊敏な運動性を実現しているが、ドライバーには過酷であるようで、しばしばコースアウトすることとなった。

 それでも、プジョーとアウディは、ほとんど同じラップタイムで彼らだけの闘いを続けている。アウディが4分7秒台に突入すると、その直後にはプジョーも4分7秒台を記録して、互いに譲らない。
 マルコ・ヴェルナーの操るNo.1アウディR10が4分5秒465を記録して、最初の2時間は終了した。
 インターバルを挟んで最後のセッションとなっても、アウディとプジョーはタイム争いを繰り広げている。しかし、アウディが次々とタイムアップしたのに対して、プジョーは40分後アルナージュでマルク・ジェネの操るNo.7プジョー908がコースアウトして、フロントセクションに大きなダメージを追ってしまった。プジョーはNo.8にセバスチャン・ボーディーを乗り組ませて、アタックを続けるが、アラン・マクニッシュの乗り組んだNo.2アウディR10が記録した4分1秒257のトップタイムから約0.7秒遅れの3番手のタイムを記録しただけだった。

*注:ACOデータでは、雨の中でのNo.1アウディの最高速度は318km/h、対するNo.7プジョーは309km/hで、9km/h差。

スターティンググリッド *総て1日目の予選によるタイム
1 P1@No.8 Team Peugeot Total Peugeot908 P LAMY/ST SARRAZIN/S BOURDAIS 3:26.344
2 P1 No.2 Audi Sport North America AUDI R10 A McNISH/R CAPELLO/M ROCKENFELLER 3:26.916
3 P1 No.7 Team Peugeot Total Peugeot908 M GENE/N MINASSIAN/J VILLENEUVE 3:27.724
4 P1 No.1 Audi Sport North America AUDI R10 E PIRRO/F BIELA/M WERNER 3:28.301
5 P1 No.3 Audi Sport Team Joest AUDI R10 L LUHR/M EKSTROM/A PREMAT 3:29.736
6 P1 No.16 Pescarolo Sport Pescarolo S01/Judd E COLLARD/JC BOULLION/R DUMAS 3:33.590
7 P1 No.13 Courage Competition CourageLC70/AER J M GOUNON/G MOREAU 3:35.171
8 P1 No.18 Rollcentre Racing Pescarolo S01/Judd J BARBOSA/ST HALL/M SHORT 3:35.599
9 P1 No.14 Racing For Holland 童夢S101.5/Judd J LAMMERS/D HART/J BLEEKEMOLEN 3:35.660
10 P1 No.9 Creation Autosportif Ltd Creation CA07S/Judd 中野信治/J CAMPBELL-WALTER/F ORTIZ S 3:36.279
11 P1 No.15 Charouz Racing Lola-B07-17/Judd A YOONG/ST MÜCKE/J CHAROUZ 3:37.737
12 P1 No.12 Courage Competition CourageLC70/AER  A FREI/J COCHET/B BESSONCOCHET 3:38.371
13 P1 No.17 Pescarolo Sport Pescarolo S01/Judd H PRIMAT/CH TINSEAU/B TRELUYER 3:38.753
14 P1 No.5 Swiss Spirit LolaB07-10/AUDI J D DELETRAZ/M FASSLER/I ALEXANDER 3:42.626
15 P2@No.33 Barazi Epsilon ZYTEK 07S/2  A FERNANDEZ/H KUROSAWA/R KERR 3:44.158
16 P1 No.19 Chamberlain Synergy LolaB06-10/AER G EVANS/B BERRIDGE/P OWENBERRIDGE 3:44.721
17 P2 No.40 Quifel ASM Team LolaB05-40/AER M AMARAL/M DE CASTRO/W HUGHESAMARAL 3:45.838
18 P2 No.31 Binnie Motorsports LolaB05-40/ZYTEK  B BINNIE/A TIMPANY/CH BUNCOMBE 3:48.172
19 P2 No.21 Bruichladdich Radical RADICAL SR9/AER  T GREAVES/ST MOSELEY/R LIDDELL 3:48.332
20 P2 No.32 Barazi Epsilon ZYTEK 07S/2  J BARAZI/M VERGERS/K OJJEHVERGERS 3:48.935
21 P2 No.25 RML LolaB05-40/AER T ERDOS/M NEWTON/A WALLACE 3:49.217
22 P2 No.35 Saulnier Racing CourageLC75/AER B JOUANNY/J NICOLET/A FILHOL 3:49.621
23 GT1@No.008 AMR Larbre Comp. AstonMartin DBR9 C BOUCHUT/F GOLLIN/C ELGAARD 3:50.761
24 GT1 No.55 Team Oreca Saleen S7R N PROST/S AYARI/N LAPIERRE 3:51240
25 P2 No.20 Pierre Bruneau PilbeamMP93/Judd M ROSTAN/G PICKERING/H.MACALLISTER 3:51.342
26 GT1 No.64 Corvette Racing Corvette C6R O BERETTA/O GAVIN/M PAPIS 3:52.130
27 GT1 No.009 Aston Martin Racing AstonMartin DBR9 D BRABHAM/R RYDELL 3:52.471
28 P2 No.44 Kruse Motorsport Pescarolo S01/Judd  T BURGESS/J de POURTALES/N.SIEDLER 3:52.552
29 GT1 No.63 Corvette Racing Corvette C6R  J O'CONNELL/J MAGNUSSEN/R FELLOWS 3:52.657
30 GT1 No.59 Team Modena AstonMartin DBR9 A GARCIA/J MENTEN/CH FITTIPALDI 3:53.727
31 GT1 No.54 Team Oreca Saleen S7R L GROPPI/N PROST/J P BELLOC 3:54.718
32 GT1 No.100 AMR BMS AstonMartin DBR9 F BABINI/J DAVIES/M MALUCELLI 3:55.141
33 GT1 No.72 Alphand Aventures Corvett C6R J POLICAND/P GOUESLARD 3:55.668
34 GT1 No.007 Aston Martin Racing AstonMartin DBR9 T ENGE/J HERBERT/P KOX 3:55.718
35 GT1 No.70 PSI Experience Corvette C6R D HALLYDAY/C Y GOSSELIN/PH PETER 3:56.922
36 P2 No.24 Noel Del Bello CourrageLC75/AER V PETROV/L HALLIDAY/R IANETTA 3:57.566
37 GT1 No.73 Alphand Aventures Corvette C5R J L BLANCHEMAIN/V VOSSE/D ANDRE 3:59.068
38 GT1 No.006 AMR Larbre Comp. AstonMartin DBR9 P BORNHAUSER/R BERVILLE/G FISKEN 4:01.674
39 GT2@No.87 Scuderia Ecosse FerrariF430GT2 CH NIARCHOS/A KIRKALDY/T MULLEN 4:04.185
40 GT2 No.76 Imsa Performance Porsche997GT3RSR  R NARAC/R LIETZ 4:04.622
41 GT2 No.97 Risi Competizione FerrariF430GT2  M SALO/J MELO/J.MOWLEM 4:05.358
42 GT2 No.80 Flying Lizard Motorsport Porsche997GT3RSR J van OVERBEEK/J BERGMEISTER/S NEIMAN 4:05.588
43 GT2 No.93 Autorlando Sport Porsche997GT3RSR  L E NIELSEN/A SIMONSEN 4:08.211
44 GT2 No.99 Risi Competizione Ferrari F430GT2 T KROHN/N JONSSON/C BRAUN 4:09.065
45 GT1 No.67 Convers Menx Team FERRARI 550 MARANELLO  A VASILIEV/T KOSTKA 4:09.088
46 GT2 No.85 Spyker Squadron SPYKER C8 SPYDER A BELICCHI/A CAFFI/A CHIESA 4:10.719
47 GT2 No.81 Team LNT PANOZ ESPERANTE T KIMBER-SMITH/D WATTS/T MILNER 4:11.025
48 GT2 No.86 Spyker Squadron SPYKER C8 SPYDER  J JANIS/M HEZEMANS/J KANE 4:11.598
49 GT2 No.82 Team LNT PANOZ ESPERANTE  L TOMLINSON/R DEAN/R BELL 4:13.049
50 GT2 No.83 GPC Sport FerrariF430GT2 M MARSH/J VILLARROEL/C ROSENBLAD 4:15.669
51 GT2 No.71 Seikel Motorsport Porsche997GT3RSR  PH COLLIN/H FELBERMAYR Senior/H FELBERMAYR Junior 4:17.750
52 GT2 No.78 AF Corse FerrariF430GT2  J MACARI/B AUCOTT/A.NEWEY 4:21.714
53 P2 No.29 T2M Motorsport 童夢S101.5/Mader R LONGECHAL/山岸大/寺田陽次郎 4:53.983


6月14日
●Qualifying1  第一ラウンドはプジョー

Photo:Sports-Car Racing

 水曜日になって、ルマン地方の天気はいよいよ怪しくなってきた。昼頃雷を伴って激しい雨が降った後、雨は止み、午後7時に1回目の予選が開始される頃になると晴れ間も見え始めた。
 グリーンフラッグが提示されると、ルック・アルファンのコルベットC6Rを先頭にして、54台のレーシングスポーツカーがコースインした。No.2アウディR10には、月曜日になって参加が決定したトム・クリステンセンが乗り組んでいる。テストディをパスしたクリステンセンにとっては、新しいサルテサーキットを走る最初の機会となった。

 開始12分後アレックス・ユーンが乗り組んだNo.15シュロースローラがテルトルルージュでスピンしてしまった。その5分後には、コースインしたばかりのロビン・ロンジュシェルが乗り組むNo.29T2M童夢/マーダーが、ダンロップブリッジの先でスピンしてしまった。エンジンを止めてしまっただけでなく、スターターモーターのトラブルでエンジンを再始動出来ないため、イエロー童夢はトレーラーに乗せられてパドックまで戻されてきた。同じ頃、ラルブルコンペティションのNo.006アストンマーティンDBR9は、1周走っただけで、燃料漏れでピットに張り付いている。

 GT1クラスのポールポジション争いは、最初No.55ORECAサリーンとNo.64ワークスコルベットの間で繰り広げられた。アストンマーティン勢は、セッティングを確認するとタイムアタックを試みて、アストンマーティンレーシングのNo.009が3分55秒099を記録して上回る。しかし、直ぐにORECAサリーンが巻き返しに出て、No.54とNo.55がGT1クラスの1-2を占める。

Photo:Sports-Car Racing

 最初に3分30秒を切ったのはアウディだった。No.1とNo.2のR10が次々と3分30秒の壁を突破してタイムボードの上位を占める。プジョーはピットインを繰り返して、慎重にセッティングを行っていたが、午後7時47分ニコラス・ミナシアンの操るNo.7が3分29秒801を記録して、アウディを追った。

 P2クラスはエイドリアン・フェルナンデスと黒沢治樹が乗り組むNo.33ザイテックの独壇場となっている。しかし、ラップタイムは平凡で3分47秒台に過ぎない。

 ガソリンエンジンクラスは、2つのダンパーを付け替えてセッティングを確認していたNo.16ペスカロロがトップに立っている。2番手はRacing for Holland童夢S101.5だ。RfH童夢はローダウンフォースパッケージをセットアップ中で、空力だけでなく、様々な部分を次々と変更しながら走行しているが、このような段階でも、既に3分35秒台までタイムアップしてきた。

 午後8時6分第一シケインでNo.53JLOCランボルギーニがクラッシュして、火災が発生した。ドライブしていたマルコ・アピチェラは無事脱出したが、ムルシエラゴはスクラップとなってしまった。
 このアクシデントを処理するため、赤旗が提示され45分間セッションは中断された。
 セッションが中断されている間、ミュルサンヌで雷と伴った激しい雨が降り始めた。 午後8時50分予選は再開され、10分間だけ延長されたが、誰もタイムアップすることは出来なかった。

 インターバルを挟んで、午後10時1日目後半の2時間の予選が始まった。
 雨が降ったのはミュルサンヌから第2シケイン付近だけだったが、総てのクルマがウェットタイヤを装着してコースインした。ラップタイムは期待出来ないが、ほとんどのクルマはコースインした。
 しかし、開始30分No.5スイススピリットのローラ/アウディが第一シケインでクラッシュしてしまった。そのため2度目の赤旗が提示され、15分間セッションが中断された。

 セッションが再開されても、コースは濡れたままだったが、午後11時を過ぎる頃になると、次第にスリックタイヤに履き替えるようになった。
 マーク・オルソンによるカラーリングを施されたNo.9クリエイションは、電気系トラブルによって、彼方此方にトラブルが発生している。

 空力パッケージのセッティングを行っていたRfH童夢は、ある程度ダウンフォースをつけた方が良いと判断したようで、赤旗が提示されてセッションが中断されている間、多少ダウンフォースをつけた状態に合わせるため、ほんの少し低い6速ギアに組み替えた。しかし、コースコンンディションが回復しないことから、新しいサスペンションの評価を行っている。

Photo:Sports-Car Racing

 GT1クラスは、ラルブルコンペティションアストンマーティンが、ORECAサリーンを抜いてトップタイむを叩き出した。GT2クラスは、スクーデリアエコッセのフェラーリF430がリードしているが、全体的にラップタイムが遅く、テストディでトップタイムを記録したIMSAポルシェは、テストディより4秒も遅いラップタイムを記録しているに過ぎない。

Photo:Sports-Car Racing

 終了直前レコードラインが乾いてきたため、アウディとプジョーは次々とタイムアタックを行うようになった。最初3分27秒台で闘いは始まった。終了18分前アラン・マクニッシュが乗り組むNo.2アウディR10が3分26秒916を叩き出した。アウディが1日目のポールポジションを獲得したと思われたが、終了7分前になってステファン・サラザンの操るNo.8プジョー908が3分26秒344を叩き出した。
 プジョーvsアウディの第一ラウンドは、プジョーが制することとなった。

1 P1@No.8 Team Peugeot Total Peugeot908 P LAMY/ST SARRAZIN/S BOURDAIS 3:26.344
2 P1 No.2 Audi Sport North America AUDI R10 A McNISH/R CAPELLO/M ROCKENFELLER 3:26.916
3 P1 No.7 Team Peugeot Total Peugeot908 M GENE/N MINASSIAN/J VILLENEUVE 3:27.724
4 P1 No.1 Audi Sport North America AUDI R10 E PIRRO/F BIELA/M WERNER 3:28.301
5 P1 No.3 Audi Sport Team Joest AUDI R10 L LUHR/M EKSTROM/A PREMAT 3:29.736
6 P1 No.16 Pescarolo Sport Pescarolo S01/Judd E COLLARD/JC BOULLION/R DUMAS 3:33.590
7 P1 No.13 Courage Competition CourageLC70/AER J M GOUNON/G MOREAU 3:35.171
8 P1 No.18 Rollcentre Racing Pescarolo S01/Judd J BARBOSA/ST HALL/M SHORT 3:35.599
9 P1 No.14 Racing For Holland 童夢S101.5/Judd J LAMMERS/D HART/J BLEEKEMOLEN 3:35.660
10 P1 No.9 Creation Autosportif Ltd Creation CA07S/Judd 中野信治/J CAMPBELL-WALTER/F ORTIZ S 3:36.279
11 P1 No.15 Charouz Racing Lola-B07-17/Judd A YOONG/ST MÜCKE/J CHAROUZ 3:37.737
12 P1 No.12 Courage Competition CourageLC70/AER  A FREI/J COCHET/B BESSONCOCHET 3:38.371
13 P1 No.17 Pescarolo Sport Pescarolo S01/Judd H PRIMAT/CH TINSEAU/B TRELUYER 3:38.753
14 P1 No.5 Swiss Spirit LolaB07-10/AUDI J D DELETRAZ/M FASSLER/I ALEXANDER 3:42.626
15 P2@No.33 Barazi Epsilon ZYTEK 07S/2  A FERNANDEZ/H KUROSAWA/R KERR 3:44.158
16 P1 No.19 Chamberlain Synergy LolaB06-10/AER G EVANS/B BERRIDGE/P OWENBERRIDGE 3:44.721
17 P2 No.40 Quifel ASM Team LolaB05-40/AER M AMARAL/M DE CASTRO/W HUGHESAMARAL 3:45.838
18 P2 No.31 Binnie Motorsports LolaB05-40/ZYTEK  B BINNIE/A TIMPANY/CH BUNCOMBE 3:48.172
19 P2 No.21 Bruichladdich Radical RADICAL SR9/AER  T GREAVES/ST MOSELEY/R LIDDELL 3:48.332
20 P2 No.32 Barazi Epsilon ZYTEK 07S/2  J BARAZI/M VERGERS/K OJJEHVERGERS 3:48.935
21 P2 No.25 RML LolaB05-40/AER T ERDOS/M NEWTON/A WALLACE 3:49.217
22 P2 No.35 Saulnier Racing CourageLC75/AER B JOUANNY/J NICOLET/A FILHOL 3:49.621
23 GT1@No.008 AMR Larbre Comp. AstonMartin DBR9 C BOUCHUT/F GOLLIN/C ELGAARD 3:50.761
24 GT1 No.55 Team Oreca Saleen S7R N PROST/S AYARI/N LAPIERRE 3:51240
25 P2 No.20 Pierre Bruneau PilbeamMP93/Judd M ROSTAN/G PICKERING/H.MACALLISTER 3:51.342
26 GT1 No.64 Corvette Racing Corvette C6R O BERETTA/O GAVIN/M PAPIS 3:52.130
27 GT1 No.009 Aston Martin Racing AstonMartin DBR9 D BRABHAM/R RYDELL 3:52.471
28 P2 No.44 Kruse Motorsport Pescarolo S01/Judd  T BURGESS/J de POURTALES/N.SIEDLER 3:52.552
29 GT1 No.63 Corvette Racing Corvette C6R  J O'CONNELL/J MAGNUSSEN/R FELLOWS 3:52.657
30 GT1 No.59 Team Modena AstonMartin DBR9 A GARCIA/J MENTEN/CH FITTIPALDI 3:53.727
31 GT1 No.54 Team Oreca Saleen S7R L GROPPI/N PROST/J P BELLOC 3:54.718
32 GT1 No.100 AMR BMS AstonMartin DBR9 F BABINI/J DAVIES/M MALUCELLI 3:55.141
33 GT1 No.72 Alphand Aventures Corvett C6R J POLICAND/P GOUESLARD 3:55.668
34 GT1 No.007 Aston Martin Racing AstonMartin DBR9 T ENGE/J HERBERT/P KOX 3:55.718
35 GT1 No.70 PSI Experience Corvette C6R D HALLYDAY/C Y GOSSELIN/PH PETER 3:56.922
36 P2 No.24 Noel Del Bello CourrageLC75/AER V PETROV/L HALLIDAY/R IANETTA 3:57.566
37 GT1 No.73 Alphand Aventures Corvette C5R J L BLANCHEMAIN/V VOSSE/D ANDRE 3:59.068
38 GT1 No.006 AMR Larbre Comp. AstonMartin DBR9 P BORNHAUSER/R BERVILLE/G FISKEN 4:01.674
39 GT2@No.87 Scuderia Ecosse FerrariF430GT2 CH NIARCHOS/A KIRKALDY/T MULLEN 4:04.185
40 GT2 No.76 Imsa Performance Porsche997GT3RSR  R NARAC/R LIETZ 4:04.622
41 GT2 No.97 Risi Competizione FerrariF430GT2  M SALO/J MELO/J.MOWLEM 4:05.358
42 GT2 No.80 Flying Lizard Motorsport Porsche997GT3RSR J van OVERBEEK/J BERGMEISTER/S NEIMAN 4:05.588
43 GT1 No.53 JLOC Isao Noritake LAMBORGHINI MURCIELAGO M APICELLA/余郷敦 4:06.223
44 GT2 No.93 Autorlando Sport Porsche997GT3RSR  L E NIELSEN/A SIMONSEN 4:08.211
45 GT2 No.99 Risi Competizione Ferrari F430GT2 T KROHN/N JONSSON/C BRAUN 4:09.065
46 GT1 No.67 Convers Menx Team FERRARI 550 MARANELLO  A VASILIEV/T KOSTKA 4:09.088
47 GT2 No.85 Spyker Squadron SPYKER C8 SPYDER A BELICCHI/A CAFFI/A CHIESA 4:10.719
48 GT2 No.81 Team LNT PANOZ ESPERANTE T KIMBER-SMITH/D WATTS/T MILNER 4:11.025
49 GT2 No.86 Spyker Squadron SPYKER C8 SPYDER  J JANIS/M HEZEMANS/J KANE 4:11.598
50 GT2 No.82 Team LNT PANOZ ESPERANTE  L TOMLINSON/R DEAN/R BELL 4:13.049
51 GT2 No.83 GPC Sport FerrariF430GT2 M MARSH/J VILLARROEL/C ROSENBLAD 4:15.669
52 GT2 No.71 Seikel Motorsport Porsche997GT3RSR  PH COLLIN/H FELBERMAYR Senior/H FELBERMAYR Junior 4:17.750
53 GT2 No.78 AF Corse FerrariF430GT2  J MACARI/B AUCOTT/A.NEWEY 4:21.714
54 P2 No.29 T2M Motorsport 童夢S101.5/Mader R LONGECHAL/山岸大/寺田陽次郎 4:53.983


6月12日
●今年のルマンのダークホースが続々登場
    
Photo:Sports-Car Racing

 2日目となって、2007年のルマンを闘うレーシングスポーツカーが次々とジャコバン広場に登場している。朝1番に地元のペスカロロが登場すると、たくさんのサポーター達によって、大きな歓声と共に迎えられた。車検の際、実際に予選と決勝レースで使われるパーツを取り付けるか、提出することが求められている。そのため、ペスカロロは、2台で違うリアウイングを取り付けて現れた。No.16が上下に薄いタイプ、No.17は上下に厚く、2枚目のフラップ部分が大きな迎え角をつけられている。
 もちろん、No.16がロードラッグの空力パッケージ、No.17がハイダウンフォースの空力パッケージだ。テストディの際、No.16がロードラッグパッケージで好タイムを記録している。もちろん、No.17もロードラッグパッケージを試みているが、何らかの違いがあるのかもしれない。

 午前10時10分になると、中野信治が乗り組むクリエイションが登場した。テストディのたった2週間前に完成したにも関わらず、クリエイションは深刻なトラブル無しで順調に開発を進めてきている。しかし、どうしても間に合わなかったのが、マーク・オルソンによるカラーリングだった。
 写真で明かなように、マーク・オルソンが描いた斬新なカラーリングは、人気を集めた。
 充分なテストを行っていないにも関わらず、クリエイションは、ダウンフォースとドラッグのバランスが良いようで、テルトルルージュ手前からユノディエールの3つのストレートを挟んで、インディアナポリスの手前までのセクター2、そして、ポルシェカーブやメゾンブランシェを含むセクター3で好タイムを記録した。このまま順調にセットアップが進むのであれば、侮れない存在となるだろう。

Photo:Sports-Car Racing

 クリエイションに続いてRacing for Hollandが走らせる童夢S101.5/Juddが登場した。新たにS101.5には、タイの童夢コンポジットタイランド製のボディカウルが取り付けられているが、日本の童夢カーボンマジック製と比べても非常に高度な仕上がりで、もはや変わらないレベルを実現しているように見える。 これまでの混乱から脱して、童夢は本来の状態を取り戻しつつあるようで、テストディの後、童夢はロードラッグの空力パッケージの風洞実験を慎重に行っていたようだ。漏れ伝え聞く情報によると、新たに見出したロードラッグの空力パッケージによって、童夢は、セクター2とセクター3で大幅なタイムアップを狙っているらしい。既にシュミレーションは終了して、新しい空力パッケージは決定している。13,629kmものサルテサーキット長さから考えると、タイトコーナーが連続するセクター1の占めるパーセンテージは、大きいとは言えないかもしれない。しかし、セクター1での速さをどれくらい犠牲にしないかが、成功のポイントとなっているようだ。

 現在のレギュレーションによって、100馬力も大きなパワーを与えられているディーゼルエンジンカーが有利なのは当たり前だ。逆に100馬力のハンデを跳ね返そうとして努力を続けている、ペスカロロ、クリエイション、童夢の活躍に期待したい。

6月12日
●Lola B08-60 Coupe公開

Photo:Lola Cars

 元々ローラは2007年に“屋根付き”のB07クーペをデビューさせる計画だった。ところが、カスタマーチームからのオーダーに従って、ローラは“屋根無し”でB07-10を完成させた。しかし、“屋根付き”のLMP1カーの開発を諦めた訳ではなかった。2007年1月ローラでは、空力エンジニアのフィル・ティラーによって、B05系の次の世代のスポーツカーのデザインが始まった。開発チームには、ピーター・エラリーと共にベントレーSpeed8を開発したジェネ・ヴァニラが加わっている。

 既に基本デザインは完成しており、6月末に風洞実験も開始される。CADデータを見てもらうと判るように、新世代と言うものの、基本的にB05系のデザインコンセプトを踏襲している。たぶん、ボディパネルの一部もB06やB07のものを使用することを前提としてデザインを進めているのだろう。
 しかし、“屋根付き”のキャビンを備えたモノコックには、様々な工夫が盛り込まれている。キャビンの下半分と上半分で、大きく大きさが違って、サイドウインドー部分に、途中で段差が存在するようなデザインとなっているのに注意。CADデータが本当のデザインであるのであれば、内部に設けられるロールフープの形状は、何らかの工夫が盛り込まなければならない。もしくは、新たなレギュレーション解釈の方法を見出したのかもしれない。

 既に5月に明かにしているように、ローラはB08-60にアウディV8ターボを組み合わせることを前提として開発を進めている。もちろん、今年アウディV8ターボを使っているスイススピリットや、彼らに続いてアウディV8ターボを使うチームが現れることを想定しているためだ。
 予定通りであれば、秋にB08-60クーペは走り出すことだろう。

6月11日
●2007LeMans Race Week Start

Photo:Sports-Car Racing

 いよいよ、2007年のルマン24時間レースのレースウィークに突入した。
 先週がそうだったように、今週のルマンも不安定な気圧配置で、朝方雨が降ったと思うと、昼頃になると太陽が顔を出して、気温が上昇し始めた。
 午後2時30分ルマン市内中央部のジャコバン広場で恒例の公開車検が始まった。先週行われたテストディの際、既に車検が行われているため、今週ジャコバン広場で2日間に渡って行われる車検は、プレイベントを主な目的としていることは言うまでもない。最初にジャコバン広場に姿を現したのは、2007年のルマンの一方の看板役者であるプジョーの908クーペだった。14年ぶりにルマンへ復活するプジョーを勇姿を見るため、たくさんの観客がジャコバン広場に集まった。
 続いて5台のコルベットが、GMワークスのコルベットレーシングを先頭にして次々とジャコバン広場に入ってきた。今日行われるのは17台だけで、残りの38台の車検は明日行われる。

Photo:Sports-Car Racing

 明日午前8時30分からペスカロロ、10時10分から中野信治のクリエイション、続いて10時20分からRfH童夢、11時40分から、エイドリアン・フェルナンデスと黒沢治樹のバラジ-イプシロン、午後2時からアウディ、2時30分からJLOC、3時30分からT2M童夢が登場する。
 明日ルマン地方の天気は雨のち曇りと予想されている。その後も予選が行われる水曜日と木曜日が雨のち晴れと安定しない。週末になって雨雲は姿を消す予報となっている。
 この不安定な気圧配置を見方につけるのは、誰だろうか?

6月8日
●トム・クリステンセンのルマン参加は11日に決定

Photo:AUDI AG

 現在ルマンで最多7勝を記録しているトム・クリステンセンは、今年DTM開幕戦ホッケンハイムにおけるアクシデントによって、活動を休止している。3日に行われたルマンテストディでは、もし、トム・クリステンセンが参加出来ない場合を考慮して、アウディはNo.2とNo.3のドライバーの組み合わせを変更してテストを行った。今週末DTMは、ブランズハッチに遠征してレースが行うため、ブランズハッチで、トム・クリステンセンのルマン参戦が発表されると思われていた。ところが、それは楽観的な見方だったようで、現在に至るもトム・クリステンセンのルマン参戦は決定されていない。

 今日アウディが公表したスケジュールによると、11日月曜日ヒルトンコペンハーゲンエアポートホテルにおいて、12時からトム・クリステンセンのルマン参戦についての記者会見が行われる。トム・クリステンセン、アウディスポーツのジークフリード・クラウス、そして担当医が出席する。
 つまり、ぎりぎりまで体調を観察して、参戦を決定することとなる。
 もし、ルマン参戦が決定されるのであれば、そのままコペンハーゲン空港からルマンへ向かうこととなる。翌日にはジャコバン広場に姿を現すこととなるだろう。

6月2日
●ルマンテストレポート1 寺田陽次郎はT2M童夢に乗り込む

Photo:Sports-Car Racing

 いよいよ2007年のルマンテストウィークが始まった。6月1日と6月2日サルテサーキット内で車検を行ない、6月3日決勝レース前たった1度だけサルテサーキットを走ることが出来るテストが行われる。
 昨日最初の車検が行われ、ルック・アルファンの2台のコルベットを先頭にして、ルマンテストウィークがスタートした。1日目の看板スターは、6番目に登場した2台のプジョー908クーペだった。
 ヴァレンシアを走った時と比べると、リアウイング周辺等にさらに手が加えられていた。
 続いてスイススピリットのローラアウディとシュロースレーシングのローラジャドが登場して、サルテサーキットは華やかな雰囲気に包まれた。

 しかし、今週ルマン地方は非常に不安定な気圧配置で、低温が続き、昼頃激しい雨が降り始めて、雷まで鳴り始めた。そのため、一旦車検は中断され、30分後再開された。

午後3時を過ぎるとザイテック勢が登場した。黒沢治樹とエイドリアン・フェルナンデスが乗り組むバラジイプシロンには、ノーズ左右に新しいデザインのカナードウイングが取り付けられていた。

Photo:Sports-Car Racing

 アストンマーティン勢を間に挟んで、中野信治が乗るクリエイションCA07Sが登場した。マーク・オルソンのカラーリングは来週になるらしく、黒一色に塗られている。続いてRacing for Hollandの童夢S101.5/Juddが登場した。大きなエンジンカウルと黒いカラーリングが凄味を利かせて人だかりが出来た。
 いずれも、既に今年LMSやALMSに参加しているため、混乱なく車検は行われた。

 2日目になって、一番目にワークスコルベットは登場した。アメリカから参加する唯一のワークスチームとあって、今年コルベットレーシング関連の設備は、何処も厳しいセキュリティが行われている。時勢を考えれば当たり前かもしれない。車検場に入るため、ピットロードを押されて行く時、黄色いコルベットには、大勢のファンに囲まれた。この時だけはセキュリティ無しで、ファンはワークスコルベットGTレースカーに接することが出来ただろう。

 フェラーリを挟んで、3台のアウディR10が登場した。2年目となっても、アウディのディーゼルエンジンカーに対する関心は高い。昨年アウディは、ピットの床下を加工して油圧ジャッキを設置して、我々を驚かせてくれた。その後、油圧ジャッキが設置された45番と46番ピットの運命が心配されていたが、今年アウディが使う3つのピットは、その総ての床下に油圧ジャッキが設置されている。
 アウディは、午後4時から6時までホームストレートの向い側にある飛行場を使って、テストを行うらしい。エンジンやパドルシフトの作動確認と共に電気系のチェックを目的としているようだ。

 終了3台前、T2Mが走らせる、P2バージョンの童夢S101.5/マーダーが登場した。綺麗なイエローにカラーリングされたS101.5は、RfHが走らせるP1バージョンがジャド5.5リットルV10を積むのに対して、マーダー3.4リットルV8エンジンを積んでいる。もちろん、様々なシステムが違うことから、P1バージョンと同じ、イアン・フォーリーのイクイップメイク製パドルシフトを使うと言っても、新たにセットアップしなければならない。これまで、パドルシフトのセットアップが遅れていたため、明日のテスト走行を前にして、夕方7時から隣の飛行場でテストを行うこととなった。

Photo:Sports-Car Racing

 今日になって、T2Mは、ミスタールマンこと寺田陽次郎が、明日のテストでT2M童夢に乗り組むことを発表した。今日の段階では、それ以上公表出来ないらしいが、寺田陽次郎の2007年も始まったようだ。

6月1日
●Creation CA07S登場 中野信治ルマンに復活

Photo:Sports-Car Racing

 クリエイションは、22日スネッタートンでCA07Sのシェイクダウンテストを行った。ジェレミー・キャンベル・ウォールター、フィリーペ・オルテス、そして中野信治が乗り組み、シェイクダウンでありながら、トブルフリーだったことから、順調に周回を重ねて、一緒に走っていたアレーナザイテック(P1)と遜色ないラップタイムを記録した。翌23日、本格的なテストを行うため、クリエイションはドニントンに移動した。残念ながら、遅いクルマも一緒に走行したため、ラップタイムに見るべきものはなかったが、何一つ深刻なトラブルなく、マイレッジを稼ぐこととなった。
 一旦工場に戻ってチェックを行った後、29日クリエイションはマニクールで夜間テストを行った。そのままイギリスに帰らず、チームはルマンへ乗り込んできた。

 クリエイションは、元々“屋根付き”でCA07Sをデザインしていた。しかし、今年になって急遽計画を変更して、“屋根無し”でCA07Sは完成することとなった。どのような事情があったのか? 正確な理由は判らないが、ザイテックと非常に似たデザインのモノコックだったことから、先週公表された時、ザイテックからモノコックを買ったと噂されていた。
 しかし、助手席のヘッドレストに設けられた2つのリストリクターで明かなように、ザイテックのものとは違って、CA07Sのモノコックは、クリエイション/KWM体制が独自にデザインしている。

 ルマン本番の3週間前に完成したため、誰もが、期待出来ないと思っていたかもしれない。しかし、新しいのはモノコックだけで、しかも、床下等、大きく性能に影響する部分は、CA06Hハイブリッドカーと大きく変更されていない。もちろん、機械的な部分も変わらないことから、CA06Hハイブリッドカーのセッティングをそのまま活用することが出来るため、即戦力となるだろう。トラブルフリーでテストが進行したことだけでなく、容易にポテンシャルを引き出せると考えられている。

 今年クリエイションは、新たにダンロップタイヤと契約した。最も心配されている部分だったが、今年ダンロップはロールセンターと提携して、1月からペスカロロを使ってタイヤの開発を行っている。ロールセンターペスカロロが、素晴らしい速さを発揮しているのを見ても、ダンロップタイヤの開発が急ピッチで進められていることが判るだろう。ロールセンターが開発したタイヤを使うことが出来ることから、この面でも、クリエイションはラッキーだったと言えるだろう。
 突然急旋回して、心配されていたクリエイションだったが、このような理由から、たった1週間で、大きく遅れを挽回しようとしている。中野信治が、素晴らしい速さを披露する可能性は高いだろう。


 



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