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●4月24日
未来永劫GTRが勝つ法則

Photo:Sports-Car Racing
シーズン開幕1ヶ月になって、GTAは特別性能調整なるプランを公表した。既に知らせたように、当初特別性能調整は、開幕戦鈴鹿と第2戦岡山で、開幕戦単独、もしくは2レース両方の結果によって、今シーズン終了まで下ろすことが出来ないウエイトハンデを課すことを明言していた。最大で60kgであるため、常識的には、この特別性能調整の対象となった場合、2008年のチャンピオン争いから脱落することを意味していた。
ところが、その後、開幕直前になって、GTAが特別性能調整を施行した本当の理由が明かとなった。
元々、2009年レギュレーションを先取りして参加するGTRは、2008年と比べると、0.3〜0.5%速いと判断された。もちろん、本来のレギュレーションのクルマではないため、特認扱いでの参加となる。そこで、特認条件として、何らかのウエイトハンデを課すことが話し合われていた。ところが、その後、2009年より大きなリストリクターが使われ、1リットル以上排気量も大きい2008年の4.5リットルV8や、2008年と同じ大きなリアウイングの使用まで許してしまった。
そのどさくさに紛れて、特認条件のウエイトハンデの話しは忘れられてしまったらしい。
2007年に一番速かったGT500マシンはNSX-GTであるから、「取り敢えずNSX-GTの速さを抑えたい」と言う希望もあっただろう。NS-GTに目を奪われた結果、2008年と2009年の良いとこ取りのGTRにはハンデを与えず、1年前速かったNSX-GTに50kgの重りを載せる、不可解な状態で2008年をスタートすることを決めてしまった。
ところが、冷静になって考えたところ、大変なことに気づいたようだ。そうして設けられたのが、特別性能調整だった。
しかし、2008年の大きなリストリクターと大きなリアウイング、2009年の幅が広いボディ、背の低いキャビン、そして、場合によっては、キャビンの位置まで前後に移動出来るのだ。この良いとこ取りによって、理論的に2%以上速く走ることが可能と考えられている。2分のラップタイムのコースで2%は2.4秒に相当する。大体鈴鹿が当てはまると考えて良いだろう。実際開幕戦鈴鹿で、GTRはレクサスSCとNSX-GTを秒単位で引き離している。
既に、理論通り、2%のアドバンテージは証明されたと考えても良いだろう。
この事態に驚いたGTAは、当初シーズン開幕時にのみ行う予定だった特別性能調整を、1回ではなく年1回以上行うことを明かとしている。つまり、性能の拮抗化が実現するまで何度でも行うと言うのだ。
しかし、GTAのレギュレーションブックには、ウエイトハンデは最大100kgと明記されているのだ。100kg以上のウエイトハンデは数字上累積されるだけで、実際に積まれることはない。
つまり、100kgのウエイトハンデを課せられても、勝つことが出来るようなクルマを特認で認めさせてしまえば、どんなにハンデを課せられても、シーズンを通して勝つことが出来るのだ。
もちろん、GTAは、第3戦からの特別性能調整を見直して、NSX-GTの50kgは10kg軽い40kgとなった。逆に謎の0kgだったGTRには80kgが付け加えられた。
では、特別性能調整はウエイトンデに含まれるのか?と言うことが問題となるだろう。もし、ウエイトハンデに含まれるのであれば、特認条件を見直さない限り、未来永劫不可解な状況が続くだろう。
●4月19日
童夢S102のターゲットは3分23秒以下!?
  Photo:Sports-Car Racing
16日と17日童夢は、S102の2回目のテストを富士スピードウェイで行った。元々余裕がないところへ、無理して2日間のスケジュールを組んだため、16日のテストは、夕方の午後4時から、富士スピードウェイの営業終了後の午後7時まで行われた。富士スピードウェイが、好意的な対応を示すのも、現在の童夢の大きな可能性を示している。
S102プロジェクトは、速く走るだけでなく、確実に走ることを目的としている。そのため、最も心配されたザイテック製のパドルシフトシステムは、昨年12月から何度もテストを行って開発に努めた結果、既に問題ない作動を実現している。しかし、問題ない作動だけでは、現在の童夢は不満であるようで、より素早い作動を求めている。
確実に速く走らせるため、昨年S101.5は、常に大きなエンジンパワーを得るよう、大きなクーリング性能を求めて、彼方此方に冷却用のダクトが設けられた。この教訓から、より大きなクーリング性能を、空力性能を犠牲としないで獲得することが求められた。その結果、上面にたくさんのスリットを設けたリアカウルが作られた。このリアカウルを取り付けて、クーリング性能がテストされた。しかし、サーモスタットが作動するような温度であるため、通常のリアカウルと比べても、ほとんど違いがなかった。そのため、月末にSUGOで行われる3回目のテストの際、再びスリット付きのリアカウルを装着して、クーリング能力の差を見極めるテストは行われることとなるようだ。
富士スピードウェイでは、新しいクルマとして、行わなければならない、様々なテストが行われたが、基本的にトラブルは何一つとして発生しなかった。そのため、2回目の走行から、速さを求めたセットアップを期待するのは酷かもしれないが、既に周囲からは、早くも、速さを追求したセットアップを望む声が高まっている。
童夢の計算によると、S101.5と比較して、S102は37%アップの空力性能を持つと判断されている。大きなセットアップを行わなくても、基本的な空力性能は大まかに判定することが可能だ。高速の富士スピードウェイで320km/hを超える最高速度を記録したことは、少なくとも、S102が高い空力性能を持つと言っても間違いないだろう。
同様にシャシーの重量配分等々にも、現在のところ何も手を付けられていない。そのため、S102最大の特徴である、前よりの前後重量配分による、フロントタイヤの性能を引き出した速さも、これから追求されることとなる。
残るテストはSUGOとスパの2回だ。ルマンのテストディを含んでも、3回のテストによって、S102の性能を引き出さなければならない。この点が、現在の童夢にとって、最も大きな悩みであるだろう。
場合によると、追加でテストが行われるかもしれない。
●4月19日
やっぱりP2がP1を圧倒するALMS
IMSAの選択
 Photo:Sports-Car
Racing
ACOのレギュレーションをそのまま使わないで、ALMSでは、拮抗したレースを実現するため、IMSAがACOのレギュレーションをモデファイして使っている。
ACOは、間違っても、P2がP1に勝つことがないよう、P2の車重を50kg重い825kgとする一方、総てのP1カーの車重を25kg軽い900kgとした。P2は、燃料タンクも10リットル少ない80リットルとされた。しかし、ALMSではシーズンを通して参戦する強力なP1カーは、アウディだけだったため、P2カーの戦闘力が低くなってしまうと、常にアウディのディーゼルエンジンカーが勝つこととなってしまう。そこで、IMSAは、P2の車重を25kgだけ重い800kgとして、P1の車重は925kgのままとした。P2の燃料タンクも従来通り90リットルのままとした。
ところが、セブリングで行われた開幕戦では、ペンスキーのポルシェP2カーが優勝して、今週行われている第3戦ロングビーチでは、スターティンググリッドの上位5台をP2カーが占める結果となっている。
ロングビーチからの情報によると、性能を拮抗化させる方法が話し合われているらしい。P1の車重をACOと違って、従来と同じ925kgとしたのは、アウディやプジョーのディーゼルエンジンカーが、到底900kgまで軽量化を進めることが不可能だったからだ。実際ACOも、そこに目を付けて、ガソリンエンジンのP1カーにアドバンテージを与えている。
現在IMSAが目論んでいるのは、P2カーの車重と燃料タンクの容量を変更することであるらしい。しかし、9月の“プチ-ルマン”まで長距離耐久レースは行われないため、燃料タンクの容量を制限したとしても、大きな効果はないだろう。
と言う事は、車重を重くする方法しかないのだろうが、シーズン終盤、プジョーのALMS参戦が予想されるため、その時を考慮すると、ポルシェとアキュラのP2カーを遅くすべきでない、との意見もあるようだ。
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