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7月31日
●2007JLMC最終戦岡山に最新のザイテックスポーツカーが登場!?

Photo:Sports-Car Racing
2週間前、SEROによるJLMC開催が今年限りであることがアナウンスされた。しかし、SEROの状況には関わらず、2008年以降を見越してJLMCを目指すチャレンジャーの計画は進んでいるようだ。
昨年、ヨチヨチ歩きでJLMCがスタートした時から一ツ山レーシングのザイテック05Sが参加している。と言うより、最初に行われたSUGOのレースに登場した本物のLMPカーは、この1台だけだった。2007年にJLMCを走ったザイテック05Sは、最後のLMP675レギュレーションである05Sスペックボディ(10%幅の狭いリアウイング)であるが、2004年レギュレーションの大きなリストリクターを装着していた。この車体が、2005年末ALMSに参加した後、日本に持ち込まれたことから、2005年のALMSが許していた(2004年LMSと同じ)大きなリストリクターを備えていたためだった。
と言うより、この頃、この1台しか本物のLMPカーは居なかったため、元に戻す理由がなかった。
その後夏のもてぎと最終戦岡山に、現在のLMP1レギュレーションのM-TECのクラージュが参加したため、2007年のJLMCでは、2005年のLMSやルマン24時間と同じように、1段階小さなリストリクターを装着すると共に10%小さい81リットルの燃料タンクを備えて参加している。
2006年のルマン24時間とLMSでLMP675カー(とLMP900カー)の出走が不可能となると、ザイテックは05Sのモノコックを使ったハイブリッドP1カーを開発した。それが06Sで925kgの車重と4リットルエンジンを積む。完全に新しいP1カーと比べると、助手席のロールバーが無いため重心が低く、ほんの少しだが、前面投影面積が小さいため、理論上P1カーより速い可能性も持っている。
今年ルマン24時間とLMSでハイブリッドカーの出走が不可能となったため、ザイテックは、完全に新しいレギュレーションに合致するモノコックを開発して07Sを作り上げた。
07Sは、LMP675と同じ3.4リットルエンジンを積むP2バージョンと、4リットルエンジンを積むP1バージョンが存在して、P1バージョンはアレーナに、P2バージョンはバラジ-イプシロンにデリバリーされた。
バラジ-イプシロンは07Sを2台オーダーしていた。しかし、完全なレースパッケージを組み立てることが出来なかったため、今年のルマンで、2台目の07Sは、ザイテックの勧めによって、と言うよりザイテックの関与によって参戦している。そして、来年アキュラと共にルマンに参戦するエイドリアン・フェルナンデス、黒沢治樹、ロビー・カーが乗り組んだ。
バラジ-イプシロンの2台目の07Sは、ルマン後売りに出された。もちろん、彼方此方から引き合いがあって、たくさんのライバルを押しのけ、ボブ・ベリッジに販売されることが伝えられた
その頃ザイテック自身は、JLMCに06Sハイブリッドカーを持ち込むことを目論んでいた。と言っても、ザイテック自身が自腹を切って走らせるのは不可能であるため、日本のレーシングチームやスポンサーと話し合いを行っていた。そして、岡山で行われる最終戦で06Sを走らせることが決まりかけていた。
その時に、SEROが撤退することが明かとなった。
彼らにとって、寝耳に水の話だったかもしれない。
しかし、06Sを日本に持ち込む話が消滅した訳ではないようだ。しかも、イギリスでは、07Sを買ったはずのボブ・ベリッジからの入金が遅れているため、2007年中の出走が難しい状況が生じていた。
そのため、再び最新のザイテックスポーツカーを日本で走らせる計画が進行している。
現在だけを考えるのであれば、重心が低い06Sハイブリッドカーが有利だろう。しかし、07Sは2010年まで世界中で走ることが可能だ。しかも、07S
P2カーは、しばしばP1カーより速いラップタイムを記録しているため、日本でも大活躍を披露することは間違いない。
どちらを走らせるにしても、まだ、計画が決定された訳ではない。しかし、混沌としたJLMCの状況にあって、新たな動きが存在することを覚えておくべきだろう。
7月30日
●2008年にヨーロッパでもアウディR10とポルシェRSスパイダーが走る
 Photo:AUDI AG
先週FIAGTスパ24時間レースが行われていたスパ-フランコルシャンで、ステファン・ラテルとパトリック・ペーターはLMSについてのプレスコンファレンスを開催した。
2008年のカレンダーの発表は8月となるらしいが、今年8月に行われるLMSスパラウンドについて、2008年は従来通り5月に行われることを明かとした。そして、噂となっているアウディR10のLMS参戦について、来月(9月)行われるシルバーストーンに参戦する可能性が高いことを認めた。
しかも、2008年にアウディが、ヨーロッパでも1つのR10チームを走らせる予定であることを公表した。
先週ヘルムート・クリステンが口を滑らせたため、明かとなってしまったVMモータースポーツのポルシェRSスパイダーについても、既に確認していることを認めた。
つまり、2008年LMSでプジョーとアウディが直接対決すると共に、ALMSでアウディが手こずっているポルシェRSスパイダーというダークホースが登場する。このニュースは、P1クラスのレーシングチームだけでなく、現在平穏な生活を送っているP2クラスのプライベートチームにとっても、今後大々的なテコ入れを行わない限り、2008年の平和が維持出来ないことを意味している。
と言う事は、1億5,000万円を用意出来ないレーシングチームの多くによって、現在ヨーロッパで最強のP2カーであるザイテック07Sがたくさん注文されるのだろうか?
7月29日
●ヨーロッパで最初のポルシェRSスパイダーはオランダへ

Photo:ALMS
今年から販売されているポルシェRSスパイダーは、元々北米ポルシェのオーダーによって開発されたため、ポルシェは北米での販売を優先することを公表していた。そのため、当初ポルシェは、ALMSへ参加することを購入の条件としようとしたほどだった。しかし、約1億5,000万円という高価格もあって、飛ぶように売れている訳ではない。限りなくポルシェが関わっているペンスキーを除くと、ロブ・ダイソンだけが2007年シーズン開幕前に購入しただけだった。シーズンが進むにつれ、2つのレーシングチームがポルシェRSスパイダーを購入したことを公表したが、どちらも、現在のところ参加している訳ではない。
このような販売状況であることもあって、ポルシェは、これまで積極的でなかった、ヨーロッパのレーシングチームに対するRSスパイダーの販売について、動き出しているようだ。もちろん2008年のプランについてだが、7月20日ポルシェAGのヘルムート・クリステンは「2008年ヨーロッパでもRSスパイダーが走る」と宣言した。その数時間後には、オランダのフランツ・フェルシャーが、RSスパイダーを購入したことが明かとなった。その頃フランツ・フェルシャーはALMSミッドオハイオを訪れており、急遽自身の2008年のプロジェクトについて、彼方此方で質問攻めに合うこととなった。
それによると、RSスパイダーを購入したのは、フランツ・フェルシャーが率いるエキップ・フェルシャーで、エキップ・フェルシャーが運営するレーシングチームであるVMモータースポーツが走らせる。2008年ルマン24時間とLMS全戦に、3人のオランダ人ドライバーによって参加することを計画している。
現在これ以上計画は進展してないようだが、週明けになると、ポルシェAGのヘルムート・クリステン自身が、フランツ・フェルシャーの計画をポルシェがバックアップしていることを明かとした。つまり、30年近くスポーツカーレースでは忘れられていたペンスキーの名前が2年前に登場したように、フランツ・フィッシャーのプロジェクトはヘルムート・クリステンが深く関わっている。
7月21日
●SEROによるJLMC開催は今年限り? しかし、ACOは2008年以降アジアへの展開を公表!
 Photo:Sports-Car Racing
昨年からスタートした全日本スポーツカー耐久選手権は、日本では初めてとなるACOレギュレーションによるスポーツカーレースとして注目された。現在事実上全世界で共通なスポーツカーレースのレギュレーションは、ACOレギュレーションだけであるだけでなく、ルマンとの融合が最大の売りだった。
しかし、FIAでなくACOレギュレーションを使いながら、JAFの認定を受けて全日本のタイトルを掲げる、少々複雑なシリーズとして誕生した。そのため、正式名称は全日本スポーツカー耐久選手権でありながら、プロモーターのSEROは、ジャパン・ルマン・チャレンジ(JLMC)と名付けていた。
日本では、日本独自のJAF-GTレギュレーションによるSUPER
GTが盛んだったこともあって、ACOレギュレーションに基づいて作られたスポーツカーはほとんど存在しない。そのため、期待のスポーツカーレースシリーズでありながら、ほんの僅かなエントリーしか集めることが出来なかった。特に日本では13年の間プロトタイプスポーツカーのレースが行われてなかったことから、シリーズの目玉となるP1とP2カーはほとんど勧誘することが出来なかった。このままではシリーズを立ち上げることさえ難しいため、ACOレギュレーションとは違う、シングルシーターのGC21やRSの参加を認めることとなった。
そうして、JLMCが誕生した。しかし、アイデンティティが曖昧になったこともあって、ACOレギュレーションのマシンのエントリーが増えることはなかった。
この状況に対して、全日本スポーツカー耐久選手権のタイトルを与えたJAFは、SEROに対して、SUPER
GTに参加しているGT300マシンのためのクラスを設けるよう要求した。しかし、元々日本に存在しないカテゴリーであるP1やP2であれば、暫定的にGC21やRSの参加を認めても、ACOルールには存在しないGT300クラスを設ける事に対してACOが認めるとは考え難かった。
SEROは、JAFとACOの間で苦しい話し合いを続けることとなった。
ACOは、2008年には完全なACOルールへの移行を期待していた。とても、新たに日本のローカルルールであるGT300のクラスを認めることは難しいと判断しなかればならなかった。
もちろん、2008年にACOレギュレーションのマシンがたくさんJLMCにエントリーするのであれば、SEROの苦労もなくなるが、現在の状況を考えると、急激にエントリーが増えるとは考えられなかった。
そこで、7月13日SEROとACOは話し合って、SEROによる2008年のJLMC開催を見送ることを決定した。

Photo:Sports-Car Racing
状況を整理してみよう。まず、全日本選手権の場合、通常6月までに翌年のカレンダー申請を行わなければならない。そのため、既にSEROは、2008年の幾つかのイベントのカレンダー申請を行っていた。これらのイベントについては、あらためて、申請を辞退することとなった。
つまり、この段階で2008年の全日本スポーツカー選手権の開催はなくなった。しかし、2008年にJLMCが開催されないとは言い切れないようだ。
SEROが開催を諦めた後、ACOは様々な可能性を探って多方面と話し合っている。そうして、2008年に好感触を得ることが出来たらしい。そして今日(7月21日午後1時)SEROが発表する半日前(7月21日午前1時)、「2008年にSEROによるJLMSは開催されない。しかし、ACOはアジアへ展開する」と発表した。
もちろん、SEROが「2008年にJLMC開催を断念する」旨の発表を行えば、ほとんどの人々は「2008年にJLMCが開催されない」と判断してしまう。そのため、「SEROが開催しなくても、2008年にもJLMCは開催される」ことをアピールするため、大急ぎでACOが発表したことは間違いないだろう。
しかし、では、2008年に誰がJLMCのプロモーターを務めるのか?現在のところ、まったく判らない。
ACOと親しい日本人の名前が漏れ伝えられているが、その人物はレースシリーズのプロモーターの経験もなければ、現在のところ、その体制も持っていない。
また、SEROにとって、最も困難だったのは、JAFによる全日本選手権のタイトルであって、今後、JAFの全日本選手権のタイトルを返上して、ACOレギュレーションを使う独自のシリーズとして、再びSEROとACOが契約する可能性も残されている。しかも、JLMCの開催は返上しても、併催されているクラシック・レーシング・ジャパン(CRJ)のプロモーターは、2008年以降も継続する。
半日前ACOが発表した内容は、アジアへの展開と書かれていることからも、非常に曖昧だ。再建への道を歩むSUPER
GTの状況もあって、もう少し、様子を見なければならないだろう。
7月20日
●2008年にペスカロロがプジョーを走らせる!?
 
Photo:Sports-Car Racing
現在アウディとプジョーのファクトリーチームを除くと、最も優秀なスポーツカーチームがペスカロロであるのは誰もが認めている。アンリ・ペスカロロがペスカロロスポーツを設立した時、プジョーが強力にバックアップしていた。もちろん、ソデモ製のプジョーV6ターボが供給されていた。しかし、ソデモのV6ターボエンジンは非力で、ペスカロロとプジョーは話し合った末、2005年から、プジョーのバックアップはそのまま、ペスカロロはジャドのV10を積むようになった。
当時2007年からプジョーが登場することは周知の事実だった。もちろん、ペスカロロがプジョー908を走らせるか、ペスカロロシャシーにプジョーのV12エンジンが積まれると考えられていた。
実際ペスカロロとプジョーは、話し合いを行っていた。今年の初め、つまり、プジョー自身によってスポーツカープロジェクトが推進されるようになっった後、アンリ・ペスカロロは、「プジョーとは、ほとんど合意していた」と述べて、フランス人達を驚かせたことがあった。
しかし、100馬力も大きなディーゼルターボエンジンを積む908に対して、ペスカロロが走らせるS01は、C60の発展型であるにも関わらず、巧妙なレース戦略によって、しばしばプジョーを出し抜く活躍を披露している。逆にセルジュ・セルニエのF3チームのスタッフを中心として集められたプジョーは、プアーなピットワークを曝して、批判を浴びることとなった。プジョーの判断は間違いと囁かれたが、プジョーとペスカロロの話し合いは継続していたようだ。
LMSニュルブルクリンクの際、2008年の計画について、ペスカロロは「ALMSに参加するかもしれない」と語っていた。ニュルブルクリンクでは、シュロースローラのリストリクター違反事件があったことから、ペスカロロの発言は、誰もが重要なものとは考えずに、どちらかと言うと忘れてしまっていた。
ALMSの場合、純粋なACOレギュレーションではなく、P1クラスのガソリンエンジンカーの最低車重は、特別な場合を除いて875kgである。そのため、有能なスポーツカーチームが参加するのであれば、アウディのディーゼルエンジンカーと対抗することが可能と考えられている。そのため、ACOレギュレーションに反対する姿勢を示すためのペスカロロの行動とも考えられていた。
ところが、最近になって、ペスカロロは、2008年にプジョーのディーゼルエンジンカーを走らせるか、ALMSに参戦するか、2つの選択を検討中であることを明かとした。既にイギリスのオートスポーツ誌が、ペスカロロに対して、再度コメントを求めて、それを確認する記事を掲載している。
どうやら、ペスカロロが圧力をかけていたのは、ACOだけでなくプジョーもだったらしい。
現在のところ、ペスカロロから、どちらを望むのか。あるいは、どちらに決定するのか、についての追加の発表はない。同様にプジョーも何も公表してないが、もし、プジョーがペスカロロの要求を承諾するのであれば、LMSは興味深いレースを実現することが出来る一方、P1クラスからガソリンエンジンカーを追い出すこととなるかもしれない。プジョーがペスカロロの要求を断って、ペスカロロがALMSに参戦する場合、ALMSのP1クラスは、久しぶりにまともなレースを実現することが出来る。しかし、LMSは強力なレーシングチームを失いこととなってしまう。
7月5日
●疑惑は続く LMS Rd3
Nurburgring Modena AstonMartin失格
 Photo:Sports-Car Racing
先週行われたLMS
Rd3ニュルブルクリンクの予選で、大きなリストリクターと装着していたことを理由として、No.15シュロースローラが予選タイムを抹消され、最後尾グリッドからスタートしたことは既報の通り。その後決勝レース終了後に行われた車検によって、GT1クラスの2位でフィニッシュしたNo.59モデナアストンマーティンは、燃料タンク容量が、レギュレーションが定める90リットルより0.8リットル大きかったとして、レースから除外されることとなった。
しかし、たった0.8リットルオーバーであること、そして、レース終了後3日も経って、公表されたことに対して、当然ながら不信の声が上がっている。
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