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2014
12月10日
●AsianLMSは根本的な見直しが決定 中国のS2Mとの契約は解除 期待されるSuperGTとの提携


 土曜日にマレーシアのセパンで、地元のツーリングカーレースの前座イベントとしてAsianLMSが開催された際、ACOは、マーク・トーマスのS2Mとの開催契約の解除を発表した。同時に2015年のAsianLMSは、ACO自身が開催する意向であることを公表した。

 2013年にスタートしたAsianLMSは、あまりに悲惨な状態であることから、これまで何度も、彼方此方から改革のプランが提案されている。7月には、日本の団体から、日本で3レース+セパン+αの現実的なプランも提案されている。ところが、7月に日本からの提案を受けた際、マーク・トーマスは、「そのプランはインターナショナルレースのプランであって、我々のレースとは違う」と述べて、マーク・トーマスが、AsianLMSを中国のナショナルレースとして構想していることを認めてしまった。
 ちなみに、中国のナショナルシリーズとして構想して、この2年、共に3回の中国でも開催を計画した関わらず、中国国内からのエントリーは、拡大解釈しても1チームだけ、しかも、このチームのエンジニアとメカニックはフランス人だった。

 悲惨なマーク・トーマスの最初のプランは、中国で3つ、韓国で1つ、日本で1つ、インドネシアで1つ開催することだった。しかし、あっという間にインドネシアは姿を消して、中国と韓国からのエントリーも皆無で、昨年、韓国でレースが開催された際は、サーキットをロックアウトされる事件まで勃発している。到底国際レースを開催する様な場所ではなかった。
 マーク・トーマスのS2Mによる悲惨な2年の間、唯一のまともなレースは、日本の富士スピードウェイで開催された、SuperGTのGT300マシンとの合同レースだけだった。と言うより、このレースは、たくさんのGT300マシンが走るレースに、ほんの数台のAsianLMSの雑多なクルマが混走しただけと判断するのが正しいだろう。

 アジアでたくさんのスポーツカーが走るスポーツカーレースは、日本を中心として開催されているSuperGTとマレーシアのセパンを拠点とするGTアジアの2つが存在する。これまでもマーク・トーマスは、頻繁にGTAとGTアジアに対して、提携についての話し合いを働きかけている。しかし、あまりの無策ぶりによって、GTAとの話し合いは頓挫している。たった1度だけでも、GTAが、GT300との混走レースを実現させたことを、マーク・トーマスは勘違いしたようだ。
 GTアジアは、マレーシアのセパンを拠点とするが、バックはマカオGPと深く関わる香港スーパーカークラブだ。マカオにはパーマネントサーキットが存在しないため、マレーシアのセパンを拠点とする、モータースポーツアジアのデビッド・ソネンシャーにオーガナイザーを任せて、GTアジアとして成立している。

 マーク・トーマスのS2Mは上海を拠点として、S2Mのバックに誰が居るか?考えると、香港のミリオネラ達が、AsianLMSとS2Mを避けるのは容易に理解出来る。中国市場への参入を目論んで、観客が居ないにも関わらず、意味不明な公道レースを実施したドイツのメーカーではないのだ。民主主義の香港の人々が中国へ金を落とす理由はない。

 ACOから開催契約を解除される前、マーク・トーマスは、GTアジアやSuperGTのマシンを導入するため、GTアジアのマシンがマレーシアのセパンで保管されている4月にセパンで開幕戦を行う一方、今年の呆れたトラブルを考慮して、9月に富士スピードウェイで開催することを最初に決定した。しかし、中国や韓国での開催については、相変わらずで、今年同様12月にセパンで、ツーリングカーレースの前座として最終戦を開催する計画だった。GTアジア勢の興味を惹くため、旧正月にウインターレースの開催まで計画していた。もちろん、富士とセパン以外のレースが成立するとは考えられなかった。

 現在ACOは、開催方法を模索している段階であるようだ。新しい開催事務局が、ACO自身なのか?どこかに委託するとしても、新しいAsianLMSのオーガナイザーが、中国を拠点とすることは無いようだ。余程の好条件が無い限り、現在のところ、中国本土での開催は考慮されていない。この方針がそのまま実施された場合、もちろん、中国本土のオーガナイザーが関わらないのであれば、香港に住み、GTアジアに参加するミリオネラも参加し易いことだろう。

 曖昧となってしまうが、現在のところ、まずACOが新しい開催組織を構築するのが最優先で、どんなに早くても、2015年の開幕戦は9月以降となるようだ。セパンでACOは、2015年は3レース程度を開催する、と発言したが、どうやら、改革AsianLMS開幕戦は、9月20日に富士スピードウェイで開催される可能性が高い。残りの2つについて、ACOは1つをセパンを想定しているようだが、現在のところセパンは決定していない。もし、3つ開催されるのであれば、残りの1つも日本の可能性が高い。

 ACOも、SuperGTとGTアジアとの提携を望んでいる。既にGTアジアとは話し合いを行ったようだ。アジア地域で唯一のプロフェッショナルなスポーツカーレースシリーズはSuperGTであるため、ACOはSuperGTとの提携が最優先としているらしいが、昨日(9日)の段階で、ACOが新たにGTAと話し合った事実はない。しかし、10月に富士スピードウェイでWECが開催された際、GTAとACOは、曖昧ながらも、互いの将来計画について、話し合いを行っている。開幕戦を9月と想定するのであれば、4月か5月までに、プランをまとめれば良い。今後話し合いが加速することが予想される。

12月5日
●2015年のグリーブスはLMP3を加えた3台体制 LMP3カーはジネッタ-ジューノ LMP2は近日発表

Photo:Greaves Motorsport


 2013年ゲイナーと提携したグリーブスは、2014年激戦が繰り広げられているELMSへ活動の場を移した。2015年もグリーブスはELMSを中心として活動する計画だが、新たにLMP3カーを加えた3台での活動を計画している。昨日一足早く、新たに走らせるLMP3カーについての発表を行った。新たに導入されるLMP3カーはジネッタ-ジューノだ。

 現在のジネッタは、介護産業で成功したローレンス・トムリンソンによって運営されている。以前からトムリンソンは、LMPカーへの参入を望んでおり、5年前ザイテック(現ギブソン)に出資して、当時のザイテックLMPカーをジネッタ-ザイテックと名付けて走らせた。しかし、ザイテックとジネッタの蜜月関係は短期間で終了して、ジネッタはLMPカーでの活動を取り止めた。
 しかし、トムリンソンはLMPへの参入を諦めてなかったようで、新たに新興コンストラクターのジューノと契約して、ジューノが開発したLMP3カーをジネッタ-ジューノと名付けて、2015年からLMPへの再参入を実現した。
 ジューノとは、ウイリアムズF1のデザインエンジニアだったエイワン・バルドレーが興したコンストラクターで、ジネッタと提携したことによって、バルドレーはジネッタのテクニカルダイレクターに就任した。

 グリーブスは、ジネッタ-ジューノに420馬力のニッサンV8とXトラック製トランスミッションを組み合わせる。同時にグリーブスは、最初の1人のドライバーとして、2014年ラディカル・ヨーロピアン・マスターズ・チャンピオンを獲得したブラッドレー・スミスとの契約を発表した。
 グリーブスは、従来同様LMP2カーを2台走らせる計画だが、LMP2カーも更新されるだろう。新しいLMP2カーは、近日中に発表される。

 グリーブスは2013年にゲイナーと提携しただけでなく、10月グリーブス傘下のレースパーツ会社のグリーブス3Dは、日本での販売についてSARDと契約を結んだ。たぶん、現在SARDのセールスマンが、日本中のレーシングチームへ、グリーブス3Dのタイヤ研磨マシンを売り込んでいることだろう。

1月22日
●2015年ADAC GTカレンダー決定

Photo:ADAC GT


4月24-26日Rd.1 オッシャースレーベン(D)
6月5-7日 Rd.2 レッドブルリンク(AUT)
6月19-21日 Rd.3 スパ-フランコルシャン(BEL)
7月3-5日 Rd.4 ラウシッツリンク(D)
8月14-16日 Rd.5 ニュルブルクリンク(D)
8月28-30日 Rd.6 ザクセンリンク(D)
9月18-20日 Rd.7 ザンドフールト(NED)
10月2-4日 Rd.8 ホッケンハイム(D)

11月21日
●YGKがLMP1カーでの使用を見込んだ排気エネルギーリカバリーシステムを発表

Photo;Sports-Car Racing


 YGKは、長らく東海大学と提携して、モータースポーツを対象として技術開発を行っていた。現在では東海大学を退官した林義正氏を最高技術顧問に迎えて、モータースポーツに限らず、一般社会での使用を目的とした様々な技術開発に取り組んでいる。最近では災害時の使用を想定して、プロパンガスを使った汎用発電機等も開発している。
 と言っても、かつてニッサンのグループCプロジェクトの技術開発を指揮した林義正氏が関わる以上モータースポーツを忘れてしまった訳でなく、現在YGKは、LMP1Hでの使用を想定したエネルギーリカバリーシステム(ハイブリッドシステム)の開発に取り組んでいる。昨日物作りを支援する東京大田区の産業プラザにおいて、YGKは開発中の排気エネルギーリカバリーシステムを発表した。

 今年からFIAは、LMP1クラスをエネルギーリカバリーシステムを盛り込んだLMP1Hとエネルギーリカバリーシステム無しのLMP1Lの2つに分け、メーカーのファクトリーチームはLMP1Hでなければ、参加することが許されない。と言うより、現在のスポーツカーレースは、エネルギーリカバリーシステムを盛り込んだLMP1Hカーでなければ、総合優勝することは不可能だ。
 もちろん、成功するための重要なポイントは、最良のエネルギーリカバリーシステムであるため、LMP1Hへの参入を目論むメーカーは、各自全力で最良のエネルギーリカバリーシステムの開発に取り組んでいる。エネルギーリカバリーシステムは過渡期の技術であるため、現在LMP1Hに参加するトヨタ、ポルシェ、アウディは、それぞれ違ったエネルギーリカバリーシステムを採用している。

 トヨタは、NA3.7リットルエンジンを使って、前後両方の車軸からブレーキング時に回生エネルギーを回収して、キャパシタにエネルギーを保存する。ポルシェは、2リットルターボエンジンを使い、フロントの車軸からブレーキング時に回生エネルギーを回収する一方、ターボチャージャーには電気モーターを組み合わせて、排気ガスの力によって、過給するだけでなく発電を行い、リチウムイオンバッテリーにエネルギーを保存する。今となっては少々暫定的なシステムとなったが、アウディは、フロント車軸からブレーキング時に回生エネルギーを回収して、フライホイールにエネルギーを保存する。

 YGKの排気エネルギーリカバリーシステムは、単純明快だ。ポルシェと同じ様に排気ガスの力によってタービンを回して発電するが、ポルシェのターボンはターボチャージヤーの一部であって、コンプレッサーが連結され、排気ガスの力によって、発電すると共に、エンジンに送り込む吸気を過給している。ところが、YGKの排気エネルギーリカバリーシステムは、コンプレッサーを持たず、タービンが設置されているだけで、排気ガスは発電するためだけに使われる。
 エンジンは過給されないことから、現在比較的大きな4.5リットルのNAエンジンと組み合わせられている。
 ターボエンジンでないことから、過給された空気を冷やすインタークーラーもなければ、排気圧を調節するウエストゲートバルブの無い。写真を見ると判る様に、エキゾーストが小さなタービンに導かれているだけで、エンジンルームの風景は非常にシンプルだ。

 コンパクトなタービンの前に存在する円形の箱の中に発電するための電気モーターが存在する。ところが、タービンは最大12,6000rpmで回転するのに対して、電気モーターの適正回転数はせいぜい18,000rpmだ。そこでタービンと電気モーターの間に減速ギアを設けなければならない。電気モーター手前にアルミの箱の中に減速ギアは設置されているが、タービンの熱が伝わらないよう、減速ギアシステムの開発に苦労した様だ。現在YGKはパテントを申請中であるため、詳しい説明は行わなかった。
 電気モーターと減速ギアは水冷であるため、電気モーターとエンジンの間にラジエターが設置されている。
 写真右手前に存在する銀色の断熱材に覆われた箱の中に交流を直流に変換するインバータが納められている。発電した電力はコクピット内助手席に設置されたキャパシタに保存される。しかし、発電した電力を貯めると言うより、即放出することを前提としているようで、トヨタの様な巨大なキャパシタでなく、非常にコンパクトなキャパシタしか備えていない。
 駆動に使われる電気モーターは、発電用電気モーター奥のラジエター下に設置されている。

 既に9月と10月に福島の飛行場でテスト走行が行われており、同じスロットル開度でありながら、走行して発電されることによって、電気モーターの出力が向上するため、どんどん車速がアップすると言う。発表会場においても、電気モーターのみで走行した。

 現在のLMP1Hのルールは、1周毎放出出来るハイブリッドエネルギーを2MJから8MJまで4段階に分けて、それに応じたエンジン出力を設定している。YGKは、今後LMP1H用として、ブレーキングの際回生エネルギーを回収するKERSを組み合わせることを公表した。しかし、保存を前提としないで、発電した電力を即使用する、現在のシステムは、現在のLMP1Hのルールには見合ってない。今後余裕のある大きな容量のキャパシタを搭載しない限り、発電を調整するため、何らかのシステムを組み合わせることが必要だ。ここら辺が、今後開発すべき課題となるだろう。

 実際に動く排気エネルギーリカバリーシステムを作り上げたため、即LMP1H参戦を期待してしまうが、LMP1Hはエネルギーリカバリーシステムだけでなく、車両そのものを開発する技術も必要となるため、現在YGKは提携先を探っているようだ。
 既に海外の複数のレーシングチーム(コンストラクター)と話し合っていると言うことだ。イアン・フォーリーのフライホイールを使ったエネルギーリカバリーシステムをウイリアムズGPが買い取って開発した様に、YGKの排気エネルギーリカバリーシステムも、意外な会社が買い取って、資金を投入して開発して、実戦に登場する可能性もあるだろう。

11月21日
●SuperGT Rd8 Motegi PhotoGallery

Photo:Sports-Car Racing

SuperGT Rd8 Motegi PhotoGallery

10月22日
●アジアへ進出するベントレーモータースポーツ コンチネンタルGT3Rロードカーも販売

Photo:BentleyMedia

 昨年登場したベントレーコンチネンタルGT3レースカーは、ベースとなったコンチネンタルクーペと比べると、1トン以上軽い車重等、到底コンチネンタルクーペをベースとしたGT3レースカーとは判断し難い内容だった。
 GT3レースカーの改造ルールは、ロードカーをベースとする概念があるだけで、明確なレギュレーションは存在しない。そのため、2年前からFIAはミシュランの助けを借りて、2月にクレルモンフェランのテストコースにおいて、その年に走るGT3レースカーを同時に走らせて、速さを特定することによって、各車に応じた、細かなレギュレーションを決定している。
 このGT3レースカー特有の条件を考慮して、ベントレーは、FIA等と話し合いを行っていた。

 当時GT3カーの最大の制約は、日本円で約4,000万円の販売価格だった。速さを求めて、大きな改造を行っても、4,000万円で売れないのであれば、レースに参加出来ない。場合によっては、メーカーは赤字覚悟でGT3カーを販売しなければならない。
 コンチネンタルGT3は、ベースとなったコンチネンタルGTでさえ3,000万円を大きく超える高価格で、1トンを超える軽量化、低い重心、大きなエンジンパワー等、4,000万円で販売するのは難しいと考えられていた。

 GT3カー最大の制約である販売価格はレギュレーションでなく、メーカー間の約束だ。FIAはブルテンで発表するだけだ。GT3に参入するメーカーが納得した後、シーズン開幕直前に発表される可能性が高い。そのため、現在2015年のGT3カーの価格は公表されていないが、ベントレーを含むいくつかのメーカーが公表した価格から判断する限り、相当な値上げが行われるようだ。ブルテンと言っても、発表前であるため、ここでコンチネンタルGT3を含む各車の販売価格は公表しないが、新価格によって、2015年からコンチネンタルGT3は、世界中のGT3レースで走ることが可能となるようだ。

 昨年からベントレーモータースポーツは、世界中でコンチネンタルGT3をサポートするサービスディヴィジョンの構築を行っていた。ヨーロッパは、コンチネンタルGTを開発したMスポーツ自身がサポートする一方、5月に北アメリカにおけるサービスディヴィジョンとしてダイソンと契約した。既にダイソンはコンチネンタルGT3を走らせている。残る地域はアジアだけだった。
 アジア地域、と言うより、世界有数のGTレースは、日本のSuperGTのGT300カテゴリーだ。たくさんの日本のレーシングチームがベントレーと話し合っていると思ったが、残念ながら、現在のところ、本格的な話し合いは行われていない。

 アジア地域において、現在飛ぶ鳥を落とす勢いのGTアジアは、元々GT3カーを中心としたレースであるため、動きが鈍い日本のレーシングチームと違って、様々な話し合いが行われていたようだ。その結果香港を含む中国におけるサービスディヴィジョンとしてアブソリュートレーシングと契約した。もちろんアブソリュートレーシングのターゲットは主にGTアジアだ。GTアジアの拠点はマレーシアのセパンだが、元々マカオGPで有名な香港スーパーカークラブを発起人としてGTアジアは誕生している。中国本土にトップレベルなレーシングチームが存在しないことを考慮すると、アブソリュートレーシングの管轄は香港やマカオのミリオネラ達だろう。マレーシアやシンガポール、そして台湾については、曖昧だが、日本は対象とはならない。

 先週上海で行われたGTアジアにおいて、早くもコンチネンタルGT3はアジアデビューを飾った。ちなみに、このレースは土曜日にサポートレースとしてAsianLMSが行われた。中国本土を拠点とするAsianLMSの悲惨な状況と、香港のミリオネラを中心として賑わいを見せるGTアジアの関係は変わらないようだ。

Photo:BentleyMedia

 また、コンチネンタルGT3は、1トンを超える軽量化等、極端な改造が行われている。そのため、到底ロードカーベースとは言い難く、1970年代のグループ5シルエットフォーミュラに匹敵すると判断されていた。この批判を避けるため、そして、少しでもGT3レースカーを商売に結びつけるため、ベントレーは、GT3レースカーをベースとしたGT3Rロードカーを販売する。と言っても、2トンを超えるヘビー級の車重はコンチネンタルGTそのものであるから、概念上のベースと言えるかもしれない。

10月21日
●2015年ELMSカレンダー

Photo:Sports-Car Racing

3月23-24日 ポールリカール公式テスト(FRA)
4月10-11日 シルバーストーン4時間(GBR)
5月16-17日 イモラ4時間(ITA)
7月11-12日 Red Bull Ring 4時間(AUT)**暫定
9月5-6日 ポールリカール4時間(FRA)
10月17-18日 エストリル4時間(PRT)

10月16日
AsianLMSタイ中止 GTアジアとの提携を目論むAsianLMS 旧正月のセパンでレース開催?


 2014年AsianLMSは悲惨な状態で行われている。LMP2クラスの2台、GTCクラスの3台、CNクラスの2台だけがレギュラーエントリーだ。GTCクラスの3台は、総てが台湾のAAIからのエントリーで、先週開催されたAsianLMS上海の際マレーシアのクリアウォーターレーシングがフェラーリ458をエントリーするまで、GTCクラスに競争は存在しなかった。CNクラスは、AsianLMSだけのマイナーカテゴリーで、ルマンではクラスは設けられていない。つまり、LMP2クラスの2台だけがレースを行っている。

 レースが、この様な悲惨な状況であるため、現在ほとんどのチームにとって、AsianLMSへ参加する理由は、翌年のルマン24時間レースの招待状を得ることだけとなっている。ところが、昨年GTEクラスでチャンピオンを獲得したタイサンへ、ACOがルマン24時間レースの招待状を送らなかった様に、ACOは、AsianLMSのほとんどのクラスに対して、チャンピオンを獲得しても、2015年のルマン24時間レースへの招待状を送らないと考えられている。

 2014年のAsianLMSのGTCクラスを支えて、3台もエントリーした台湾のAAIは、マカオGP(GTアジア)へ参加することを理由として、第4戦タイ(ブリナム)への参加を取り止めた。第3戦上海でフェラーリを走らせてAAIを破ったクリアウォーター等のGTアジア勢は、もちろんマカオGPへ参加するため、ブリナムのエントリーは僅か4台となってしまった。
 マカオGPはAsianLMSの1週間前に開催されるため、無理すれば、充分にマシンや機材をタイまで輸送することは可能だ。つまり、AAIやGTアジア勢はAsianLMSに見切りをつけたと考えるべきだろう。
 たった4台でレースを行うことは出来ないことから、月曜日マーク・トーマスは第4戦ブリナムの中止を発表した。

 この状況を見ても、現在のAsianLMSの悲惨さが判るだろう。
 やっとマーク・トーマスは危機的状況を認識した様で、同時にエントラントに対して、2015年のAsianLMSの概要と改訂版の2015年カレンダーを公表した。新しいカレンダーには、4つのレースだけが掲載された。富士を除くと発表前であるため、簡単に述べるが、4月にセパン、7月に韓国、8月に上海、9月に富士、12月に開催予定の第4戦は、場所は公表しなかった。
 4月にマレーシアのセパンでレースを行う理由は、セパンを拠点とするGTアジアの参加を見込んでいるからだ。

  昨年の好待遇を勘違いしたAsianLMSは、今年SuperGTに対して無謀な提携を求めた。ご存じの様に、当然SuperGTから拒否され、悲惨な状況に拍車をかけることとなった。ルマン後、何人かの日本人は、日本を中心として、少なくとも3レースを日本で開催するプランを提案した。しかし、状況を認識出来なかったマーク・トーマスは、その時、これらの提案を拒否した。
 日本以外のアジアで、たくさんのGTレースカーが走っているレースはGTアジアだけだ。そしてマーク・トーマスは、GTアジアとの提携を望んで、GTアジアだけでなく、GTアジアの中心的存在である香港スーパーカークラブへもコンタクトした。

 元々GTアジアは、マカオGPで有名な香港スーパーカークラブの求めによって誕生している。マカオは市街地公道レースであるから、常設サーキットを持たない。そこでマレーシアのセパンを拠点として、日本を含む東南アジア全域でのレースシリーズを実現した。元々マレーシアにはモータースポーツの文化が存在したため、現在では香港スーパーカークラブだけでなく、マレーシアやシンガポール等アジア全域のジェントルマンレーサーによって賑わっている。
 しかし、香港の人々にとって、中国は仕事の相手であるかもしれないが、わざわざレースを行いに行く場所ではない。
その結果AAIがGTアジアのマカオGPへの参加を理由として、AsianLMSブリナムへの参加と取り消す等、GTアジア側の反応は良いとは言えない。と言うより、GTアジアからAsianLMSは無視されている。

 そこでマーク・トーマスは、GTアジアのクルマがセパンに居る4月にAsianLMS開幕戦をセパンで開催する一方、1月にセパンで公式テストディを開催して、その後ウインターレースを開催するプランを提案している。既に1月に予定された公式テストディとウインターレースのカレンダーも公表したが、ちょうど中国の旧正月の時だ。中華系でないマレーシア人には関係ないかもしれないが、マレーシアにも中華系の人々はたくさん居るし、香港や台湾でも旧正月は重要な行事だ。
 これまで幾つかのプロモーターが計画した様に、ウインターレース自体は非常に興味深いプランだ。しかし、長年上海に住んでいながら、マーク・トーマスは、彼の支援者である中華系の人々にとっての旧正月の意味を理解しているとは思えない。  
10月13日
●WEC Fuji 6h PhotoGallery

Photo:Sport-Car Racing

http://www.endurance-info.com/fr/photo/6h-fuji-par-hidenori-suzuki/

10月11日
●2015年WECカレンダー

Photo:Sports-Car Racing

3月27-18日 キャステレ(ポールリカール)公式テスト(F)
4月12日 第1戦 シルバーストーン6h(UK)
5月2日  第2戦 スパ-フランコルシャン6h(B)
5月31日 ルマン公式テスト(F)
6月13-14日 第3戦ルマン24時間(F)
8月30日 第4戦ニュルブルクリンク6h(D)
9月19日 第5戦サーキット・オブ・アメリカ(“ローンスター”ルマン)6h(USA)
10月11日 第6戦富士6h(J)
11月1日 第7戦上海6h(CHI)
11月21日 第8戦バーレーン6h(BAH)

 昨日FIAは、2015年のWECの暫定カレンダーを発表した。新しいカレンダーは、ブラジルが消滅して、新たにニュルブルクリンクを加えた。このカレンダーは、FIAのワールドモータースポーツカウンシルで審議されて、正式に発表される。

10月9日
●BMWの次期GT3カーはM6クーペ

Photo:BMW AG

 3年前までBMWは、ポルシェやフェラーリと闘うGTレースでさえ、ツーリングカーレースと変わらないM3クーペを走らせていた。幅が狭く車高が高いセダンベースのクーペでも、しばしばBMWは、フェラーリやポルシェを破って優勝していた。ルマンでさえ、ポルシェやフェラーリを破って、背の高いセダンが、GTEクラスのポールポジションを獲得していた。しかし、GT3カテゴリーでは、総てがプライベートチームであることもあって、ライバル達に合わせてスポーツカーのZ3やZ4を走らせてきた。

 GTEがセダンベースのM3で、GT3がスポーツカーのZ4であった理由は、GTEクラスの中心はファクトリーチームが闘うGTE-Proクラスであるため、販促活動を目的としたためだ。開発に苦労させられても、販促が目的だったからだ。逆にGT3カテゴリーは総てがプライベートチームであるため、販促を考慮しないで、重心が低く幅が広いZ4スポーツカーをデリバリーした。
 しかし、BMWにとって重要な北アメリカにおいて、BMWのライバルはポルシェやフェラーリであったことから、2012年からBMWは、ALMS(現USCCのGTEクラスでは、フェラーリやポルシェに対抗するためZ4を走らせている。
 このような状況であったことから、BMWの次期GT3カーは、てっきり次期Z4であると考えられていた。

 ところが、昨日BMWは、Z4に代わる次期GT3カーとして、2016年にM6をデリバリーすることを発表した。

Photo:Sports-Car Racing

 4年前BMW自身はZ4 GT3をデリバリーしていた頃、アルピナが独自に開発したM6クーペをGT3で走らせていた。アルピナM6 GT3は非常に高性能で、ヨーロッパで活躍しただけでなく、3年前日本にもやって来て、アルピナが主催する富士スピードウェイのイベントで走った。間に合わせの状態で走ったが、当時のGT300と大きく変わらない速さを披露した。

 今後北アメリカのUSCCで走る次期GTEカーも発表されるだろうが、USCCでのライバルがポルシェやフェラーリだけでなく、コルベットやアストンマーティンであるため、USCCのGTEカーもM6ベースとなる可能性が高い。
 昨日BMWは、M6 GT3の簡単なスペックを公表したが、ツインターボで過給する4.4リットルV8であるようだ。

10月2日
●Zytek EngineeringLtd社名変更 新しい名前はGibson Technology Ltd


 1980年代のTWRジャガーのエンジンマネージメントシステムを手がけて、その後マネージメントシステムだけでなく、ザイテックはエンジン本体も開発するようになった。現在では電磁石を使ったパドルシフト、F1からSuperGTまで使われているKERSハイブリッドシステム、エンジンについては、黒子として開発に関わるだけでなく、ニッサンのLMP2エンジンのメンテナンスを行っている。言うなれば、ザイテックエンジニアリングはレースエンジニアリング会社の第一人者だ。

 近年ザイテックグループは、レース関係や最先端の研究開発を行うザイテックエンジニアリングと、主に自動車メーカーと共に電気自動車やハイブリッドカーの開発を行い、生産も請け負うザイテックオートモーティブの2つによって構成されていた。共に創設者であり、手堅い経営を行うビル・ギブソンの指揮によって運営されていた。

 特にザイテックオートモーティブは、近年電気自動車やハイブリッドカーを求める自動車メーカーによって、大きな需要を集めていた。特にヨーロッパの自動車メーカーにとって、ザイテックオートモーティブは使い易いエンジニアリング会社だった。
 需要に合わせて、会社のポテンシャルを高めることが求められることから、ザイテックオートモーティブは、ドイツのコンチネンタルAGの資本を受け入れた。そして、現在ザイテックオートモーティブは、コンチネンタルAGの完全な子会社となった。

 ザイテックオートモーティブがコンチネンタルAGの子会社となった後も、我々が知るザイテックエンジニアリングは従来通り活動を続けてきた。6月には1年後のシェイクダウンを目標として“屋根付き”のLMP2カーを開発していることを発表した。
 売れるか?売れないか?判らないどころか、ルール自体が流動的な状況でニューマシンの開発を決定した様に、ザイテックオートモーティブを売却したことによって、もう1つのザイテックであるザイテックエンジニアリングも裕福な様子が伺われた。
 この様な状況で、オートモーティブと類似したザイテックの名前を使い続ける理由はない。そこで10月1日から、新たにギブソンテクノロジーに社名を変更して、活動を行うこととなった。

Gibson Technology Limited
Main Street
Repton
Derbyshire
DE65 6NZ
United Kingdom

Tel +44 (0)1283 707000
Fax +44 (0)1283 707001

www.gibsontech.co.uk

10月1日
●2017年に誕生する“クラス1”

Photo:DTM/GTA

 昨日東京において、GTA(SuperGT)、ITR(DTM)、IMSAによるステアリングコミティが開催された。このステアリングコミティは、ヨーロッパ、日本、北アメリカと言う、モータースポーツが盛んな3つの地域で、統一したルールによるツーリングカーレースのトップカテゴリーを実現するため、2013年1月に発足した。7月には最初のコミティがITRの主催によってドイツで開催され、今年の2月にはIMSAの主催によってアメリカ、そして3回目のコミティが、今回GTAの主催によって日本で開催された。

 既に日本でSuperGTが、ドイツではDTMが存在するため、この2つのシリーズに参加する6つのメーカーの担当者も参加した。ご存じの様に、これらの6つのメーカー主導で話し合いは行われていると考えるべきだろう。SuperGTのGTA、DTMのITR、日本のASNのJAF、ドイツのASNのDMSB、そして現在レースシリーズが存在しないIMSAは、現在SuperGTとDTMに参加している6つのメーカーの意見を吸い上げて、公平なルールを創設することに務めている様だ。

 昨日のコミティで決定した内容は、@新しいカテゴリーの名前を“クラス1”とすること、A統一したカテゴリーを2017年に施行することの2つであるようだ。現在DTMは4リットルV8エンジンを使い、SuperGTは2リットルターボエンジンを使っているが、2016年までDTMとSuperGTは、違うエンジンを使うことが確認された。現在のところ最終決定ではないようだが、2017年には、DTMとSuperGTは、共に2リットルターボエンジンを使用する見込みであるようだ。

 ITR代表のハンス・ベルナー・アウフレヒトは、「6つのメーカーの意向が良く判るミーティングだった。各々のメーカーは、個性を堅持しようとしていることが判った」と語った。もちろん、FRだけでなくミッドシップやエネルギーリカバリーシステムを望むメーカーの存在を示しているが、2017年の統一ルールが、ミッドシップやハイブリッドを含む内容であるとは語らなかった。

 現在SuperGTには4つのタイヤメーカーが参入しているのに対して、DTMはハンコックのワンメイクタイヤだ。タイヤのルールの統一については、昨日のコミティで話し合いは平行線のままだった様だ。
  現在DTMとSuperGTは、基本的に同じモノコックを採用している。ご存じのように、当初SuperGT側は、DTMが作ったモノコックを輸入してSuperGTでの使用を計画した。しかし、その段階から、日本国内のサプライヤーから反発を受けた。その後、ホンダのミッドシップカーには対応し難いとこが判明して、SuperGTで使うモノコックは、DTMと同じカタチながら、日本で構造を変更して作られている。DTM側から、この点について、相当反発が示されたようだ。そこで、2017年に統一したルールを作る際、日本側とドイツ側で、それぞれモノコックを提案して、2つのモノコックによってコンペを行うことが決まった様だ。

 昨日のコミテイの決定を受けて、テクニカルワーキンググループを開催して、レギュレーションは作られる。
 掲載した写真は、コミティの際に撮影されたもので、記者会見に参加しなかったホンダの担当者も写ってる。

9月27日
●WEC富士へ27台がエントリー TAISANはエントリー取り止め 日本チームはLMP1Hのトヨタのみ

Photo:Sports-Car Racing

 昨日WECは、2週間後に富士スピードウェイで行われるWEC富士6時間の27台のエントリーを発表した。LMP1Hクラスにトヨタ、ポルシェ、アウディのファクトリーチームが名を連ね、LMPLクラスにはレベリオン-ローラと共にロータスが参加する。GTE-Proクラスもマンタイ-ポルシェ、AFコルセ-フェラーリ、アストンマーティンの3つのワークス、あるいはワークスチームに匹敵する強力なチームが参加する。残念ながら、LMP2クラスは5台だけに減ってしまった。GTE-Amクラスには、日本からTAISANがエントリーしていたが、数日前エントリーを取り止めたため、こちらも7台のみとなってしまった。

 今年ルマンへも参加したTAISANは、2015年以降もルマン参戦を継続させるため、様々な可能性を探っていた。もちろん、昨年同様TAISANは、最初AsianLMSへの参加を検討した。しかし、AsianLMSの状況は、あまりにも悪く、エントリーは、ほんの数台のみで、昨年のTAISANがそうだった様に、全戦参加して、チャンピオンを獲得しても、ACOはルマンの出場権を与えないと判断した。その結果TAISANは、最初予定になかったWEC富士への参加を決定した。

 この時点で、既に8月を迎えようとしていた。直ぐにTAISANはWECへエントリー申請を行った。その頃ルマンで走らせたフェラーリ458GTEは、ミケロットでオーバーホールを受けていた。充分でなくても、マシンの準備は間に合いそうだった。
 TAISANは、日本でのレースであることから、付き合いの長いヨコハマタイヤをWEC富士で使用する計画だった。ヨコハマもタイヤの供給を承諾した。何とか準備が整うものと思われた。ところが、現在のWECは、登録されたタイヤしか使用することが許されない。特にLMP2とGTEは、2月末までに、そのシーズンで使用するタイヤをWECに登録することが規定されている。

Photo:Sports-Car Racing

 残念ながら、ヨコハマはWECの登録タイヤではなかった。シーズン中であっても、他のサプライヤーが同意すれば、タイヤを登録することは可能だ。しかし、煩雑な手続きと、ある程度の登録費用が必要であるため、WEC富士だけに参加するTAISANは、ヨコハマタヤの使用を諦めた。この段階で、既に9月を迎えようとしていた。2014年のGTEクラスのタイヤは事実上ミシュランのワンメイクとなっていたため、TAISANはミシュランへタイヤの供給を求めた。
 ところが、WEC富士の前にアメリカのCOTAでWECが行われるため、TAISANがミシュランへコンタクトした際、既にミシュランは輸送の準備を終了していた。ミシュランは、TAISANに対して、輸送代金の負担を条件としてタイヤの供給を承諾した。

 現在のWECは、LMP2とGTEのタイヤ代金は均一(5セットまで、それ以上は追加料金)である代わり、WECが供給する燃料の使用が義務付けられ、事前に決して安くないデポジットを支払わなければならない。使用しなかった燃料の分の費用は返還されるが、安い燃料代金ではない。また、ヨーロッパ外のサーキットで行われるレースの場合、地元のチームであっても、ピット裏にトレーラーを置いたり、独自にテントを設営することは厳禁で、ヨーロッパからやって来るチームと同等の扱いを受ける。

 日本で行われるレースであるため、TAISANは垣根の低いレースと思ったかもしれないが、現在のWECは、マシンの輸送代金を除くと、例え地元のレーシングチームであっても、ヨーロッパのレーシングチームと同等の負担が求められるレースだ。
 その結果TAISANは、先週WEC富士6時間への参加を取り止めた。

9月2日
●SuperGT Rd6 Suzuka 1000km PhotoGallery

http://www.endurance-info.com/fr/photo/les-1000-km-suzuka-par-hidenori/

9月1日
●TAISANがWEC富士へエントリー

Photo:Sports-Car Racing

 今年ルマンへ挑戦したタイサンが、WEC富士へのエントリーを決定した。
 昨年ルマンへの復帰を宣言したタイサンは、昨年スタートしたAsianLMS全戦に2台をエントリーした。そしてGTEクラスのチャンピオンを獲得した。元々AsianLMSがスタートした際、AsianLMSのオーガナイザーであるマーク・トーマスは、LMP2、GTE、GTCの3つのクラスのチャンピオンは、翌年のルマンへの参加資格が与えられることを公表していた。しかし、参加台数が少ないとして、GTEのチャンピオンを獲得したタイサンは、2014年のルマンへの参加資格を与えられなかった。
 AsianLMSの不可解な対応に驚いたタイサンは、独自にルマンへエントリー申請を行ったが、最初エントリーを受け付けられず、リザーブリストへ入れられてしまった。しかし、その後ウクライナ危機が勃発したことによって、ヨーロッパ圏内からのエントリー辞退チームが続出したため、4月に入ってタイサンのエントリーは受け付けられた。

 この経緯があることから、2015年に向けてタイサンは、慎重にAsianLMSやACOと話し合いを行っていた。昨年の失態にも関わらず、何一つ有効な対応を行わなかったAsianLMSは、東南アジアと日本の両方のレーシングチームから無視される状態だった。クラスどころか、レースが成立することも怪しい状況だった。昨年がそうだった様に、ルマンの参戦権を得られるとは考え難かった。そこでタイサンは、AsianLMSへの参加を取り止め、2015年のルマンへの参加を目標として、話し合いを進めた。
 その結果、10月に富士スピードウェイで行われるWEC富士への参戦を決定した。

 マシンはフェラーリ458GTE、もちろんGTE-Amクラスだ。タイヤはミシュラン、ドライバーは、ルマンでも活躍した中野信治、ベテランの飯田章、そして、今年F3のNクラスで好調な成績を上げている小泉洋史の3人と契約した。
 ルマンの後、タイサンのフェラーリ458は、イタリアのミケロットで点検を受けており、9月半ばに日本へ戻ってくる。小泉洋史が、458GTEを未経験であることもあって、何らかのカタチで、事前にテスト走行を行うこととなるだろう。

8月29日
●911DAYS「ポルシェ・ルマンの栄光」特集号発行


 まだSports-Car Racing Vol.21の発行に辿り着いていませんが、16年ぶりにポルシェがルマンのトップカテゴリーに復活したことを記念して、911DAYS誌において、25ページにわたる「ポルシェ・ルマンの栄光」と題する特集記事を掲載いたします。

 ポルシェの歴史は、第一次世界大戦前に始まりました。第一次世界大戦後レースでの活躍が始まりました。しかし、その時代ポルシェが作ったレースカーは、ポルシェの名前を持たず、ダイムラーやアウトウニオンのため、ポルシェが開発したクルマでした。第二次世界大戦後、自動車会社としてポルシェを設立すると、早速プライベートチームの走らせるポルシェレースカーが、あちこちのレースで活躍を開始しました。1951年になると、ポルシェ自身が、ちっぽけな356SLによって、ルマンに挑戦を開始しました。1951年の参戦は、戦後ドイツメーカーとして、最初のルマン参戦でした。


 その頃のポルシェは、非常に小規模な会社であったため、レースへ参加するプライベートチームをサポートするだけでした。F1エンジンがF2レベルまでスケールダウンされ、ポルシェの手持ちのエンジンでも参加可能となると、ポルシェはF1へファクトリーチームを送り込みました。しかし、ポルシェのF1挑戦は、ポルシェファンが望むものではなく、スポーツカーレースへ参加するプライベートチームのポルシェが負けるようになると、ポルシェが直ぐにF1を止めてスポーツカーレースに戻りました。
 スポーツカーレースに戻ったポルシェは、F1時代に開発したエンジンを2.2リットルまでスケールアップして、ファクトリーチームが使いました。もちろん、7リットルのフォードや4.4リットルのフェラーリと比べれば、はるかに小さなエンジンでしたが、たった2.2リットルのフラット8を搭載するポルシェスポーツカーは、しばしば成功するようになりました。
 1968年と1969年スポーツカーレースのルールが大きく変更されると、ポルシェは3リットルの908、4.9リットルの917を開発しました。そして1970年ポルシェは、20年目の挑戦によって、ルマン優勝を達成しました。


 その後ポルシェは、何時の時代であっても、ルマンとスポーツカーレースの中心で居続けました。ポルシェは、1970年の初優勝から16回もルマンで優勝を達成しました。現在でも、ルマン16勝は、最多優勝記録です。
 そのポルシェが、2014年16年ぶりにルマンのトップカテゴリーに帰ってきました。
 今回ポルシェとルマンの関わりを中心として、9つのパートに分けたストーリーを作成しました。計25ページの大特集ですが、あまりにもたくさんのエピソードが見出されたたため、ページが足りない!と言う、一大事に、何度も直面しました。興味深いエピソードを中心としてストーリーを作成いたしました。読み応え充分な大特集です。

雑誌名:『911DAYS』(ムービー・スター2014年10月号増刊)Vol.57
発売日:9月5日
発売:全国主要書店およびアマゾン、『911DAYS』通販
本体価格:1,457円 定価:1,574円
総ページ数:140ページ
雑誌コード:08532-10
問い合わせ・購入先:『911DAYS Web Site』http://www.911days.com/


【Vol.57の主な内容】
巻頭特集は、ポルシェ911の現行型、タイプ991にスポットを大々的にスポットを当てたもの。タイプ991が、かつての空冷911のようなレジェンドになれるのかを、インプレッションやテスト、座談会、ポルシェジャパン社長へのインタビューなどを通してひとつひとつ検証していきます。題して「991は伝説になれるか」。中特集は、ポルシェが16年ぶりにル・マン24時間のトップカテゴリーに復帰したことを祝し、「ポルシェ、ル・マン24時間の栄光」を25ページに渡ってお贈りします。356SL〜919ハイブリッドまでのレーシングポルシェの歴史的な流れと活躍、栄光を、分かりやすく解説した完全保存版です。詳しくは、https://www.911days.com/books/911days/vol57/

8月10日
●SuperGT Rd5 Fuji PhotoGallery

http://www.endurance-info.com/fr/photo/fuji-by-hidenori-2/


7月21日
●SuperGT Rd4 SUGO PhotoGallery

http://www.endurance-info.com/fr/photo/sugo-by-hidenori/

7月14日
●GT Asia Rd5/6 Fuji PhotoGallery


http://www.endurance-info.com/fr/photo/gt-asia-fuji-by-hidenori/

6月16日
●ルマン24時間決勝レース アウディ1-2  トヨタはトップからリタイヤ LMP2はJOTAザイテック GTEはフェラーリ 

Photo:Sports-Car Racing


 午後3時第82回ルマン24時間レースのスタートが切られた。ポールポジションのNo.7トヨタがトップのまま1コーナーへ飛び込んできた。2台のポルシェとNo.8トヨタが2番手争いを繰り広げるが、かろうじてNo.14ポルシェがトップで1コーナーへ進入した。2周目に入るとNo.8トヨタが2番手に上がるが、トップのNo.7トヨタは、次第に独走体制を築き上げた。しかし、その後方ではNo.8トヨタ、2台のポルシェ、3台のアウディが熾烈な2位争いを繰り広げている。

Photo:Sports-Car Racing

 スタートから1時間を過ぎた頃、突然大粒の雨が降り始めた。直ぐにセイフティカーが導入され、50分間セイフティカーランが行われた。セイフティカーランが終了してレースが再開された15分後再び大粒の雨が降り始めた。運良くNo.7トヨタはピットに入ったところだった。そのため、No.20ポルシェがレースリーダーなった。彼らは幸運だったかもしれない。
 2度目の雨が降った時、ちょうどユノディエールではマルコ・ボナノミのNo.3アウディとニコラス・ラピエールのNo.8トヨタが、中野信治のNo.70フェラーリを抜いた。彼らは突然の雨でも無事走行を続けた。ところが、No.70フェラーリの後方を走っていたNo.81フェラーリは、突然の雨によってコントロールを失ってNo.3アウディとNo.8トヨタへ激突した。No.3アウディはリタイヤして、No.8トヨタは左フロントサスペンションを交換するため、50分間ピットで修理を強いられることとなった。

Photo:Sports-Car Racing

 強い風が吹いているため、雨が止んだ後再び強い日差しがルマンでは降り注いだ。ピットインによって首位の座をNo.20ポルシェに明け渡したNo.7トヨタは、No.20ポルシェがピットに入ると、あっさりとトップに返り咲いた。ピットインのタイミングによって日没までNo.7トヨタとNo.20ポルシェが順位を入れ替えたが、次第にNo.7トヨタがリードを広げた。
 トップはNo.7トヨタだが、1分前後後方にはNo.20ポルシェ、No.2アウディ、No.1アウディの3台が同一ラップで走っており、再び雨が降る様であれば、容易にトップが変わる状況だった。
 LMP2は、速さを見せつけた2台のリジエとNo.36アルピーヌがトップ争いを繰り広げている。
 激戦のGTEは、ワークスコルベット、AFコルセのフェラーリ、アストンマーティンが同一ラップで争っている。
 そのまま夜明けを迎えると思われた。

Photo:Sports-Car Racing

 明け方トップはNo.7トヨタ、2位に同一ラップでNo.2アウディ、3位以下はピットインのタイミングによって2周遅れとなった。
 午前5時頃、中嶋一貴がドライブするNo.7トヨタは、アルナージュから加速する際、突然電気系トラブルによってストップした。ストップした後火災が発生した。中嶋一貴によると、電気系がシャットダウンしたため無線も使えない状況だったと言う。もちろん、そのままNo.7トヨタはリタイヤすることとなった。トップの座はNo.2アウディが引き継いだ。

Photo:Sports-Car Racing

 ところが、トップに立ったNo.2アウディは、エンジントラブルによってピットに張り付くこととなった。トラブルはエンジン本体でなくターボチャージャーか排気熱センターであるらしいが、システムを交換するため3周を失った。
 その結果予選の大クラッシュから復活したNo.1アウディがトップに躍り出た。2位のNo.20ポルシェが1分差の同一ラップで追い上げているため、些細なトラブルによって、容易にトップの座が変わる状況だった。

Photo:Sports-Car Racing

 予想は的中した。午前10時40分頃トム・クリステンセンのトライブするNo.1アウディは、突然ミュルサンヌでストップしてしまった。スロー走行でピットまで辿り着くが、アウディのエンジニアは、そのままピットアウトを指示した。もちろん、コースで出たNo.1アウディはフルパワーを発揮出来ない。スロー走行で1周走ったNo.1アウディは、ピットに入ってくると、直ぐにガレージに入れられた。No.2アウディと同じトラブルであるらしく、ターボチャージャーの交換作業に取りかかった。その頃2位のNo.20ポルシェは駆動系のトラブルによって2周遅れとなっていたが、あっさりとトップの座に浮上した。
 No.20ポルシェがトップに立った後、同一ラップで走っていたNo.2アウディは、アンドレ・ロッテラーによって予選タイムに匹敵する3分22秒台567のファステストラップを記録しながら追い上げを開始した。

Photo:Sports-Car Racing

 ティモ・ベルンハルトがドライブするNo.20ポルシェも3分24秒台までペースアップするが、1分30秒以上の差は、7周後ピットインする頃はリードは30秒となっていた。ティモ・ベルンハルトと交代したマーク・ウェッバーがトップの座を守ろうとしたが、12時50分過ぎNo.20は駆動を失ってしまった。マーク・ウェッバーは電気モーターの力でピットまで戻った。直ぐにガレージに入れられ、メカニック達が修復に取り組んだ。午後1時20分にはNo.14ポルシェも駆動系のトラブルによってピットに入ってきて、2台並んで修復作業が行われた。何とかNo.14ポルシェだけは、コースに復帰することに成功した。

Photo:Sports-Car Racing

 ポルシェが脱落したことによって、No.2アウディがトップ、2位にNo.1アウディ、3位に序盤のアクシデントで遅れたNo.8トヨタが走る。午後3時1分59秒2台のアウディを先頭にチェッカードフラッグを受けた。
 終始5台がトップ争いを繰り広げたLMP2は、レース終盤No.33OAKとNo.46TDSのリジエとNo.36シグナテックのアルピーヌ、No.38JOTAのザイテックが争い、No.38JOTAザイテックが優勝した。
 GTEはAFコルセ、アストンマーティン、ワークスポルシェ、ワークスコルベットが同一ラップの争いを繰り広げた。今年のGTEは、有能なジェントルマンドライバーの勧誘に成功したAFコルセとアストンマーティンのAmクラスクラスのマシンが、しばしば上位を走ったことだった。最終的にNo.51フェラーリがGTEの優勝を飾った。

LMP1
1:No.2 Audi Sport Team Joest Audi R18 e-tron quqttro 379laps
2:No.1 Audi Sport Team Joest Audi R18 e-tron quqttro 376laps
3:No.8 Toyota Racing Toyota TS040-Hybrid 374laps

LMP2
1:No.38 JOTA Sport Zytek Z11SN-Nissan  356laps
2:No.46 Thinet By TDS Racing LigierJS-Nissan  355laps
3:No.36 Signatecch Alpine-Nissan  355laps

GTE-Pro
1:No.51 AF Corse Ferrari 458 Italia  339laps
2:No.73 Corvette Racing Chevrolet Corvette C7  338laps
3:No.92 Porsche Team Manthey  Porsche911RSR 337laps

GTE-Am
1:No.95 AstonMartin Racing AstonMartin Vantage V8  334laps
2:No.88 Prton Competition Porsche 911RSR  332laps
3:No.61 AF Corse Ferrari 458 Italia  331laps
*8:TAISAN Ferrari 458 Italia  327laps


6月14日
●ザイテックも2016年にLMP2クーペをデリバリー

Photo:Zytek Engineering


 現在LMP2カーのマーケットは、ORECA、OAK、HPD、そしてザイテックによって競われている。今年OAKはリジエブランドによる新しいLMP2クーペを販売し、HPDもLMP2クーペの計画を公表した。ORECAは今年レベリオンのLMP1クーペを開発したため、今後レベリオンLMP1クーペをベースとしたLMP2クーペが登場すると考えられている。残るザイテックの動向が注目されていたが、水曜日ザイテックも新しいLMP2クーペを開発していることを公表した。

 現在のところ基本デザインが完成した状態で、これから本格的な開発を行うため、クルマ本体については、今後の開発を見守るべきだろう。従来のザイテックLMPカーは、ザイテックエンジン、そしてザイテックの電磁石を使うパドルシフトと組み合わせることを前提として開発されている。つまり、シャシー単体でなく、1台のクルマとして完成された状態で開発されていた。そのことが、確実に動くザイテックとして、大きな信頼となっている。しかし、新しいLMP2クーペは、違うエンジンやLMP1バージョンまで、顧客の希望に応じた内容についても視野に入れた開発が行われている。
 ザイテックのLMP2クーペは、2015年後半にテストを開始して、2016年にデビューする計画だ。

6月13日
●2014年ルマン24時間レース2日目 PPはトヨタ 中嶋一貴が日本人初PP

Photo:Sports-Car Racing


○予選2回目:トヨタトップへ 再びNo.1アウディクラッシュ
 ルマンは昨日に増して強い日差しに満ちている。午後4時から、人気のグループCレースの予選が行われることもあって、早い時間から、たくさんの観客がサーキット周辺に詰めかけた。今年のグループCレースの目玉はメルセデスC11だ。ニッサンR90CKやポルシェ956、962GTP、962C、TWRジャガーXJR12、XJR16等と華やかなシーンを提供した。

 間にポルシェカレラカップを挟んで、午後7時から2回目の予選が開始された。昨夜行われた1回目の予選が、アクシデントによって、半分の1時間で終了されたことから、多くのクルマが満足にタイムアタックを行うことが出来なかった。そのため、セッションが開始されると、一斉にタイムアタックを開始した。特に昨夜充分にタイムアタックを行えなかったトヨタとアウディは、積極的にタイムアタックを行った。2014年のLMP1は、燃料流量(燃費)が制限されている。そのカウント方法は、3周ごとの平均の燃料流量であるため、1周のタイムアタックと2周のセーブランを組み合わせて、タイムアタックを行わなければならない。
 どんどんアウディとトヨタがタイムアップして、セッション後半になると、昨夜1-2を記録したポルシェと共に6台がトップ争いを繰り広げた。セッション終盤No.7トヨタがトップタイムを叩き出した。

 昨日の夕方に行われたフリープラクティスでクラッシュしたNo.1アウディは、マシンを新調して登場したが、充分にセッティングをまとめることが難しいようだ。残り30分の時点で、No.1アウディはインディアナポリスの立ち上がりでクラッシュした。幸い、走り出すことが可能だったが、コース上に異物がまき散らされたことから、予選は中断され、コースをデッキぶらしで清掃して、残り15分の時点で、予選は再開された。ヨーロッパのレースでは、アクシデントの後コース清掃が行われることは珍しい。まして、オイルが漏れ出た訳でも無いのに、デッキぶらしでコースを清掃するのは珍しい。今年のルマンは非常に慎重だ。

Photo:Sports-Car Racing

LMP1-H
1:No.7 Toyota Racing Toyota TS040-Hybrid 3分22秒589
2:No.14 Porsche Team Porsche 919 Hybrid 3分22秒708
3:No.20 Porsche Team Porsche 919 Hybrid 3分22秒908
4:No.3 Audi Sport Team Joest Audi R18 e-tron quqttro 3分23秒271
5:No.8 Toyota Racing Toyota TS040-Hybrid 3分23秒661
6:No.2 Audi Sport Team Joest Audi R18 e-tron quqttro 3分24秒276
7:No.1 Audi Sport Team Joest Audi R18 e-tron quqttro 3分26秒490

LMP2
1:No.46 Thinet By TDS Racing LigierJS-Nissan  3分38秒094
2:No.48 Murphy Prototype Oreca03R-Nissan  3分38秒207
3:No.36 Signatecch Alpine Morgan-Nissan  3分38秒769

GTE
1:No.73 Corvette Racing Chevrolet Corvette C7  3分55秒038
2:No.51 AF Corse Ferrari 458 Italia  3分55秒522
3:No.97 AstonMartin Racing AstonMartin Vantage V8  3分56秒516

Photo:Sports-Car Racing

○予選3回目 トヨタPP LMP2はリジエ GTEはフェラーリ
 昨夜行われた1回目の予選が、たった1時間で終了したため、3回目の予選は30分早い9時30分から開始された。9時30分であれば充分に明るいことから、セッション開始早々、激しいタイムアタックが繰り広げられた。中嶋一貴が乗り組んだNo.7トヨタは、4周目3分21秒789を叩き出した。No.14ポルシェが追うが、僅かに及ばない。
 例年の場合、暗くなって気温が下がった方がタイムが出やすいことから、各車タイムアタックを続けた。しかし、誰もNo.7トヨタのタイムを上回ることは出来ず、午後12時No.7トヨタのポールポジションが決定した。中嶋一貴は、日本人として史上初めてルマンでポールポジションを獲得したドライバーとなった。

総合順位
LMP1-H
1:No.7 Toyota Racing Toyota TS040-Hybrid 3分21秒789
2:No.14 Porsche Team Porsche 919 Hybrid 3分22秒146
3:No.8 Toyota Racing Toyota TS040-Hybrid 3分22秒523
4:No.20 Porsche Team Porsche 919 Hybrid 3分22秒908
5:No.3 Audi Sport Team Joest Audi R18 e-tron quqttro 3分23秒271
6:No.2 Audi Sport Team Joest Audi R18 e-tron quqttro 3分24秒276
7:No.1 Audi Sport Team Joest Audi R18 e-tron quqttro 3分25秒814

LMP2
1:No.46 Thinet By TDS Racing LigierJS-Nissan  3分37秒609
2:No.38 JOTA Zytek Z11SN-Nissan  3分37秒674
3:No.35 OAK Racing Ligier-Nissan  3分37秒892

GTE
1:No.51 AF Corse Ferrari 458 Italia  3分53秒700  *GTE-Pro
2:No.81 AF Corse Ferrari 458 Italia  3分54秒665 *GTE-Am
3:No.73 Corvette Racing Chevrolet Corvette C7  3分54秒777 *GTE-Pro

Photo:Sports-Car Racing

6月12日
●2014年ルマン24時間レース1日目

Photo:Sports-Car Racing


○フリープラクティス:トヨタトップ No.1アウディクラッシュ、ニューカーを準備
 非常に強い日差しの中、午後4時2014年ルマン24時間レースの最初の走行が開始された。2009年以降スケジュールが見直され、走行時間の不足を補うため、水曜日に行われる最初のフリープラクティスは連続4時間も時間が割かれている。
 真っ先にコースに飛び出したのは2台のトヨタだった。続いてアウディとポルシェがコースインした。トヨタの2台とNo.1とNo.2のアウディがタイムを競い合うが、15周目にNo.8トヨタが3分23秒台のトップタイムを叩き出した。ところが、セッション開始1時間過ぎ、ロイック・デュバルが操るNo.1アウディがフォードシケイン入り口(アウディの発表ではポルシェカーブ)でクラッシュしてしまった。モノコックが破壊されるほどの大クラッシュであったが、デュバルが打撲だけで、念のため1晩病院で容子をみることとなった。問題は予選の前にモノコックが破壊されたNo.1アウディR18だ。アウディは直ぐにニューカーの準備を始めたことを公表した。約1時間中断された後、再開されたセッションでNo.8トヨタは、さらにタイムを縮めた。

LMP1-H
1:No.8 Toyota Racing Toyota TS040-Hybrid 3分23秒652
2:No.2 Audi Sport Team Joest Audi R18 e-tron quqttro 3分23秒976
3:No.7 Toyota Racing Toyota TS040-Hybrid 3分24秒291
4:No.1 Audi Sport Team Joest Audi R18 e-tron quqttro 3分24秒729
5:No.3 Audi Sport Team Joest Audi R18 e-tron quqttro 3分24秒829
6:No.20 Porsche Team Porsche 919 Hybrid 3分26秒602
7:No.14 Porsche Team Porsche 919 Hybrid 3分27秒374

LMP2
1:No.35 OAK Racing Ligier-Nissan  3分40秒611
2:No.48 Murphy Prototype Oreca03R-Nissan  3分40秒737
3:No.37 SMP Racing Oreca03R-Nissan  3分41秒073

GTE
1:No.95 AstonMartin Racing AstonMartin Vantage V8  3分57秒015 *GTE-Am
2:No.51 AF Corse Ferrari 458 Italia  3分57秒028
3:No.97 AstonMartin Racing AstonMartin Vantage V8  3分57秒086

Photo:Sports-Car Racing

○予選1回目 ポルシェ1-2 1時間で打ち切り トヨタNo.7は油圧トラブルでストップ
 ポルシェカレラカップの予選を挟んで、いよいよ1回目の予選が開始された。フリープラクティスで破壊されたNo.1アウディは、正式に明日までにニューカーを準備することを発表した。再びトヨタの2台が真っ先にコースへ飛び出したが、コース上は非常に混雑しており、たった20分間でIMSAチームのポルシェがクラッシュして、赤旗が提示されて走行が中断された。10分後セッションは再開されたが、20分後アストンマーティンがクラッシュしたため、再びセッションは中断された。
 慌ただしい中、ポルシェが巧妙にタイムアタックを成功させて3分23秒台で1-2を独占した。トヨタとアウディは、充分にタイムアタックが出来ない状況の様で、3分25秒台のトヨタが3-4位、3分26秒台のアウディが5-6位となった。
 わずか1時間しかタイムアタックは行われてないため、セッションが再開されれば、激しいタイム争いが行われると思われた。しかし、ガードレールの破損を直ぐに修復出来ないことから、1回目の予選は約50分残してキャンセルされた。

Photo:Sports-Car Racing

LMP1-H
1:No.20 Porsche Team Porsche 919 Hybrid 3分23秒157
2:No.14 Porsche Team Porsche 919 Hybrid 3分23秒928
3:No.7 Toyota Racing Toyota TS040-Hybrid 3分25秒313
4:No.8 Toyota Racing Toyota TS040-Hybrid 3分25秒410
5:No.2 Audi Sport Team Joest Audi R18 e-tron quqttro 3分26秒388
6:No.3 Audi Sport Team Joest Audi R18 e-tron quqttro 3分26秒445

LMP2
1:No.26 G-Drive Racing Oreca03R-Nissan  3分38秒843
2:No.36 Signatecch Alpine Morgan-Nissan  3分39秒490
3:No.47 KCMG Oreca03R-Nissan  3分39秒586

GTE-Pro
1:No.51 AF Corse Ferrari 458 Italia  3分54秒758
2:No.97 AstonMartin Racing AstonMartin Vantage V8  3分55秒067
3:No.92 Porsche Team Manthey  3分55秒516

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6月8日
●2014年ルマン24時間レース車検スタート

Photo:Sports-Car Racing


 ルマンの車検と言うと、ジャコバン広場のイメージがあるかもしれないが、ジャコバン広場の駐車場に劇場を中心とした複合施設が建設されたため、2012年以降ルマンの車検はリパブリック広場で行われている。1週間前のテストディの際既に車検が行われているため、2012年リパブリック広場に移動した後も、現在のルマンの車検は、どちらかと言うと事前告知が大きな目的となっている。日曜日と言うこともあって、たくさんの観客が詰めかけた。

Photo:Sports-Car Racing

 午後2時30分から、OAKレーシングの3台を先頭に車検が開始された。2番目に登場したのが、16年ぶりにルマンのトップカテゴリーに帰ってきたポルシェだ。午後5時40分過ぎ、優勝候補最右翼のトヨタが登場すると、観客の興奮もピークに達した。
ポルシェ、トヨタ、そして明日登場するアウディの中から、今年の優勝チームが現れると考えられている。

5月31日
●タイサンをエンデュランスインフォがサポート

 水曜日、代官山で壮行会を行った後、千葉泰常をはじめとするタイサンのルマンチームは日本を後にした。今年のタイサンのルマンチームは、たった2ヶ月前に参加が認められたことから、大急ぎでチーム体制を確定するため、世界中の多くのスポーツカーレース関係者が協力している。ACOと非常に近い関係にあるエンデュランスインフォも、タイサンに様々な協力を行っている。ルマンに到着したタイサンを訪問したエンデュランスインフォの面々に対して、千葉泰常は感謝の意を表して、取りあえず、タイサンフェラーリにエンデュランスインフォのステッカーを貼ることとなった。千葉泰常と共に写真に収まるのは、エンデュランスインフォで編集長を務めるローレン・メルヒャー、通称ロロさん。撮影したのは、クレジットで判る様に、Sports-Car Racingでもお馴染みのクロード・フーボルトだ。テストディはSuperGTオートポリストカレンダーがクラッシュしているため、テストディの際タイサンフェラーリは、主に中野信治が乗り組んでセッティングを追求することになるだろう。

5月24日
●ニッサンはGTRでルマンへ再挑戦




Photo:WEC


  昨日東京でトヨタがLMP1の技術セミナーを行った数時間後、ロンドンでニッサンは、2015年からルマンへ参加することを発表した。1995年ニッサンは、ルマンへ再挑戦する際、最初予算を捻出し易い様、スカイランGTRロードカーをベースとしたGT1カーを作ってルマンで走った。ニッサンがルマンを認知した後ニッサンは、TWRに委託してXJRシリーズをベースとしたR390を作って、それにグループC時代の3.5リットルV8ターボエンジンを組み合わせて参加した。その後ニッサンは、Gフォース製のLMP875カーに5リットルV8を組み合わせたR391を開発したが、21世紀を迎える前に活動を取り止めた。
 2度目のルマンへの再挑戦のため、ニッサンはGTR LMニスモと名付けたLMP1カーを開発している。1995年の再挑戦の時と同様、再びGTRが持ち出されたが、1995年と違って、名前だけがGTRであって、完全なLMP1カーであるようだ。

 2014年からLMP1のルールが変更され、ファクトリーチームは、エネルギーリカバリーシステムの採用を義務つけられるLMP1Hクラスでなければ参加出来ない。今年ルマンに登場するアウディ、トヨタ、ポルシェの3つのメーカーのLMP1カーは、それぞれ違ったエネルギーリカバリーシステムを持っている。現在連勝中のトヨタは、3.7リットルのNAガソリンエンジンを使い、前後の車軸に電気モーターを備えて、ブレーキング時にエネルギーを回生して、キャパシタにエネルギーを貯めている。ポルシェは、2リットルのターボガソリンエンジンを使い、前軸に電気モーターを備えて、ブレーキング時にエネルギーを回生すると共に、ターボチャージャーに電気モーターを取り付けて、タービンを回転させる際、同時に電気モーターによって発電して、リチウムイオン電池にエネルギーを貯めている。アウディはディーゼルターボエンジンを使うが、前軸に電気モーターを備えてブレーキング時の回生によって発電するだけで、エネルギーをフライホイールに貯めている。偶然3つのメーカーは、違う形式のエンジンと違うエネルギーリカバリーシステム、そして違うエネルギー貯蔵システムを採用している。

 2014年のLMP1Hのルールは、最大2つのエネルギーリカバリーシステムの使用を許している。最初アウディは、ポルシェ同様、ターボチャージャーに電気モーターを組み合わせた排気熱リカバリーシステムを開発したが、充分な成果を得ることが出来なかった様で、その後前軸にだけ電気モーターを備える、1年前と似たエネルギーリカバリーシステムに変更されている。
 ニッサンは、「アウディ、トヨタ、ポルシェとは違うシステムを採用する」と述べているが、現在のところ、既存の3つのメーカーのシステムの組み合わせを変更する以外、選択肢はないだろう。最も有力と考えられるシステムは、今年GT500に登場した直列4気筒ターボエンジンを核としたシステムだ。前軸に電気モーターを設置するのは間違いないだろう。もう1つのエネルギーリカバリーシステムは、ポルシェ同様ターボチャージャーに電気モーターを設置するか? トヨタの様に後軸に電気モーターを備えるか? どちらかだろう。エネルギーを貯蔵する方法は、トヨタ独自のキャパシタは考え難い。ウイリアムズGPが開発するフライホイールが使われるとの噂が流れているが、高速コーナーでの安全性を考慮すると、ポルシェの様なリチウムイオン電池に部がある。第一元々フライホイールを使っていたポルシェが、リチウムイオン電池に変更しているのだ。

 ニッサンが、どのようなシステムを採用するか?判らないが、今年ポルシェが復帰する際、ポルシェは2年前からFIAとACOの会議に顔を出して、慎重にレギュレーションについて話し合っている。アドバイザーとして、ACOはノルベルト・ジンガーを迎え入れた程だ。そして、昨年のルマンの決勝レースの1週間前には、最初のテストカーを走らせている。
 マシン本体の開発は、既存のコンストラクターに委託(共同開発?)するらしいが、充分な開発期間、そして慎重にレギュレーションについて話し合うことが必要だ。ルマンは、順番に勝ったり負けたりする、性能調整のレースではなく、しかも、既に3つのメーカーが参加している。自分達の都合だけを主張しても相手にはされない。充分な準備を行うことが求められる。

5月22日
●姿を現した"GT PLUS"構想

Photo:Sport-Car Racing

 2009年FIAは、新たなGT1カテゴリーが誕生した。しかし、2009年のFIAのGT1は、一部のメーカーとコンストラクターが望んだだけで、それ以外のメーカーにとっては、非常に不可解極まる存在だった。そのため、一度参加を拒否したハズの2008年までのGT1カーの出走を許して、何とか台数を揃えた。それでも、たった3年間行われただけで、2012年FIAは、GT3カーによって行われる不可解なGT1選手権を実施することとなった。大きな回り道だった。

 この3年の間、GTレースに関心を持つメーカー達は、以前FIAがGT2と呼んだGTレースカーによるレースに熱中した。このカテゴリーは、ルマンを頂点とするため、ACOが名付けたGTEと呼ばれた。GTEにはシボレー、BMW、アストンマーティン、ポルシェ、フェラーリが、ワークスチームか、限りなくワークスチームに近いレーシングチームを送り込んだ。閑散としたFIA GT1選手権と違って、ACOとIMSAによるGTEレースは非常に華やかで、常に熾烈な闘いが繰り広げられた。
 GTEは、ホモロゲイションを取得することによって、自由にエンジンやサスペンション、そして空力の開発が可能だった。そのため、ショールームに飾られているロードカーと同じカタチでも、中身は完全なレーシングカーだ。同じ車重に同じ大きさのエンジンを組み合わせるのであれば、エンジンに装着されるリストリクターの大きさも基本的に変わらなかった。
 技術競争の場でもあるため、メーカーにとって、GTEカテゴリーは大きな興味を惹く存在となっている。

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 メーカーの関心を惹いて、当時のLMSやALMSを華やかなレースとしたGTEだったが、高度な開発が求められるため、非常に高価で、しかも、走らせるには、高度な技術が必要だった。GTEで成功するには、メーカーか、それに近い優秀なレーシングチームだけだった。そのため、最初からGTEにはGTEの総合優勝を狙うProクラスと、ジェントルマンドライバーが乗り組むAmクラスが設けられた。Amクラスは1年落ちのクルマの使用が義務つけられる等、開発を排除して、コストの削減も図られた。

 GTEは、たくさんのメーカーの興味を惹いて、華やかなレースを実現したため、一応成功している様に見えた。しかし、プライベートチームにとっては高嶺の花で、Proクラスはメーカーのファクトリーチームのためのクラスだった。もし、メーカーが撤退するようであれば、カテゴリーの存続が危ぶまれる、古典的なレースカテゴリーの構造を持っていた。

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 望まれないにも関わらずFIAが誕生させた2009年のGT1や、メーカーのためのカテゴリーとして支持を得たGTEと違って、この頃ヨーロッパの多くのレーシングチームは、アマチュアのため、性能調整を盛り込んで作られたGT3カテゴリーに熱中した。様々なクルマが存在するだけでなく、価格の上限が設定されているため、GT3カテゴリーは爆発的な人気を得た。
 GT3カーは、カタチはGTEカーと似ているが、中身が完全なレーシングカーであるGTEと違って、GT3カーは、基本的にロードカーをベースとしている。エンジンを含めて、ロードカーをベースとして作られたGTレースカーがGT3カーだ。

 ロードカーをベースとする以上、ファミリーセダンと変わらないエンジンを積むクルマもあれば、レーシングカーと大きく変わらない、高度なエンジンを積むクルマも存在する。GTEカーの様に、同じ車重に同じ排気量のエンジンを組み合わせることは出来ない。そこでGT3カーは、同じ複数のドライバーが実際に同じ場所で走らせて、速さを特定することによって、性能調整値(BOP)を決定している。イコールコンディションを前提とするモータースポーツにとって、曖昧極まりないルールだ。
 BOPを正確に機能させるため、GT3カーはギア比の変更すら許されない。
 アマチュアが走らせることを前提としたため、ファクトリーチームはGT3のレースへの参加は厳禁だ。

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 GT3人気は、ヨーロッパからアジアやオーストラリアへも伝わった。そして、本来改造ツーリングカーのレースだったSuperGTへも伝染して、現在SuperGTのGT300の多くのチームはGT3カーを走らせている。
 現在GT3カーは、北アメリカを除く世界中のGTレースの中心となっている。しかし、元々GT3はアマチュア向けに作られたカテゴリーであるため、メーカーのファクトリーチームがGT3カー走らせることは禁止され、ルマンへも参加出来ない。
 しかし、GTEの高コストや技術競争等の不安定さもあって、2011年望まれずに誕生したGT1が消滅した後、FIAの中で、GT3カーをベースとした次世代のGTカテゴリーを作る話し合いが始まった。

 次世代のGTカテゴリーは、GTEより大幅にコストを削減するため、GT3のエンジンをベースとすることが前提だった。しかし、メーカーの興味を惹くだけでなく、GT3の様に様々なクルマの参加を可能とするため、ギア比の変更は当然ながら、大幅に開発を認める方針だった。話し合いの方向は決まったが、GTEの様なファクトリーチームによるプロモーションの場を求めるメーカーと、GT3の低コストを維持したいメーカーの間で、なかなか話し合いは進まなかった。
 その結果、現在に至るまで、"GT PLUS"と言う仮の名前以外、合意に至っていない。

 しかし、今年のルマンへの参加を受け付けられたレーシングチームが、次々と参加を辞退したことから、ACOが口を滑らせて、これまで公にされなかった"LMP2-Pro"と"GT PLUS"の2つのプランについて、話してしまった。現在のところ、現在のGTEや次世代のLMP2同様、ProとAmに分けて、違うテクニカルルールを使う等、様々なプランが出されている段階で、大まかな方向性以外、何も決まっていない。たぶん6月12日(木)に行われるACOの記者会見の際、現時点の状況が説明されることとなるだろう。

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5月19日
●SuperCar Race Series Rd3/4 Fuji PhotoGallery

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5月15日
●タイサンはルマンチームの体制を決定 第1ドライバーはジェイムズ・ロシター

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 昨日が今年のルマン24時間レースのドライバー登録の期限だった。今回登録されたドライバーがエントリーリストに記載されるが、車検前であれば、登録したドライバーを変更することは出来る。1ヶ月半前、突然ルマンへの参加が可能となったタイサンは、ルマンのテストディがSuperGTオートポリスとクラッシュしているため、タイサンはルマンチームを組織するのに苦労した。これまで、世界中の様々なドライバーがタイサンへコンタクトしている。最初に伝えられたトレーシー・クローンとの連携だけでなく、アメリカの有力チームのドライバーが、そっくり3人そのまま乗り組む申し出もあった。

 最終的にタイサンは、エースドライバーにジェイムズ・ロシター、2人のジェントルマンドライバーは、マーティン・リッチとピエール・アレエを選択した。火曜日にジェイムズ・ロシターは、アンドレ・ロッテラーと共にタイサンを訪ねて、正式に契約を交わした。残念ながら、6月1日に行われるテストディの際オートポリスでSuperGTへ参加しなければならないことから、Pro枠のドライバーが居なくなってしまう。タイサンはテストディの際、テスト専門のドライバーを雇うかもしれない。

 マシンは、昨年AsianLMSで走らせたフェラーリ458だが、Amクラスは1年落ちが条件となるため、昨年タイサンが走らせた458は2012年ヴァージョンだった。今年は2013年ヴァージョンの使用が可能となるため、ミケロットでオーバーホールする際2013年ヴァージョンへアップデイトすることも可能だ。しかし、フェラーリ458は2012年ヴァージョンの方がストレートスピードが速いことから、現在ミケロットで行われているオーバーホールでは2012年ヴァージョンのまま作業は進められる。

 チーム体制は、テストディとSuperGTオートポリスがクラッシュしていることから、タイサン自身のSuperGTチームを使うことは出来ない。そこで、ミケロットを中心として、タイサンと旧知のファンバッハモータースポーツが協力するチーム体制を作り上げた。SuperGTオートポリスが終了次第、SuperGTチームがルマンへ駆けつけるのは言うまでもない。

5月10日
●SuperGTとAsianLMSとのジョイントレースはキャンセル AsianLMSはどこへ行く?

Photo:Sport-Car Racing

 元々SuperGTの2014年のカレンダーには、8月10日富士スピードウェイでAsianLMSとのジョイントレースが掲載されていた。以前からSuperGTは、ACOとの連携を望んでいる。一昨年以降、しばしば、GT500のチャンピオンチームを56台目のエントリーとしてルマン24時間レースへ招待するよう、ACOへアピールしている。もちろん、ACOや世界のメーカーにとって、ルマンの56台目のエントリー枠(ガレージ56)は、グリーンエネルギーを活用したでクルマが参加するためであって、違うレギュレーションのクルマがルマンで走るために設けられたものではない。つまり、このアピールは、SuperGTによる勝手な提案に過ぎない。

 そして、昨年9月SuperGTは、ACOとの現実的な提携を望んで、SuperGTのGT300クラスとAsianLMSが混走するレースを富士スピードウェイで実施した。このレースは、AsianLMSのシリーズ戦の1つであるだけでなく、GT300にとってSuperGTのシリーズポイントが与えられるイベントで、GT300クラスにとって、事実上のSuperGTのシリーズ戦の1つだった。また、AsianLMSにとって、富士スピードウェイで行われたGT300とのジョイントレースは、2013年最大のAsianLMSのイベントで、他のAsianLMSが、10台前後のクルマが走るだけだったのに対して、唯一たくさんのクルマが走ったレースだった。残念ながら、このジィントレースは、興行的に見ると、AsianLMSが充分な予算を計上出来なかったことから、SuperGTでお馴染みのフリースケールが、レース直前にプロモーションイベントの開催を決定して、資金を提供しなければ、赤字となることが明らかだった。

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 興行的には課題を残しても、AsianLMSとSuperGTのジョイントレースは、大きな可能性を持っていた。しかし、最も大きな問題は、AsianLMSの主催者であるS2Mが、最先端のモータースポーツが存在しない中国の上海の会社であることだった。S2M自身が最先端のモータースポーツイベントを開催したこともなければ、自分たちの地元からのエントリーも皆無で、シリーズを開催するための資金を集めることも出来ない主催者が、素晴らしいレースイベントを開催するのは難しいだろう。
 しかし、JLMC失敗後、東南アジアでのルマンカテゴリーの実現を熱望するACOは、今は何もなくても、将来の中国市場に期待して、AsianLMSの継続を決定した。ACOは多数の問題を指摘しながら、上海のS2Mも除外しなかった。

 また、世界との融合を望むSuperGTは、日本のメーカーや多くのレーシングチームがルマンへの参加を望んでいることもあって、ルマンとの関わりを望んだ。メーカーが独自にLMP1カーを開発してルマンへ参加するのでなく、SuperGTの延長線上にルマンが存在することを望んで、先に記した様に、GT500チャンピオンチームのルマンへの招待さえ提案している。
 AsianLMSのトップカテゴリーはLMP2だ。LMP2は素晴らしいフォーミュラマシンに近い、素晴らしい操縦性を持っているが、参加をプライベートチームに限定して、開発を制限する一方、タイヤもワンメイクであるため、ラップタイムはGT500と変わらない。この点に注目したSuperGTは、日本の3つのメーカーの興味を惹けると判断して、昨年の様なAsianLMSとGT300だけの混走ではなく、GT500を含む、総てのSuperGTとAsianLMSが混走するイベントを計画した。そして、8月10日に富士スピードウェイで、SuperGT第5戦と、AsianLMS第2戦として、混走してレースを行う契約を交わした。

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 しかし、ラップタイムに大きな差はなくても、1970年代のグループ5とグループ6、あるいは1990年代のGT1とLMP875の例を出すまでもなく、本当に真剣勝負を行うのであれば、LMP2カーの方が勝つと考えられていた。第一SuperGTとAsianLMSではレースフォーマットも違う。どちらかが、自分たちのレースフォーマットを変更して、相手に合わせなければならなかった。
 4月半ばS2Mのマーク・トーマスが来日して、GTAにおいて、富士スピードウェイにおけるジョイントレースについてミーティングが行われた。そして、このジョイントレースの中止が決定された。

 初めからAsianLMSが上海のS2Mによって開催されていることに対して、大きな疑問が持たれていたにも関わらず、現在でもS2Mは何一つまともなプランを出すことが出来ないこともあって、マーク・トーマスにとって、日本でのAsianLMS開催は、ほとんど唯一の可能性だった。富士スピードウェイでの開催が消滅した場合、インジェからヨンナムへ変更になった韓国、上海、そしてマレーシアのセパンの3つだけしかAsianLMSは開催されなくなってしまう。昨年ロックアウト事件が発生した韓国、そして地元のエントリーが皆無な韓国と中国のイベントは完全な荷物で、昨年AsianLMSの開催に疑問を呈したセパンだけが、唯一成立しそうなイベントとなってしまう。もちろんマーク・トーマスは、8月に日本で代わりのレースの開催を望んだ。

Photo:Sport-Car Racing

 その際富士スピードウェイは、8月31日であれば、AsianLMSを開催する余地があることを公表した。ところが、8月31日には、鈴鹿でSuoerGT第6戦鈴鹿1000kmが開催されている。もし、8月31日に富士スピードウェイでAsianLMSを開催しても、昨年の様な日本のレーシングチームの参加は期待出来ないのだ。第一GTAは、SuperGTに参加するレーシングチームが、他のレースシリーズへ参加するのを禁止しているため、もし、カレンダーがクラッシュしてなくても、SuperGTのレーシングチームがAsianLMSへ参加するのは非常に難しい。現在のところGTAは、このルールのAsianLMSへの適用について明言してないが、多くのレーシングチームにとって、もし、日本でAsianLMSが単独で開催されるとしても、彼らの参加を躊躇させる理由となっている。

 日本の他のサーキットにおけるAsianLMSの開催については、マーク・トーマスが8月の開催を主張していることもあって、名乗りを上げるサーキットが居ないようだ。一時岡山が、8月17日にAsiaLMSを開催することが噂されたが、S2Mが資金を提供出来ないため、1,000万円を超える資金をサーキットが用意しなければならないことが明らかになったことから、現在のところ、岡山におけるAsianLMSの開催計画は消滅したと考えられている。元々開催自体が不透明な韓国、地元のエントリーが皆無な中国、この2つのレースの怪しさを考慮すると、もし、日本でのAsianLMSが消滅した場合、AsianLMSそのものが消滅することが予想される。

Photo:Sport-Car Racing

5月5日
●SuperGT Fuji500km PhotoGallery

Photo:Sport-Car Racing

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4月14日
●SuperCar Race Series Motegi PhotoGallery

Photo:Sports-Car Racing

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4月12日
●タイサンはルマン参戦を決定

Photo:Sports-Car Racing

 2週間前今年のルマンへの参加が可能となったタイサンは、大急ぎで2ヶ月半後のルマンへ参加するためチーム体制の再構築に取り組んだ。今年のルマンは、公式テストディとSuperGTオートポリスのカレンダーがクラッシュしていることから、タイサン自身のチームをルマンチームの中心とすることは出来ない。もちろん、タイサンはミケロットに協力を求めた。ミケロットを中心としたサポートチームを組織するとしても、実際にレースを行うチームを組織するのは難しい。そこで、タイサンは、ヨーロッパの様々なレーシングチームとコンタクトして、メンテナンスチームの構築を急いで行っていた。その結果、昨日やっとタイサンは、ミケロットを中心としたチーム体制を作り上げることに成功した。

 ルマンの公式テストディとSuperGTオートポリスがクラッシュしていることによって、メンテナンスチームだけでなく、通常のタイサンのドライバー達もルマンへ参加することは出来ない。そこで同時にドライバー選定も行われ、昨日、大まかなドライバーも決定した。第1ドライバーは、最初タイサンがエントリー申請時に記載したメテオ・マルセリだ。マルセリはミケロット契約、つまりフェラーリ契約のドライバーだ。第2ドライバーはトレーシー・クローンとなりそうだ。トレーシー・クローンは、北アメリカのALMSではお馴染みのフェラーリドライバーで、昨年まで自身のチームからルマンへも連続出場している。しかし、今年の参加を受け付けられなかったことから、タイサンと合流した。第3ドライバーは、北アメリカのリシーのドライバーとして活躍して、近年はトレーシー・クローンと共にWECへ参加していたニコラス・ヨンソンだ。
 この3人のドライバーは、現在最終確認中であるため、もしかしたら、変更される可能性もあるだろう。

 今年のタイサンは、急遽ルマンへの参加が可能となったため、大急ぎで参加チームを組織した。SuperGTオートポリスとのクラッシュもあって、ヨーロッパのレーシングチームの手助けを求めることとなった。しかし、タイサンのルマン挑戦は今回で終わってしまうわけではなく、リッキー・千葉は、本格的な参戦を2015年と目論んでいるようだ。そのため、今年も7月から始まるアシアンルマンシリーズへ参戦する。そして、2015年にはルマンへオール日本チームとして参戦することを狙っている。

4月6日
●Super GT Okayama PhotoGallery
 
Photo:Sports-Car Racing

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3月28日
●2014年のTOYOTA TS040はエンジンと電気モーター合わせて1000馬力

Photo:TOYOTA

 昨日トヨタは、ポールリカールにおいて、2014年のWECを闘うTS040を発表した。既に公表されていたように、フロントアクスルとリアアクスルの両方に電気モーターを設置して、ブレーキング時に回生してエネルギーを回収して、加速時には前後の2つの電気モーターによってパワーを放出する。2014年レギュレーションは、エネルギー放出量を2MJ〜8MJの間で2MJ間隔で選んで、それに応じたエンジン出力が設定されている。大きなハイブリッドエネルギー放出量を選択すると、小さなエンジン出力が与えられる。ハイブリッドについて、長い間研究を行ってきたトヨタは、大きなエネルギー放出量を選択することが予想されていたが、トヨタは6MJを選択した。トヨタによると、電気モーターは最大480馬力の出力を発生するらしい。常に電気モーターを480馬力で運転する訳ではないだろうが、もし、最大出力の480馬力で運転した場合でも12.5秒間パワーアシストが可能だ。

 基本となるエンジンは、昨年まで3.4リットルから3.7リットルに拡大されている。この300ccの拡大は、昨年から公表されていた数値だが、6MJを選択すると、エンジン出力は520馬力に制限される。

 2014年のTS040は電気モーターを前後のアクスルに備えることによって、電気モーターでアシストする場合、事実上4輪駆動となる。つまり、ホイールスピンし易い、中速域でもハイブリッドパワーを有効に使うことが可能で、ユノディエールの様な超高速域でハイブリッドパワーを使うと、4輪駆動の安定性を得ることも可能だ。

Photo:TOYOTA

 2014年ルールの最も興味深い点は、ハイブリッドエネルギーの放出量の大きさに合わせて、燃費が設定されていることだ。しかも、25年前のグループCの様な曖昧なルールでなく、3ラップ毎の平均燃費が規定を上回っている場合、ペナルティが科せられる。この燃費は、データロガーによって燃料流量を監視することによって測定されるが、6MJを選択した場合、最大燃料流量は87.9kg/hと規定されている。トヨタによると、エネルギー放出量と燃費を慎重に検討して6MJを選択したと言う。

 2014年ルールは、車体の幅を10cm狭く、タイヤの幅を2インチ狭い14インチに制限している。もちろん、ドライバーの視線がフロントフェンダー上となる様、着座位置も上げられる。ドライバーの着座位置が上がることを活かして、多くのデザイナーはフロントノーズ床下のフロントディフューザーを拡大している。前後のフェンダーの上に開口部を設けるルールは、新たに上か内側のどちらかに開口部を設けることに変更された。フロントフェンダー内側にタイヤの輪郭と同じカタチの開口部を設けると、1998年のトヨタTS020の様に、大きく前面投影面積を削減することが可能だ。しかし、床下の空気の流れと密接な部分であるため、現在のところ、総ての2014年LMP1カーは、フロントフェンダーの上に開口部を設けている。
 2年前に開口部のルールが設けられた時、タイヤの真上に開口部を設けるとドラッグが増えるだけだが、タイヤの直前に開口部を設けるとダウンフォースが増え、ドラッグも減ることが解明されている。そのため、前方に突きだしたフロントフェンダーが考案されたが、TS040のフロントフェンダーは、従来以上に、前方に突き出したデザインとなっている。

 既にトヨタは、12日間18,000kmのテスト走行を行っている。今日からはポールリカールでWEC合同テストに参加する。
 トヨタが成功をつかむ可能性は高いように思える。

3月27日
●Super Car Race Series開幕戦は15台が参加   4つのイベント(8レース)にGTアジアのチームの参加が可能

Photo:Sports-Car Racing

 4月12日ツインリンクもてぎにおいて、スーパーカーレースシリーズ第1戦が行われる。当初スーパーカーレースシリーズを取り仕切るSCR・Japanの竹内浩典は、SuperGTのGT300へ参加するレーシングチームの参加を見込んで、最低30台、場合によっては40台以上の参加を望んでいた。しかし、GTAがSuperGTのレーシングチームに対して、スーパーカーレースシリーズを含む他のレースへの参加の厳禁とすることを確認したため、少々困った状況となってしまった。

 その後昨年末には竹内浩典自身がマレーシアを訪問して、GTアジアの主催者であるデビッド・ソレンシャーとも交渉している。既にGTアジアは2014年のカレンダーを決定した後であったことから、具体的なイベント開催の話しは何も進まなかった。しかし、SuperGTの件があった後であることから、デビッド・ソレンシャーと竹内浩典は、双方のシリーズに参加するレーシングチームの相互乗り入れを拒否せず、友好的に交流を行うことで約束を交わした。
 今年GTアジアは、6月初め〜7月半ばまで日本でレースを行うため、その間に行われる岡山とSUGOのスーパーカーレースシリーズは、両者が相互乗り入れする対象となる。今年GTアジアは、マレーシア以外を拠点とするレーシングチームが増えたことから、従来の様な主催者が輸送をセットとした管理を行わないため、早めに日本へクルマを送るのであれば、5月16日と17日の富士、そして、遅めにクルマを日本から運び出すのであれば、8月2日と3日の岡山での参加も可能だ。

 また、当初スーパーカーレースシリーズは、最後の2つのイベントをWEC富士の前座で開催する予定だった。しかし、3月になって、世界選手権であるWECでの開催は取り止めとなった。その結果今年のスーパーカーレースシリーズは、4月12日と13日にツインリンクもてぎで開幕して、8月2日と3日の岡山で最終戦が行われる。まるでヨーロッパのレースシリーズの様に、シーズン前半に総てのレースを開催するシリーズだ。先に述べた様に、4月12日と13日に行われるツインリンクもてぎを除くと、総てのレースにGTアジアのレーシングチームが参加することも可能だ。

 では、実際に何台のGTカーがスーパーカーレースシリーズへ参加するのだろうか?
 先週富士スピードウェイでは400台のスーパーカーが参加するレースイベントが開催されていた。その富士で竹内浩典に聞いたところ、「現在のところ、ツインリンクもてぎへは最低13台、出来れば15台の参加を見込んでいる」とのことだ。続くイベントへはGTアジア勢の参加が見込めるため、何とかの皮算用で計算すると、初年度としては充分な台数を集めることに成功したようだ。

3月26日
●2014年のR18発表 エネルギーリカバリーシステムは回生ブレーキのみ

Photo:Claude Foubert

 昨日アウディは、ルマンで2014年のR18を正式に発表した。昨年末アウディは、開発段階のR18-2014について、従来通りフロントアクスルに電気モーターを配置して、ブレーキングの際回生するだけでなく、エンジン上にレイアウトされるターボチャージャーと同軸に電気モーターを取り付けて発電する、排気熱リカバリーシステムを備えることを公表している。
 この排気熱リカバリーシステムは、排気熱と称するため、勘違いしている方が多いが、“熱”は、排気ガスの熱の意味ではなく、エネルギーを意味する。既にF1GPでお馴染みであるだけでなく、ポルシェも今年919LMP1カーに排気熱リカバリーシステム組み合わせて登場する。現在のところ、一般的にターボチャージャーと同軸に電気モーターを設置して、発電を行うシステムだ。

 しかし、非常に複雑なシステムで、コンプレッサー側と言っても、高温のターボチャージャーに電気モーターを設置するため、左右にバンクが分かれるV型エンジンでも、1つだけしか電気モーター付きターボを備えるのは難しい。そのため、一般的に、左右のエキゾーストやインテイクとの距離が等しい、エンジン上に配置される。
 元々アウディR18は、エンジンのバンク内側にエキゾーストをレイアウトして、ターボチャージャー自体、エンジン上のバンクの内側にレイアウトしている。ここに電気モーターを連結するため、どうしても重心が高く、テイルヘビーとなってしまう。
 ポルシェが、軽量かつコンパクトな90度V4の2リットルガソリンエンジンを採用した理由も、この問題を考慮したためだ。

 元々アウディは、大きく重い3.7リットルの90度V6ディーゼルターボエンジンを使用していた。少しでも重心の高まりやテイルヘビーを防ごうと考えると、エンジン上(実際はトランスミッション上)に電気モーターを設置するのは避けたい。

 2014年のLMP1クラスのルールはエネルギーリカバリー量の大きさに応じて、エンジン出力と燃料タンクの容量が変化する。エネルギーリカバリー量は、最小2MJから、最大8MJの範囲で自由に選択することが出来るが、大きなエネルギーリカバリー量を選択すると、エンジン出力と燃料タンクの容量は小さくされる。
  そこでアウディは、最も小さい2MJのエネルギーリカバリー量を選択して、エンジン上の排気エネルギーリカバリーシステムを取り外した。フロントアクスルに設置される電気モーターだけでも2MJの回生は可能なのだろう。
 ハイブリッドに頼る比率が減るため、アウディは、エンジンの排気量を従来の3.7リットルから4リットルに拡大した。

 2012年以来アウディは、エネルギーを貯蔵するシステムとしてフライホイールを採用している。お馴染みのイアン・フォーリーが考案してウイリアムズが開発したシステムだが、フライホイールを使ったエネルギー貯蔵システムは、重さは、それほどではないが、発電するフライホイールと貯蔵するフライホイールの2つが必要であるため、非常に大きく、しかも、最大4万回転でフライホイールが回転するため、高速コーナーで大きなGがかかった際の安全性については、少なくとも2013年の場合、たくさんのクエッションマークが付くような曖昧な状況だった。フライホイールはコクピット内の助手席に設置されるため、もし、4万回転で回るフライホイールが、高速コーナーで脱落したら、大事故に発展してしまう。
 そのため、アウディはリチウムイオン電池を採用すると考えられていたが、エネルギーリカバリー量が2MJと小さいこともあって、従来通りフライホイールを使ったエネルギー貯蔵システムを使用した。
 昨日ルマンで発表した際、2013年バージョンのカットモデルも展示されたが、2014年バージョンも大きな違いはないだろう。

 各メーカーに対してFIAは、2月末までに、妥当な性能調整値の提示を求めていた。FIAには、各ワーキンググループ内で、意見を調整するため、各メーカーやコンストラクターが自由に意見を言い合う、会員制のツイッターの様なシステムが存在する。もちろん、実際には、意見を言い合うと言うより、メーカーやコンストラクターの間で、各自のデータを小出しに公表して、性能調整値を決定するための材料とするためのシステムだ。
 我々は、2月末までに、各メーカーが、どのような性能調整値を提出したのか?判らない。しかし、アウディがエンジンの排気量を4リットルに拡大したことから、相当大胆な性能調整値や性能調整の方法が提案されたのだろう。

Photo:AUDI AG

3月26日
●土壇場になってタイサンのルマン参加が可能! タイサンはSuperGTを選ぶか?それともルマンか?

Photo:Sports-CarRacing

 昨年AsianLMSのGTEクラスのチャンピオンに輝いたタイサンは、当然2014年のルマン24時間レースへの招待権を手に入れるか、と思われた。ところが、2013年のAsianLMSのGTEクラスは、非常にエントリーが少なく、タイサン1台のみの場合も多かった。そこで、ACOは、タイサンに対する2014年のルマン24時間レースへの招待権を棚上げとした。
 その結果、2014年のルマン24時間レースへエントリー申請したタイサンは、GTEクラスのリザーブリストの2番目を名前を掲載された。つまり、GTEクラスに2台エントリーを辞退するクルマが出た場合、タイサンにルマンへ参加する権利が与えられる。

 その後タイサンは、昨年SuperGTで走らせた2台のポルシェ997GT3Rを次々と売りに出した。そして新たに2014年のSuperGTをニッサンGTRで闘うことを決心した。既にニスモからタイサンへGTR GT3カーが納入され、6月1日ルマンでテストディが行われる日に開催されるSuperGT第3戦オートポリスへの参加についても、ニスモと約束を交わしている。

 ところが昨日ACOは、2台のSRTヴァイパーがエントリーを辞退したことを発表した。今週末WECの合同テストが開催され、それに併せてテストディへの参加確認が行われることから、様々な違約金が発生する直前SRTはエントリーを辞退したらしい。
 つまり、土壇場になって、タイサンのルマン24時間レースへの参加が可能となった。

 昨夜タイサンの千葉泰常は、ルマン参加が可能となったニュースを知った。しかし、既にSuperGTへの参加を決定してニスモと約束を交わした後であるため、直ぐにルマン参加について決定出来ない状況だった。
 今年のSuperGTのカレンダーは、第2戦富士がWECスパと、第3戦オートポリスがルマンのテストディと、第7戦鈴鹿がWECサンパウロと、第8戦ブリナムが“プチ-ルマン”と、第9戦ツインリンクもてぎがWECバーレーンとマカオGPとクラッシュしている。9レース中5つがWECやWECの関連イベントとクラッシュする異常なカレンダーだ。中でもWECスパやルマンテストディとのクラッシュは、ルマンを目指す日本のチームとドライバーにとって大きな障害となっている。

 遅くとも、今週末までにタイサンは、今年ルマン24時間レースへ参加するか?最終決定を行う。

Photo:Sports-Car Racing

3月25日 ●Super GT Fuji Test PhotoGallery

Photo:Sports-CarRacing

http://www.endurance-info.com/fr/photo/fuji-tests-mars-2014/

3月25日
●Strakka童夢103シェイクダウン

Photo:Jakob Ebrey

 シルバーストーンのストラッカの工場で製作が行われていたストラッカS103が完成し、近くのチュールウエストン飛行場において、シェイクダウンテストが行われた。ステアリングを握ったのはストラッカレーシングのジョニー・カーンとダニー・ワッツだった。飛行場の直線コースを行ったり来たりするだけの作動確認テストだが、順調にメニューを消化して、1日目を終了した。
 昨日のテストはシステムをチェックするためで、今日本格的なテストが行われる。その後ストラッカレーシングは、28日と29日ポールリカールで行われるWEC合同テストへ参加する。一般へのお披露目はポールリカールで行われる。

 今年ストラッカレーシングは、ジョニー・カーン、ダニー・ワッツ、そしてニック・レベンティスによってWECに参加する。
 今年S103を走らせるのはストラッカレーシングだけであるらしいが、ストラッカはS103の販売についても意欲を見せている。

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