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2015
11月30日
●アウディはデーゼルエンジンによるLMP1活動を継続 2016R18 e-tron quattro発表 6MJ、2KERS

Photo:AUDI AG

 土曜日ミュンヘンでアウディは、2016年のWECに参戦する改良型R18を発表した。
 9月にVWのディーゼルエンジンの排出ガスのデータ改ざんが発覚したため、現在アウディとポルシェの2ブランドが参加しているWECについて、2016年は1つだけが参加すると噂されていた。もちろん、撤退するのは、ガソリンエンジンを使って、2016年に圧倒的な速さで、総てのタイトルを獲得したポルシェでなく、ディーゼルエンジンを使うアウディと語られていた。

 元々6月のルマンの際、アウディだけでなくFIAも、アウディがガソリンエンジンを開発していることを語っていた。しかし、翌年のマシンの本格的な開発が始まった8月末、COTAでWECが開催された際、2016年のためアウディは、再びディーゼルターボエンジンを開発していることが明らかとなった。その僅か2週間後VWのディーゼルエンジンの排出ガスデータの改ざんが明らかとなった。このような状況もあって、もし、アウディが2016年のWECに参加するとしても、ディーゼルエンジンでなく、少なくとも、既に何らかの開発を行っていたガソリンエンジンを使うと考えられていた。
 ところが、土曜日に発表された2016年のR18は、4リットルのV6ディーゼルターボエンジンを積む。

 ちなみに2013年までアウディは、年末にパリで翌年のルマンカーを発表していた。しかし、2014年パリ市長のアン・イダルゴが、パリからディーゼルエンジンを閉め出すことを宣言したため、アウディは恒例のセレモニーの実施を諦めた。2015年ヴァージョンのR18は、正式な発表会は実施されなかった。このような逆風もあって、アウディは、よりによってパリでCOP21が開催される2日前、ひっそりとミュンヘンで、2016年にルマンで走らせるディーゼルエンジンカーを発表した。

 この様な問題はともかく、2016年のR18は、これまでアウディが解決出来なかった、いくつかの課題が解消され、やっとトヨタやポルシェの様な、本当のハイブリッドLMP1Hカーとなった。これまでのアウディハイブリッドLMP1Hカーは、ほとんど無いに等しい、ほんの僅かなリカバリーエネルギーに過ぎなかった。現在のLMP1Hレギュレーションが施行された2014年の場合、それ以前よりも小さな、たった2MJだった。ところが、2016年ヴァージョンは、2015年のトヨタと同じ6MJを選択するようだ。
 現在のところ、アウディは、正式にはリカバリーエネルギー量を発表していないことから、今後の開発によって、より少ないリカバリーエネルギー量を選択する可能性もあるが、現在のところ、非公式ながら6MJと公表している。

Photo:AUDI AG

 従来のアウディは、ブレーキング時にフロントブレーキから回生エネルギーを回収するだけだった。一時ポルシェと同じ様な、ターボチャージャーと同軸に電気モーターを取り付けて発電する排気熱リカバリーシステム(MGU-H)の開発を行ったが、結局アウディは開発を諦めた。リカバリーエネルギー量が増えると、エネルギーリカバリーの強化が必要となるが、2016年のアウディは、トヨタ同様、フロントとリアの両方のブレーキを使って、ブレーキング時に回生エネルギーを回収する。
 この方法の場合、ブレーキング時にエネルギー回生と制動力のバランスの確保が非常に難しい。採用したのであれば、ブレーキング時のバランスの問題を、アウディは解決したのだろう。

 また、2015年までアウディは、フライホイールにエネルギーを貯めていた。元々このシステムは、RfH童夢でエンジニアを務めたイアン・フォーリーが開発したもので、ウイリアムズGPが実用化した。ポルシェのGT3カーでテストされたが、大きなスペースをとるだけでなく、大きなGによってフライホイールが脱落する危険があったため、ポルシェはGT3カーでテストしただけで、LMP1Hカーでは採用しなかった。2012年からアウディは、フライホイールにエネルギーを貯めるシステムを使っていたが、肝心のルマンでは、スタート後たった2時間でフライホイールを停止させ、ハイブリッドでなかったことが暴露されてしまった。ハイブリッドエネルギー無しでルマンに優勝したのだから、ルールの正当性について、大きな疑念を持たせる事件だった。

 2016年のアウディは、ポルシェ同様リチウムイオンバッテリーにエネルギーを貯める。ポルシェだけでなくプジョーもリチウムイオンバッテリーを使うシステムを開発していたことから、アウディのシステムの出所が、同じVWグループのポルシェと特定するのは難しいが、ポルシェの成功を見て、リチウムイオンバッテリーの採用を決めたのは間違いないだろう。

 当方は、最終的に決定された2016年のLMP1Hレギュレーションの詳細を知らない。燃料流量等の性能指針の話ではない。これらについては、シーズン開幕時に2015年のものが踏襲することは発表されている。しかし、使用する燃料、特にディーゼル燃料については、何らかの変更が加えられると噂されている。そして、もう1つの重要な課題がある。
 現在のLMP1Hレギュレーションの構想段階でテーマとなっていた排出ガス浄化について、実際に2014年にLMP1Hが実施された際、事実上無視されてしまった。ところが、ディーゼルエンジンの排出ガス浄化については、PM2.5に苦しむ北京だけでなく世界中で懸念される大問題となっている。先に記した、6月にアウディがガソリンエンジンを開発しているコメントは、ディーゼルエンジンの排出ガス浄化の話の際で出された。FIAも必死の様だった。

 逆風の中に存在するディーゼルエンジンによって、わざわざアウディがLMP1Hカーを登場させる大きな理由は、ディーゼルエンジンのイメージの改善が目的と考えられている。しかし、ディーゼルエンジンの汚い排出ガスは現実なのだ。
 もし、何も排出ガスの対策が無く、アウディがディーゼルエンジンでWECに参加するのであれば、1年前パリ市長のアン・イダルゴが宣言した様に、特にフランスでは大きな疑問が呈せられるだろう。
*Sports-Car Racing Vol.21参照

11月26日
●ELMSチャンピオンのグリーブスは、2016年WEC、ELMS、そしてブランパンで活動!

Photo:Sports-Car Racing

 現在プライベートチームにとって、スポーツカーレースの事実上のトップカテゴリーはLMP2だ。そしてLMP2クラス最大の激戦区は、全世界を転戦するWECでなく、ヨーロッパで行われるELMSだ。そのELMSで今年LMP2クラスのチャンピオンに輝いたのはグリーブスが走らせたギブソン15Sだった。元々ルマンでLMP2のタイトルを獲得したグリーブスは、WECへの復帰を望んでいたが、メーカーと違って、他のプライベートチームと同様に中国や南米へ遠征する理由を見出せなかったことから、昨年からELMSを舞台として活動していた。

 昨年秋ザイテックのモータースポーツ部門は、電気自動車を生業とする本体がコンチネンタルタイヤに買収されたため、ザイテックからギブソンへと名前を変更した。それに合わせて、大々的に改良した15S LMP2カーを開発した。既に新に作られるLMP2カーは総てが“屋根付き”となっていたが、ギブソンはSZ11をベースとした“屋根なし”で15Sを開発した。ところが、ギブソン15S LMP2カーは、2015年のスポーツカーレースで素晴らしいポテンシャルを発揮した。最初JOTA(ジオタ)とグリーブスの2チームのみで、ELMSを舞台としてギブソン15Sは走ったが、ルマンが終了すると、速いLMP2カーを求めていたストラッカがギブソンに興味を示した。現行のLMP2ルールは2016年末までで、しかもストラッカは直ぐに高性能なギブソン15Sを要求した。直ぐに新車の15Sを作るのは難しく、ストラッカはグリーブスのスペアモノコックを購入して、新たに15Sを作った。

 ストラッカとギブソンの話し合いは5月に始まったらしいが、ルマンのレースウィーク中ストラッカの面々が、ギブソンを訪れて最終的なミーティングを行っていた程大騒ぎだった。しかし、ルマン後WECの実戦に登場したストラッカ・ギブソンは、直ぐに速さを見せつけた。10月に行われたWEC富士でもストラッカ・ギブソンがポールポジションを獲得した。

 ELMSで活動していたJOTAとグリーブスのギブソン15Sは、LMP2最大の激戦区のELMSで、どちらがチャンピオンに輝いても不思議でない速さを披露した。JOTAはルマンでポールポジションを獲得したが、ELMSでは、最終戦エストリルまでもつれたタイトル争いを制して、グリーブスがELMSチャンピオンを確定した。

 直ぐにグリーブスは、2016年に大々的な活動を行うことを世界中の信者へ連絡した。現在、細かな部分が決まっていないが、WECとELMSでは2台のLMP2カーを走らせる。2015年同様追加でLMP3カーを走らせる可能性も大きい様だ。さらにブランパンシリーズで2台のニスモGTR GT3カーを走らせる。GTRの1台は、ニスモが大きく関わっているようだ。
 GTRでの活動については、近々詳しい内容が発表されることだろう。

Photo:Sports-Car Racing

 ここまでは、直ぐに決定したが、今年速さを発揮したギブソン15Sは2016年末までしか走ることが出来ない。ギブソン自身、新しいモノコックを作るのを躊躇っているようだ。ストラッカにスペアモノコックを売らなければ、2016年も2台のギブソンを走らせることが可能だったが、グリーブスは、2017年以降を睨んで、新たに1台のリジエLMP2カーをオンロークから導入することを決定した。2016年のWECとELMSへ、グリーブスは1台のギブソンと1台のリジエの2台で転戦することとなった。
 現在のところ、ギブソンの方がリジエよりも速いことから、ナンバー1カーはギブソンとなると思われるが、今後の開発次第でリジエが速さを発揮する可能性もあることため、シーズン開幕まで詳しい状況は判らない。

 最近のWECは、LMP1HクラスとGTE-Proクラスのファクトリーチームの闘いばかりが注目されて、有力なプライベートチームはルマンだけをターゲットとする状況だった、2016年にグリーブスが大々的にWECに参入することによって、プライベートチームにとってもWECが最高の舞台となるかもしれない。

11月25日
●2016年ポルシェケイマンGT4のレースが誕生 *追記

Porsche AG

 先週ポルシェは、ロサンゼルスモーターショーにおいて、2016年にケイマンGT4クラブスポーツによるレースを実施することを発表した。我々は、ロサンゼルスでの発表を、メディアの目をディーゼルエンジンから遠ざけるためであったと理解しているが、もちろん、我々を含めて、世界中から、たくさんの質問がポルシェへ寄せられた。

 その後の情報を整理すると、どうやら、ロサンゼルスで発表された際、総てが決まっていた訳ではなかったようだ。ロサンゼルスでポルシェは、ニュルブルクリンクのVLNシリーズ等と共に、ヨーロッパと北アメリカでケイマンGT4によるワンメイクレースの実施も公表していたが、これらは、現在プランを構築しているレースシリーズで、既に決定した訳ではないようだ。逆にロサンゼルスで公表されなかった国での実施についても、ポルシェは検討しているようだ。

 非常に重要な発表でありながら、ロサンゼルスで発表しただけで、現在でもヨーロッパと日本でポルシェは、大々的なインフォメーションは公表していないが、どうやらポルシェは、公表が遅れているヨーロッパと日本をケイマンGT4レースシリーズのターゲットとしているようだ。

 来年に実施するにも関わらず、「まだ総てが決まってない」ことからも、現在のポルシェの状況がうかがい知れるが、エンデュランスインフォと共に集めた情報を整理すると、2016年から実施するケイマンGT4のレースシシリーズは、911カレラカップで行われた様な、ヨーロッパ全域、あるいはアジア全域を転戦するシリーズは行わないらしい。各国毎に行うシリーズとして構想されているようだ。もちろん、各国毎のレースシリーズとしても、既に911によるカレラカップシリーズが存在することから、その下に位置するレースシリーズを目指しているようだ。

 まだ決まってない内容であるため、様々な言い訳と共にドイツのポルシェは、「ドイツ、イギリス、フランス、そして日本で行いたい」と、ケイマンGT4について語っている。逆にロサンゼルスで公表した北アメリカについては、カナダでの開催が難しいことを公表した。この情報によって、日本で彼方此方に聞いてみたが、残念ながら、日本でのケイマンGT4カップの開催どころか、ケイマンGT4レースの存在自体、知る人が少なかった。

Porsche AG

 ところで、ケイマンGT4カップとは、どのようなクルマによるレースかと言うと?今年初め発売したケイマンGT4をベースとしたケイマンGT4カップカーによるレースだ。エンジンが911(991)カレラカップカーと基本的に同じ3.8リットルのフラット6を搭載して、ほんの少し少ない385馬力を発生する。タイヤはフロントに25/64-18、リアに27/68-18のミシュランタイヤを履くが、センターロックでなく5穴のホイールナットによって装着される。燃料タンクは100リットルのFIA FT3安全規格の大容量タンクが設置されるが、ロードカーをベースとしてロールケイジを備えることから、車重は911カップカーより重い1,300kgだ。

 そして、最大の特徴が、ケイマンGT4クラブスポーツ専用の6速PDKオートマチックトランスミッションを備えることだ。ロードカーのPDKトランスミッションは7速であることから、ケイマンGT4クラブスポーツのPDKトランスミッションの中身は、991GT3と同じものと思われるが、自動変速となることによって、素早いシフトチェンジが可能となっている。この内容でも判る様に、ケイマンGT4クラブスポーツは、991カレラカップカーの下に位置することを想定して開発されている。価格も北アメリカで16万5,000ドルであるから、991カレラカップカーより大きく安い。

 しかし、ミッドシップであることから、速さについては、大きく変わらないと考えられている。
 今年ルマンの際、ポルシェLMP1チームの面々が、質問に答えられなくなると、再三語りだしたストーリーはケイマンGT4レースカーのことだった。そして、我々もケイマンGT4について賛同した。それほど、ミッドシップのポルシェGTレースカーは期待されている。
 明日ポルシェは、東京で今年度のカレラカップの表彰式を行うが、その場で2016年のケイマンGT4クラブスポーツのレース活動について、発表される可能性が高い。ワンメイクレースだけでなく、世界中の様々なGTレースにおいて、期待されると共に、より上級のGTレースカーのベースとしても期待されるクルマだ。

*追記:カレラカップカーと基本的に同じ3.8リットルエンジンと、曖昧な表現を行ったため、ドライサンプを前提とした空冷時代のクランクケースを使ったエンジンと思われた方がいらっしゃるようです。もちろんケイマンGT4クラブスポーツのエンジンは、ケイマンGT4と基本的に同じ、現在のフラット6のクランクケースが使われています。曖昧な表現をお詫びいたします。

9月30日
●10月1日~20日「代官山-THE HERITAGE-」開催 2日にはWEC FUJIイベントも開催

Photo:Sports-Car Racing

 毎年10月「ミッレミリア」の日本版「La Festa Mille Miglia 2015」が開催される。2012年から代官山の蔦谷書店に「La Festa Mille Miglia 」の最初のスタンプポイントが設置され、それに併せて蔦谷は自動車関係の様々なイベントを開催しているが、今年も10月1日~20日まで代官山 蔦谷では「代官山-THE HERITAGE-」と名付けたイベントを開催する。

●最初のイベントは2日に行われるWEC Fuji 6時間レースの記念イベント
 1週間後(10月9日~11日)FUJIスピードウェイにおいて復活4回目のWECが開催されるが、「代官山-THE HERITAGE-」の最初のイベントとして、WEC Fuji 6時間レースの記念イベント「WEC FUJI PREMIUM NIGHT@DAIKANYAMA T-SITE」が開催される。今年のWEC Fuji 6時間レースは、トヨタ、ポルシェ、アウディによるLMP1Hクラスおける総合優勝争い、ポルシェ、フェラーリ、アストンマーティンによるGTEクラスの熾烈な闘いが注目されている。トヨタにはWEC Fuji 4連勝の期待もかかる。

 2日に開催される「WEC FUJI PREMIUM NIGHT@DAIKANYAMA T-SITE」は、TS040 LMP1Hカーを搭載したトレーラーが代官山にやって来る(15:00~17:00)。昼15:00から行われるイベントにはWEC富士6時間アンバサダーの寺田陽次郎氏や松田次生選手、平手晃平選手が登場する。夜には第2部として、松田次生選手、平手晃平選手、片山右京氏、関谷正徳氏、舘信秀氏によるトークショーが開催される(19:00~21:00)。

日時:10月2日(金)19時~21時頃、場所:代官山 蔦屋書店 2号館2階Anjin、*参加費(2,000円)、定員100名(立見あり)
お問い合わせ:代官山 蔦屋書店 東京都渋谷区猿楽町17-5 代官山蔦屋書店2号館1F クルマ・バイクフロア
TEL:03-3770-5005(10:00~22:00)

Photo:蔦谷

●La Festa Mille Miglia 2015クラシックカーラリーイベント
10月16日(金)12:15頃~13:45頃代官山T-SITE駐車場
イタリアのクラシックカーラリーイベント「Mille Miglia」の日本版。そのチェックポイントとして、美しいクラシックカー100台が代官山を駆け抜ける。4年目となる今回は、ブガッティのクラシックカーが40台参加し、過去最高規模150台程が走り抜ける。

●HERITAGE Auto Show
10月16日(金)18:00~22:00代官山T-SITE駐車場
10月17日(土)10:00~22:00代官山T-SITE駐車場
「HERITAGE」には伝統やこだわり、遺産という意味があります。ヨーロッパのガーデンをイメージさせる空間の中で代官山蔦屋書店が考える「HERITAGE」をテーマに様々な乗り物を展示。

Photo:蔦谷

●VINTAGE CAR BOOKS
10月1日~14日2号館1階ギャラリースペース(旧山手通り側)
絶版となったクルマのヴィンテージ書籍をメインにクラシックカーのモデルカーやカタログの展示販売

●MINI INNOVATION
10月3・4日/10月10・11日10:00~18:00頃予定
2号館1階クルマフロア
360度バーチャルリアリティ動画を見ることができるMINI VR CARDBOARDを用意し実際に体験出来る。
資料頂いたお客様にはなんとCardboardをプレゼント予定。

Photo:蔦谷

●モーニングクルーズ
10月11日(日)7:00~9:00代官山 蔦屋書店駐車場
毎月第2日曜日に開催されている名物イベントのモーニングクルーズ。
今回のテーマは満を持して「ONLY FERRARI」のテーマで開催。

●問い合わせ
代官山蔦屋書店
〒150-0033東京都渋谷区猿楽町17-52号館1階クルマフロア
TEL:03-3770-2525
期間:10月1日~20日
営業時間:7:00~26:00年中無休入場無料
アクセス:http://tsite.jp/daikanyama/access/●VINTAGE CAR BOOKS
10月1日~14日2号館1階ギャラリースペース(旧山手通り側)
すでに絶版となってしまったクルマのヴィンテージ書籍をメインに
クラシックカーのモデルカーやカタログの展示販売

9月15日
●2017年のLMP2統一エンジンはギブソン、ECUはコスワース、IMSAは除外! 600馬力にパワーアップ!

Photo:Sports-Car Racing

 2017年からLMP2は4つのシャシーと1つのエンジンによって行われる。既に2ヵ月前FIAとACOは、ダラーラ、ORECA、オンローク、ライリー/マルチマチックの4つのシャシーコンストラクターを決定している。最初の予定では、7月末に1つのエンジンを決定するハズだったが、それから2ヵ月、何の情報もなかった。今年2月の時点で、LMP2の統一エンジンの最有力候補がギブソンであると噂されていた。しかし、シャシーコンストラクターを取り下げたHPD、そして老舗のジャドが、積極的にロビー活動を行っていると囁かれていた。6月になると、少なくとも6年間消息が不明だったメカクロームの名前も噂された。

 昨日FIAとACOは、FIAワールドカウンシルによって、2017年のLMP2統一エンジンとしてギブソンを選択したことを発表した。組み合わせられる統一ECUはコスワースを選定したことを発表した。

 ここまでは、下馬評通りだが、同時にFIAは、統一エンジンと統一ECUは、WEC、ヨーロッパで行われるELMS、アジアで行われるAsianLMSで使われ、北アメリカで行われるIMSA WeatherTech SportsCar Championshipにおいては、様々なエンジンが使われることを発表した。つまり、FIAとACOの当初の目論みと違って、全世界統一エンジンではない。
 もちろん、IMSAが使用を望んだエンジンはHPDだ。HPDはギブソン同様エンジンとシャシーの両方を開発していた。FIAとACOは、ギブソン同様シャシーコンストラクターの権利を取り下げたHPDを失うことは出来なかったのだろう。

 統一エンジンに選定されたギブソンは、600馬力を発生する4ℓV8を供給する。ギブソンは、15年前パノスLMP07のため4ℓV8を開発している。その後この4ℓV8は大々的に改良されて、ザイテックLMP1カーに搭載されて活躍した。近年では、史上初めて成功したGZ09HSハイブリッドカーに組み合わせられて活躍したことでも記憶に新しい。
 つまり、優秀かつ高い信頼性を誇るエンジンであるのは間違いないだろう。

 また、何時変更になったか?判らないが、元々500馬力+αと言われていたエンジン出力は、何時の間にか600馬力にパワーアップされている。FIA自身LMP1に近い速さを実現する、と述べているが、LMP1Lとの差は大きく縮まる。
 現在LMP1Lが、LMP1Hと同じ速さで走るには850馬力が必要と言われており、今後LMP1Lが存続するのであれば、急激にパワーアップすると考えられている。この状況を考慮したパワーアップと判断すべきだろうが、LMP2が100馬力もパワーアップすることによって、ますますLMP1Lの立場は薄れてきた。

9月10日
●アウディもメルセデスとBMWと共にGT3の上限価格維持に賛同、2016年R8LMS GT3は驚異の4,850万円!

Photo:Audi AG

 既に何度か掲載した様に、メルセデス、BMW、アウディのドイツ3メーカーは、1年前に崩壊したと考えられたGT3の上限価格の概念を維持する方針と噂されていた。どうやら、この噂は事実であるようだ。

 簡単に背景を説明すると、元々GT3カーは、販売価格に上限を設けて、安価なスポーティカーは大きく手を加えて速さを追求を認める一方、元々高性能なスーパーカーは、高価であることから、ほんの少ししか手を加えることが出来ないため、結果として同程度の速さを可能とする仕組みだった。2006年に現在の統一したGT3のルールが施行された後、1度上限価格は値上げされたが、それでも35万ユーロ(現在のレートで約4,700万円)だった。しかし、GT3カーの上限価格は、ハッキリとレギュレーションで決められたものでなく、メーカー間の約束だった。そのため、簡単に「西ヨーロッパにおける価格」と決められただけで、VAT(消費税に相当)や輸送代金、さらにオプションパーツ等の取り扱いについては、何も決められてなかった。

 レギュレーションで決められたものでないことから、2年前ベントレーは約6,800万円の値段でベントレーGT3を発売した。その後約6,200万円のマクラーレンが続いて、GT3の上限価格を設定するガイドラインは崩壊したと思われた。

 ところが、ベントレーやマクラーレンによる「出来る限り高く売りたい」と言う考えに真っ向から叛旗を掲げたのが、メルセデスを中心とするドイツの3つのメーカー達だった。メルセデス、BMW、アウディの3つのメーカーは、GT3を「カスタマースポーツ」と名付けて、メーカーによる関与を避けている。しかも彼らが作って販売しているGT3カーは、現在世界中のGTレースの中心として活躍している。この3つのメーカーが、従来のGT3カーの上限価格を維持するのであれば、ベントレーやマクラーレンの企みは失敗すると思われた。しかし、ドイツのメーカー達の間で話し合いはスムーズに進まなかったようだ。

 メルセデス、BMW、アウディと共に、ポルシェも上限価格のガイドラインを維持するグループに属すると考えられていた。ポルシェは、昨年約6,200万円の価格の991GT3Rを公表したが、たった3ヵ月で計画をキャンセルしたため、他の3つのメーカーのグループに再加入したと思われたが、結局、今年5月に約5,800万円の値段の、少々値段を下げた2つ目の991GT3Rを発表して、メルセデス、BMW、アウディによるGT3の上限価格を維持するグループから完全に脱退した。

Photo:Audi AG

 2016年FIAは新しいGT3のルールを施行する予定だ。正確に表現するのであれば、2016年ルールでもハッキリとした改造範囲等は示されないため、新しいGT3の概念を施行する。当方は、2年前から2016年のGT3について、調べているが、その最初の段階から、ドイツの3つのメーカーは、その総てが「多少の値上げは避けられない」と述べていた。しかし、あくまでも多少の値上げであって、ベントレーの様に、いきなり従来より40%も高い2,000万円も値上げする考えはなかった。2年前ベントレーが値段を公表した際、メルセデスは「カスタマースポーツとは違うカテゴリーのクルマ」と発言して、不快感を表現した。

 7月メルセデスは、2016年のAMG GT3の価格を約5,000万円と発表した。しかし、メルセデスが発表した際、他のメーカーとの間でハッキリと上限価格が決まってなかったらしく、他の2つのメーカーは混乱したようだが、8月にBMWは、2016年のM6 GT3の価格を、こちらも約5,000万円と公表した。残りはアウディだが、昨日アウディは2016年のR8LMS GT3の基本価格を4,850万円(35万9,000ユーロ、VAT抜き)と発表した。事実上従来と同等の価格であるため、驚きのバーゲンセールだ。アウディによると、最初に必要なパーツを含んでも約5,400万円(39万8,000ユーロ、VAT抜き)と、驚異的な低価格を公表した。

 GT3は性能調整によって、速さをコントロールするカテゴリーであるため、ベントレーより約2,000万円も安いメルセデス等が遅い訳ではない。しかも、メルセデスはエンジンマイレッジを驚異的な20,000kmと公表していることでも判る様に、これら3つのメーカーの2016年GT3カーは、従来のGT3カーより大きくランギングコストが低下すると予想されている。
 噂によると、既にメルセデスは、70台近いオーダーを受けているらしいが、アウディは、9月21日から2016年R8LMS GT3の注文を受け付け、45台までであれば、来年3月までにデリバリー可能と述べている。
 どうやら、これらの3つのメーカーのGT3カーが、2016年のガイドラインとなるのは間違いないようだ。
*注:Sports-Car Racing Vol.21のGT3特集を参照してください

8月17日
●BMWの次期GT3マシンM6は、メルセデスと同じ5,000万円! やっぱり?

Photo:BMW AG

 昨年末BMWは、2016年にM6をベースとした次期GT3マシンを販売することを公表した。その後あちこちのイベントでM6 GT3カーのテストカーを公開したが、詳細については口を濁していた。その大きな理由は価格だった。
 元々GT3カーは、ある程度改造範囲を無制限とする代わり、販売価格の上限を設定していた。少なくとも2014年まで約4,600万円(*2015年の為替レート)に設定していた。何もしなくても、レーシングカーに匹敵するスーパーカーは、高価であるため、大きな改造を行うことはできないが、安価なスポーティカーは、多くの改造を施して、速さを追求出来る仕組みだった。

 この上限価格は、レギュレーションで規定されたものでなく、あくまでもメーカー間の紳士協定だった。そのため、非常に曖昧な内容で、ヨーロッパにおけるクルマ本体の上限価格を設定しただけで、VATを含むか?そしてシッピング代金やオプションパーツ等の項目はなかった。それでも2013年まで、この曖昧な紳士協定は上手く機能していた。ところが、あくまでも紳士協定であってレギュレーションで規定したものでないことから、2014年ベントレーとマクラーレンは、紳士協定で決めた上限価格を大きく超える高価なGT3カーを販売した。マクラーレンは約6,200万円、ベントレーに至っては6,800万円だ。
 マクラーレンとベントレーが、上限価格を無視したことによって、既存のGT3カーのメーカーは大混乱に陥った。

 2014年真っ先にポルシェは、約6,200万円の次期991GT3Rプランを公表した。2014年の991GT3Rは、GTEカーのWウィッシュボーンフロントサスペンションを移植した意欲作だったが、ちょうど同じ頃ウクライナ情勢が悪化して、投資家の財布の紐が固くなったため、ポルシェは、たった3ヶ月で6,200万円の991GT3Rプロジェクトをキャンセルした。

 その頃メルセデス、BMW、アウディの3つのメーカーは、崩壊したかと思われたGT3カーの上限価格を再確認するための話し合いを行っている。5月まで当方は、てっきり、この話し合いのメンバーにポルシェも加わっていると考えていた。しかし、今年5月、再度ポルシェが発表した991GT3Rの価格は、多少安くなったが、それでも約5,800万円で、非常に高価だった。
 どうやら、ポルシェは、上限価格を維持するグループから離れてしまったようだ。

Photo: Daimler AG

 メルセデスやBMWから漏れ伝わってくる情報と大きく違うため、当方も右往左往させられたが、残るドイツの3つのメーカーは、上限価格の維持を約束していたようだ。しかし、その価格については、各々のメーカーが違う意見を持っていたらしい。
 1ヶ月前メルセデスは、2016年のAMG GT3カーを発表して、その価格を約5,000万円と公表した。2014年までと比べて約400万円高くなったが、充分正常進化として納得できる値上げ幅だった。しかも、メルセデスは、2016年のGT3カーのエンジンマイレッジが20,000kmであることを公表した。従来モデルでさえ、メルセデスのGT3カーのエンジンマイレッジは12,000kmもあって、1年間エンジンをオーバーホールする必要がなかった。それが約2倍に延ばされるのであるから、実質的には値下げだった。

 しかし、メルセデスが2016年のAMG GT3カーを発表した時、他のメーカーとの間で、上限価格は正式に決まってなかったようだ。メルセデスが発表してしまった5,000万円は、その頃プランの1つであったらしい。
 どう考えても、新たな上限価格も紳士協定と考えられることから、今後も他の2つのメーカーが、2016年のGT3カーを発表しない限り、本当に上限価格の約束が決定されたか?少々不安な状況だった。
 実際BMWは、メルセデスが5,000万円の販売価格を発表した時、少々困惑していた。

 しかし、先週BMWは、9月15日に2016年のBMW M6 GT3を発表することを公表して、販売価格をメルセデスと同等の約5,000万円(37万9,000ユーロ)とすることを公表した。どうやら、メルセデスとBMWは、上限価格を5,000万円とすること約束したようだ。残りはアウディだが、もし、アウディが2016年R8の価格を5,000万円と発表したら、全世界のGT3カーの大半の価格が5,000万円となることから、ベントレーやマクラーレンは、立場が無くなってしまう。
 実際、現時点でもメルセデスへは、世界中から大量のAMG GTの注文が舞い込んでいるらしい。

 また、メルセデスがエンジンマイレッジを20,000kmと発表したように、メルセデスやBMWは、2016年GT3に対して、ロードカー並みの耐久性を持つ、非常に金の掛からないクルマとして開発している。エンジン出力は580~590馬力、車重は1,300kgであるから、一見従来のGT3カーと速さは変わらない様に思えるが、7月にメルセデスが2016年AMG GT3をVLNにテスト参戦させた時明らかになった様に、従来のGT3カーより少々ロードカー的なクルマと位置付けされている。

 もしかしたら、従来のGT3カーより遅いこともあるだろう。北アメリカのTUSC(旧ALMS)のGTDクラスには、ポルシェカレラカップカーをベースとした991GTアメリカが参戦している。4リットルエンジンを搭載し、タイヤの大きさもGTEカーやGT3カーと事実上同じだが、オーバーフェンダーを持たない等、見た目はカレラカップカーと変わらない。価格もGT3カーの2/3の3,000万円以下と非常にリーズナブルだが、速さはGT3カーと大きく変わらない。

 5月にポルシェが5,800万円の新制991GT3Rを発表した後、7月にポルシェはわざわざ最初の2台を北アメリカのアレックス・ジョブが注文したことを公表している。そこで先週北米ポルシェに対して、今後のGTアメリカの使い方を質問してみたところ、「多くのGTアメリカユーザーは、このままGTアメリカを走らせることを希望している」と回答してくれた。新しい991GT3Rについては、現在セールスの段階と前置きして、答えてくれなかった。わざわざ最初の2台の注文を公表したくらいであるから、5,800万円の高価な991GT3Rの売れ行きは芳しくないのだろう。北アメリカにおけるポルシェの大きなライバルはメルセデスやBMWであるため、メルセデスやBMWに客を奪われるくらいなら、自前のGTアメリカを維持したい、と言う苦しい事情もあるだろう。

 また、FIAとACOは、現在でもGT3カーをベースとして、GTEカーの様な純レーシングカー的なコンセプトを導入したGTプラス構想を推進している。残念ながら、フォードがGTEクラスへの参戦を発表したため、2017年と考えられたGTプラスの成立は、実現するとしても、2018年より前は到底不可能な状況となったが、メルセデスやBMWの本音は、ジェントルマンが走らせるGT3と限りなくファクトリーチームに近いプロチームが走らせるGTプラスの2本立てであるのは変わらないように思える。
*注:Sports-Car Racing Vol.21を参照してください

7月10日
●2017年LMP2の4つのコンストラクター決定

Photo:Sports-Car Racing

 2017年からLMP2は、新しいルールに移行する。シャシー本体は、現行のLMP1と同じ幅1.9mで、同様に幅14インチのタイヤを履く。現在のLMP2やLMP1との最も大きな違いは、コンストラクターが4つに制限されることだ。
 2017年のLMP2コンストラクターの申請締め切りは、1ヶ月前の6月11日だった。その後申請資料の確認と2回の審議を経て、7月8日FIA、ACO、そしてIMSAは、2017年以降の4つのLMP2コンストラクターを決定した。選ばれた4つのLMP2コンストラクターは、ダラーラ、ORECA、オンローク、そしてライリーとマルチマチックのジョイントチームだ。

 全世界のルマンカテゴリーでサービスすることが求められるため、既に2017年カーのベースとなるクルマを作っているORECAやオンローク、量産レーシングカーコンストラクター最大手のダラーラは、立候補するのであれば当確と考えられていたが、ライリーとマルチマチックのジョイントチームの登場は驚いた方も多いだろう。ライリーは、1980年代IMSAでNPTIニッサンやイーグル-トヨタと優勝争いを展開したシボレーGTPを開発した。その後ライリー&スコット時代、MKⅢによって、北アメリカの“屋根無し”のプロトタイプカーのレースを席巻した。残念ながら、後継モデルの開発に失敗して衰退してしまった。

 カナダのマルチマチックは、元々自動車部品メーカーで、モータースポーツの世界でも、20年程前からサスペンション開発の専門メーカーとして知られていた。LMPカーの世界では、2000年パノスのフロントエンジンLMPカーのプロペラシャフトの振動問題を解決したのを切っ掛けとして、第二世代のLMP07の改良に取り組んでいる。その頃ルマン制覇を目論んだチームゴウが雇ったエンジニアも、マルチマチック出身だった。しかも、当時からマルチマチックは、ローラのサスペンション開発を行っていた。母体が大きいため、ローラが崩壊した際主要な債権者として、マルチマチックはローラの多くを引き継いだ。

Photo:Sports-Car Racing

 ライリーとマルチマチックは、それぞれ単独でも、2017年のLMP2コンストラクターとして立候補しようとしていた。ルールではないが、ACOとIMSAは、4つのコンストラクターの内1つを北アメリカのコンストラクターとする意向を示していた。しかし、その1枠に2つのコンストラクターが立候補しようとしていたことから、慎重に調整に取り組んでいたようだ。
 最終的にライリーとマルチマチックのジョイントチームが立候補することとなったようだ。
 当方はマルチマチックからのコメントした得られなかったが、彼らの2017年LMP2カーの開発は、旧ローラとマルチマチックが中心となって行うと言うが、どこにライリーが関わるのか?判らない。ライリーは販売に関わるのだろうか?

 選ばれた4つのコンストラクターは、2016年1月1日までにモノコックと構造の安全性の認可、4月1日までにはボディワークとメカニカルコンポーネンツの認可、6月1日までにはクラッシュテストの認可、9月1日にはホモロゲイションシートをプレゼンテイションしなければならない。12月1日から15日の間に最後の確認と認証を得なければならない。

7月9日
●2016年のAMG GT3は5,000万円 エンジンマイレッジは何と20,000km!

Photo:Mercedes-AMG GmbH

 5年前メルセデスが売り出したSLS AMG GT3は成功作だった。現在でも、トップクラスの速さを発揮しているだけでなく、6.3リットルの巨大なV8は、多少ギア比がマッチしなくても、充分な速さを発揮する一方、12,000kmと言うロードカー並に長いエンジンマイレッジを誇った。SLS AMG GT3は「カスタマースポーツ」のGT3にとって最良のマシンで105台がデリバリーされた。

 2009年GT3に参入するメーカー達は、3年間大々的な改良を行わないことを約束した。曖昧な販売上限価格と同様、3年間大々的な改良の禁止する項目についても、あくまでも約束であってレギュレーションによって規定されたものではない。しかし、ドイツの4メーカーを中心としたトップレベルのメーカー達は、この約束を遵守した。2010年にR8LMS GT3を販売したアウディは、2013年まで改良モデルを作らなかったし、2011年に997GT3Rを販売したポルシェも、改良モデルを登場させたのは2013年だ。2011年SLS AMG GT3を販売したメルセデスに至っては、2015年まで、基本的に同じクルマを作り続けた。

 大きくメルセデスのモデルチェンジが遅れたには大きな理由があった。
 元々GT3カーは、販売価格の上限を設定することによって、安価なスポーティカーと高価なスーパーカーの速さを整えていた。最初30万ユーロだった上限価格は、3年間大々的な改良を禁止する約束を交わした際35万ユーロにアップされていた。
 ところが、2013年頃からGT3人気に目を付けた幾つかのメーカーが、上限価格の撤廃が求められた。元々この時点で35万ユーロ(約4,600万円)だった上限価格はルールでなく約束であったことから、大きな混乱はなかった。

 2014年ベントレーが6,700万円でベントレーGT3を発売した。続いてマクラーレンが650Sを6,200万円で、ポルシェがWウィッシュボーンサスペンション付きの991GT3Rを6,000万円で販売すると公表したため、上限価格の約束は崩壊したと思われた。
 ところが、その頃ヨーロッパではウクライナ情勢が急変した。EUの制裁を受けたロシアは当然ながら、ヨーロッパでは大きな投資を避けるようになった。高価なクルマの販売にも大きく影響が出始めた。既に販売を開始していたベントレーとマクラーレンは変更なかったが、ポルシェは、たった3ヶ月で6,000万円の991GT3Rプロジェクトを撤回した。

 1年前我々は、GT3の上限価格が撤廃されたと判断した。その頃2016年の施行を目指して、新しいGT3の概念についての話し合いが行われていた。元々GT3にはテクニカルレギュレーションに改造規定が存在しない。そのため、新しいレギュレーションと言うより、新たなGT3の概念を構築する話し合いが行われていたようだ。残念ながら、現在我々は、2016年のGT3の概念の総ての内容を知ることは出来ないが、アップデイトモデルを作る際の変更方法を除くと、大きな違いはないようだ。

 問題は、従来もメーカー間の約束に過ぎなかった販売価格の上限ついてだが、残念ながら、正確には判らない。しかし、既に幾つかのメーカーが6,000万円を超えるGT3カーを販売しているように、GT3に参入する総てのメーカーが、上限価格の設定に前向きではないようだ。つまり、上限価格を設定無視したメーカーも存在する。

このような状況であったことから、メルセデスはモデルチェンジや発展型の販売を行えなかった。
 半年前メルセデスは、2016年に新しいAMG GT3を販売することを発表した。販売は2016年だが、アウディとBMWも、新しいGT3カーを発表して、既にアウディはニュルブルクリンク24時間の実戦で走らせている。同じニュルブルクリンク24時間では、ポルシェが、一旦キャンセルした991GT3Rの改良バージョンを発表した。ところが、新たに発表された991GT3Rの価格は、1年前にキャンセルされたモデルと大きく変わらない約5,800万円だった。しかも、高価な値段にも関わらず、1年前にキャンセルされた991GT3Rと違って、サスペンションはロードカーと同じマクファーソンストラットだった。

Photo:Mercedes-AMG GmbH

 ポルシェが値段を発表したため、2016年のGT3カーは6,000万円程度がボーダーラインと考えられるようになった。落胆したスポーツカーファンも多かったかもしれない。ところが、先週末ニュルブルクリンクでAMG GT3をテスト参戦させたメルセデスは、2016年に販売するAMG GT3の基本価格を約5,000万円(37万2,000ユーロ)と発表した。従来モデルより400万円高いだけでなく、メルセデスは、ポルシェ991GT3Rを実戦状態に仕立てると47万ユーロであるため、100,000ユーロ安いと主張した。
 従来モデルでさえ12,000kmもあったエンジンマイレッジが20,000km(20,500km)まで延びたことも発表した。
 従来モデルの12,000kmでさえ、ライバル達より2倍で、ほとんどの場合1年間オーバーホールが不要だったが、エンジンのオーバーホールは500万円以上の費用が必要であるため、実質的には価格が下がっているとも述べた。

 AMG GT3が、ライバル達と同じ速さで走るのであれば、メルセデスは驚異的な数の注文を集めそうだが、メルセデスは、従来のSLS AMG GT3の多くが、ヨーロッパにデリバリーされ、それ以外は日本とアジアで販売されただけだったのに対して、北アメリカでの販売を目論んでいるようだ。半年前メルセデスは、初年度のデリバリー数を32台以下と述べたが、どうやら、初年度に最低でも50台、もしかしたら、ポルシェのカレラカップカーの様に70台以上が販売されるかもしれない。

*注:Sports-Car Racing Vol.21のGT3特集を参照して下さい

6月11日
●2017年のLMP2のコンストラクター申請締め切り 2017年LMP2カーの全幅は1.9m!

Photo:Sports-Car Racing

 LMP2は、2017年から、コンストラクターを4つ、エンジンビルダーを1つに制限する。昨日10日が、コンストラクター申請の最初の締め切りだった。最初に、と言う理由は、同時にプロジェクトの内容を説明する資料を添付すると共に、手数料として15,000ユーロ納入することが求められているため、これらの手続きの不備を訂正した最終期限を1週間後の17日に設定しているからだ。
 22位置と23日に、4つのコンストラクターを選択するミーティングがパリで行われ、7月8日に発表される予定だ。

 最新の情報によると(あくまでも噂だが)、ORECA、OAK(オンローク)、ライリーの3つが有力で、キチント申請を行ったようだ。残りの1枠は、LNT(ジネッタ)と噂されている。コンストラクターにとってLMP2は人気であるようで、計9つのコンストラクターが、少なくともFIAと話し合いを行っているようだ。最有力と思われたダラーラは、2日前ドキュメントを送ったことだけを公表した。BRも申請したようだ。シャシーコンストラクターとエンジンビルダーを別とすることが決まったことから、HPDは申請を諦めたと考えられている。有力候補と考えられたギブソン(旧ザイテック)は申請しないと思われたが、今日ビル・ギブソンは、申請の是非について「ノーコメント」と発言しているため、もしかしたら、申請したかもしれない。

 エンジンビルダーの締め切りは1ヶ月後だが、有力候補は何とメカクロームと噂されている。シャシーコンストラクターとエンジンビルダーの2つの選択を迫られているHPDは、エンジンビルダーの可能性がゼロではないと発言した。現在ニッサンLMP2エンジンは、ギブソンとORECAの2つのエンジンビルダーが作っているが、ORECAはシャシーコンストラクターを選択したため、エンジンビルダーの申請は行わない。ギブソンはエンジンについても、発言を濁している。ギブソンは、現在、最有力のLMP2エンジンビルダーであるため、ビル・ギブソンは、慎重にFIAと話し合っているのだろう。

 2017年のLMP2カーは、予想通りLMP1同様幅1.9mとなる。タイヤ幅も14インチだ。つまり、現在のLMP1と変わらない。現在のLMP2カーは幅2mであるため、2016年までしか走ることは出来ない。今日ACOは恒例のプレスコンファレンスが行われ、終了後現在の幅2mのLMP2カーを混走させる質問が出されたが、基本的にACOは、完全にルールを変更したいようだ。

 ところで、既に2017年LMP2カーは走っている。昨年秋ORECAが発売した05LMP2カーは、レベリオンOne LMP1カーをベースとして作られた。レベリオンOne LMP1カーは、もちろん幅が1.9mであるため、サスペンションとボディワークだけを変更して幅2mとしているようだ。もちろん、2017年に新しいLMP2レギュレーションが施行された際、幅を1.9mに戻すのだろう。

6月8日
●2015/2016年AsianLMSカレンダー変更 中国から撤退 今後日本へ! 


 先週金曜日ACOは、AsianLMSのカレンダー変更を発表した。それまで発表されていたカレンダーは、昨年マーク・トーマスのS2Mが作成したものをベースとしており、ACOが上海のS2Mとの契約を打ち切った後も、一部のカレンダーが残っていた。その一部とは、S2Mの地元の上海で行われるレースだった。このレースはWECの前座で行われ、イベントプロモーターのS2MはFIAと綿密に連絡を取り合ってイベントのカレンダーは作っただろう。しかし、ACOがS2Mを見捨てただけでなく、習近平体制の現在の中国において、利権を取り扱う団体は、従来の様に勝手に判断を下せる状況ではないらしい。

 当方に状況を説明してくれた人物の表現自体、「S2Mは勝手に判断を下せない」と言う。この曖昧な表現を見るだけでも、従来S2Mが行ってきた仕事が予想出来てしまうが、ACOは、唯一残ったS2Mのテリトリーを捨てて、中国から離れる決心を行った。
 中国から撤退したACOは、新たにマレーシアのセパンのイベントを増やした。
 この点について、当方は納得出来なかった。昨年6月、マーク・トーマスのS2Mが滅茶苦茶な状況に陥っていた時、手を差し延べたのは日本だ。その時日本人は、「アジアにおいて、プロフェッショナルなレーシングチームの95%は日本に存在する」として、富士以外に、岡山とSUGOの2つのサーキットとの交渉を勧めている。

 もちろん、当時、この話を行ったのはS2Mのマーク・トーマスであってACOではない。この時の話し合いの内容を尊重するだけでなく、そして、昨年のAsianLMSの散々な状況を見るまでもなく、少なくとも日本でのイベントを増やさなければ、参加するレーシングチームを確保出来ないことは明かだ。であるから、当方は非常に納得出来なかった。

 今日、彼方此方に連絡したところ、ほんの少しだけ状況が判明した。4月に以前のカレンダーを発表した後も、ACOは、日本の何人かの関係者と話し合っているようだ。その中に岡山やSUGOの関係者が居たことは確認出来ないが、その頃ACOが望んでいたAsianLMSのプランは、10月に富士で開幕して、上海を撤廃しても、その後1月にマレーシアでレースを行うことだった。そのためには、遅くとも12月始めまでに日本でレースを行わなければならないが、12月に日本でレースを行うのは現実的ではない。 岡山とSUGOに直接確認していないため、又聞きとなってしまうが、10月から11月始めまでの岡山やSUGOのスケジュールには空きがなかったらしい。結果として、11月始めにスケジュールに空きがあったマレーシアのセパンでの開催を決定した。

 結果として、富士で開幕戦を行った後、GTアジアの様にマレーシアのセパンにクルマと機材を送って、その後マレーシアでレースを行った後、マレーシアからタイへ遠征することとなる。来月日本へやって来るGTアジアのデビッド・ソネンシャーに確認してみるが、たぶん、このシステムのノウハウを提供したのは、デビッドだろう。

 アーリーバードと言うヨーロッパの習慣を知っているだろうか? 一般的には、何らかの申し込み手続きにおいて、最終的な期日よりも前に、早期の締め切り日を設けて、その早期の締め切り日前に手続きを行うことによって、申し込みの費用が割安となる習慣だ。モータースポーツの場合、一般的に年間エントリーの締め切りにおいて、使われている。2015/2016年AsianLMSの年間エントリーの締め切りは8月15日だが、6月22日をアーリーバードとして、割安のエントリーフィーとなる。

2015-2016年AsianLMS
10月10-11日 富士(JPN) 2h
11月7-8日 セパン(MYS) 3h
1月8-10日 ブリナム(THA) 3h *2016
1月23-24日 セパン(MYS) 3h *2016

6月8日
●2015年ルマン24時間レースウィークスタート アウディはガソリンエンジンを開発中!

Photo:Sports-Car Racing

 いよいよ、205年のルマン24時間レースのレースウィークが始まった。最初の2日間は、ルマン市内のパブリック広場で行われる公開車検だ。1番最初に登場したのは、昨年開発が長引いて、エントリーをキャンセルしたストラッカ童夢S103だった。1日目の目玉は、現在のルマンで連勝中のアウディと、久しぶりにルマンへ、しかもFFマシンによって登場したニッサンだ。

 アウディは、最近過去のルマン優勝マシンを積極的に公開していたため、今年WECとルマンで勝って、スポーツカーレースのトップカテゴリーから撤退するとの噂が流れていたが、この噂は事実ではないようだ。

 アウディが、排出ガス浄化の点で大きな問題となっているディーゼルエンジンを使うことから、2014年以降の現在のLMP1Hの2つの目的である、地球温暖化の抑制と大気汚染の改善について、FIAは後者の大気汚染の改善について、事実上諦めている。バイオ(エタノール)10%含有ディーゼル燃料の導入によって、お茶を濁さなければならなかった。

 しかし、昨年12月パリ市長が、「2020年にはパリからディーゼルエンジンを締め出す」と宣言したことによって、アウディは最後通告を突きつけられたカタチとなった。もはや、アウディを野放しにしておくことは出来なくなった。

Photo:Sports-Car Racing

 現在のLMP1Hのルールは、どのような燃料を使っても、発生可能なエネルギーの熱効率を同一とすることをテーマとしている。もちろんガソリンよりディーゼル燃料の方が熱価が大きく熱効率も高い。しかし、排出ガスを浄化するには、アウディが装着をアピールするパティキュレートフィルターだけではPMを吸着するだけで、不十分だ。しかも、アウディのLMP1カーのパティキュレートフィルターは、詰まったPMを排除するためのシステムを持たないため、非常に目が粗く、昼間、加速状態で、排出しないハズの黒煙を吐いている。

 ロードカーでEuro6で義務付けられたレベルの排出ガス浄化をLMP1Hでも義務付けた場合、ディーゼルエンジンが実際に発生可能なエネルギーはガソリンエンジンと同等となると考えられている。そのため、アウディのチャレンジに期待されていたが、現在アウディは、ガソリンエンジンの開発に取りかかっているようだ。それ以上の内容は判らない。開発に取りかかっているだけで、実際に使用するとは限らないし、噂通り撤退するかもしれない。
 Sports-Car Racing Vol.21の「21世紀に蘇ったグループC」特集において、現在のLMP1Hについて、詳しくレポートしました。

Photo:Sports-Car Racing

6月6日
●GT3の上限価格の値上げ決定

Photo:Porsche AG

 2006年正式にFIA GT3は誕生した。GT3は画期的なスポーツカーレースだった。何が画期的だったか?と言うと、様々なスポーツカーを参加させるため、性能をコントロールする理論的なテクニカルレギュレーションを設けなかったことだ。現在のGTレースの様に、排気量の大きさに応じて装着を義務付けるリストリクターやターボエンジンのブースト圧等の制限はなかった。速さのコントロールは、速さを司る、エンジン出力、車重、空力性能等にガイドラインを設定して、メーカーやコンストラクターに、そのガイドラインの範囲となる様、クルマを作ることを求めた。

 もちろん、レーシングカーと変わらない高価なスーパースポーツカーは、ほとんど手を加えなくても、容易にガイドラインを達成することが出来るだろう。逆にエンジン出力等一部の性能を引き下げて、ガイドライン内にクルマを仕立てる場合もあるだろう。元のクルマは高価でも、新たに必要なコストは小さい。
 逆にファミリーセダンをベースとした安価なスポーティカーは、様々な部分に手を加えなければ、ガイドラインの範囲でクルマを仕立てることは出来ない。エンジンを載せ替える場合もあるだろう。そのため、安価なスポーティカーをベースとしても、ガイドラインの範囲を実現すると、大きなコストが必要となってしまう。

Photo:Daimler

 そこでFIA GT3は、販売する際の上限価格をルールに盛り込もうとした。残念ながら、世界中の何処で買っても同じ価格とするのは難しいことから、ヨーロッパにおける販売価格の上限を約束しただけとなった。2006年の場合上限価格を30万ユーロ(約4,200万円)に設定したが、日本の消費税に相当するVATやオプションパーツの有無等も曖昧だったことから、最大で1,000万円以上の価格差が出るため、同じ国で、同じ条件で購入した場合の約束だった。
 2011年に上限価格は35万ユーロ(約4,700万円)に変更された。曖昧な約束であることは変わらなかった。

 2009年にアウディがGT3に参入した後、2010年にポルシェがGT3専用マシンの997GT3Rを、BMWがZ4GT3を販売した。2011年になると、プライベートチームの活動に見向きもしなかったメルセデスもSLS AMG GT3でGT3に参入した。GT3に参入したドイツの4メーカーの提案で、2012年から3年間大幅なアップデイトを禁止する約束も結ばれた。もちろん、これも約束だ。

 ところが、その後、ロードカーの重量が2.3トンもあるベントレーコンチネンタルがGT3への参入を望んだ。最低1トン軽量しなければならない。GT3はテクニカルレギュレーションが存在しないことから、金をかければ、ベントレーに見える1.3トンのGT3レースカーを作るのは不可能でない。しかし、ベントレーコンチネンタルのロードカーの値段は2,000万円以上であるから、到底4,700万円で販売することは出来ない。その結果、GT3カーの上限価格を改訂する話し合いが行われるようになった。
 まだルール施行前であるため、我々も詳しいルールの内容は判らないが、2016年に施行される新しいGT3のレギュレーションにおいて、GT3の上限価格のルールの改訂が盛り込まれているようだ。

 既に昨年末世界中のミリオネラに向けて、ベントレーGT3は発売されたが、価格は何と6,600万円以上だ。スペアパーツの価格も、従来のGT3カーの1.5倍から2倍と大幅に値上げされている。
 Sports-Car Racing Vol.21のGT3特集において、GT3の正体について、詳しくレポートしました。

Photo:Bentley Motors

5月29日
●Sports-Car Racing Vol.21発行


 Sports-Car Racing Vol.21を発行いたします。現在やっと校正が終了する段階までこぎ着けました。10日頃各店舗へ向けて発送予定です。ぎりぎりルマンの決勝レースに間に合うか?と言ったところです。
 Vol.21は、スポーツカーレースにとって重要な3つの大きな特集によって構成しました。1つは956/962ストーリー3回目、956完結編です。956は1980年代のグループCカテゴリーにおける最初の成功者でした。今回は、いよいよ華やかなカスタマー956が登場します。最先端の開発を行うファクトリーチームのストーリーだけでなく、ワークスチームでは出来ない、柔軟な戦略を駆使して活躍するカスタマー956活躍のストーリーをご覧ください。
 2つ目の特集は、この本が発行される頃行われているルマンのトップカテゴリーLMP1Hの物語です。現在のLMP1Hは、21世紀に蘇ったグループCそのものです。LMP1Hが誕生するまでのストーリーと、LMP1Hで成功する方程式の物語をご覧ください。
 そして、もう1つの大特集は、現在のスポーツカーレースの基盤となっているGT3の物語です。ルールが存在しないと思われているGT3ですが、実は厳格なルールに基づいてマシンは作られ、しかも、厳格な性能チェックを行った上でGT3カーのレースは行われています。華やかなGT3の正体を追求します。

価格:2,300円(+税)
ISBN4-925254-16-8

*価格が変更になっています。また、急いで手に入れたい方は、当方へ直接申し込まないで、自動車書籍に力を入れている既存の販売店から購入された方が、早く手に入れることが可能です。下記を参考にして下さい。
http://www.sports-carracing.net/shop/shop.htm



■956/962ストーリーPart3 956完結編
 いよいよ956完結編です。あまりにも多くのストーリーが存在するため、今回5つのパートに分け、出来る限り完全な956のストーリーを目指しました。


Chapter.1 Porsche GroupC vs Lancia Group6


 ルマンで優勝した956にとって、最大のライバルはランチアのグループ6でした。1982年FISAは、WECのメーカータイトルをグループBとCのクルマにのみ与えました。しかし、エントリーを確保するため、FISAは排気量2リットル以下のグループ6の参加を許しました。つまり、グループ6でWECに参加してもドライバータイトルの対象としかなりません。しかし、グループ6の最低車重はたった600kgです。グループCの最低車重は800kgですから、グループ6は、たった2リットルでも速さと燃費の両方で大きなアドバンテージを持っていました。しかも、FISAは6時間レースを1000kmと同じと判断して、6時間レースに対して1000kmレースと同じ600リットルの燃料制限を行いました。956のデビューレースだった5月のシルバーストーン6時間の際、956は1000km以上レースをリードして、最終的に1100kmも走りましたが、ランチアのグループ6は、それ以上走って優勝しました。


 ポルシェにとって、6時間レースでランチアのグループ6に勝つことが、大きなテーマとなりました。
 6時間レースで勝つには、より良い燃費の実現が条件となります。ポルシェは燃費を向上させるポイントを、MP1.2モトロニックによるエンジンコントロールとしました。今日では当たり前ですが、エンジンの状況に合わせて、燃料や点火をコントロールするシステムは、この時代に生まれました。モトロニックによってコントロールする最初のレースエンジンはBMWのF1GPエンジンとポルシェのグループCエンジンです。MP1.2モトロニックによるエンジンコントロールを実現する物語を掲載しました。


 その6時間レースとは、10月に富士スピードウェイで行われたWEC富士6時間レースでした。富士スピードウェイは、1960年代人気を集めた後、第一次オイルショックによって観客を失いましたが、1980年代になって、再び大々的なスポーツカーレースの開催を目指していました。そして主催者のVICICはエントリーを集めるため、アメリカで参加者を募っていました。
 その頃FISAは、WECを本当の意味で世界選手権とするべく、自動車産業が盛んな日本での開催について、JAFに打診していました。ちょうど富士スピードウェイで大々的なスポーツカーレースを開催するため、VICICがアメリカで参加者を集めていたことから、程なくVICICの計画は富士スピードウェイでWECを開催することが決定しました。
 その結果、日本で絶対的なグループC人気が創出することとなりました。WEC富士が実現する物語と富士にやって来たポルシェのグループCとランチアのグループ6カーの戦いのストーリーをご覧ください。

Chapter.2 Development and Sale


 ポルシェは、販売することを前提として956を開発しました。たくさんのプライベートチームが956の購入を望みましたが、彼らの予想より、956の価格が高かったため、最初ポルシェは、なかなか注文を得ることが出来ませんでした。ポルシェは12台の販売を計画しましたが、1983年シーズン開幕前に販売された956は9台だけでした。ポルシェ自身が、TAGのF1GPエンジンの開発テストのため1台を買い、ルマン後オリジナルマシンの開発をあきらめたヴァルター・ブルン、そして松田コレクションが、残った2台を注文して、ポルシェは、やっと予定の12台を売り切りました。
 このプライベート956が、ワークスポルシェ相手にWECで活躍するだけでなく、その後日本のJSPC人気の牽引役となりました。総てのプライベートチームのストーリーの解明を目指しました。

 元々ポルシェは、細かなセッティングを不要とするMP1.2モトロニックを956カスタマーカーに採用することを前提としていました。しかし、MP1.2モトロニックの基本的なセッテイングを確立するのに時間を要して、1983年も基本的なセッティングを行わなければならない状況でした。1983年のカスタマー956にMP1.2モトロニックを採用したら、逆にポルシェとボッシュは、プライベートチームのサポートに苦労させられると予想されました。

 そこでポルシェは、1983年のカスタマー956に、1982年最初に956に積まれたクーゲルフィッシャーの機械式インジェクション付きの935/76エンジンを搭載しました。それでもポルシェは、プライベートチームが充分なセッティングを実現出来ないことを心配しました。1982年のワークス956が積んだ935/76の圧縮比が7.5:1でしたが、エンジンを保護するため7.5:1だけでなく低い7.2:1の圧縮比も選択可能としました。ほとんどのプライベートチームは7.2:1を選択しました。

 しかし、プライベートチームの思惑は、ポルシェの目論みとは少々違っていたようです。当時の、そして現在でも多くの記事は、カスタマーチームが低い7.2:1の圧縮比が不満だったと掲載していますが、このレポートは真実ではありません。多くのカスタマーチームは、低い7.2:1の圧縮比を歓迎しました。第一、ワークスチームと同じ7.5:1の圧縮比を選択することも可能ですから、7.5:1を望むのであれば、注文可能ですから、これらのレポートは、間違っています。そして、ほとんどのプライベートチームは、最初低い7.2:1の圧縮比を選択しました。
 彼らは、どうして、低い7.2:1の圧縮比を選択したのでしょうか?

 プライベートチームの中でも、ラインホルト・ヨーストは、独自にグループCで成功する方法を熟考して、より大きな出力が可能と判断していました。最初ヨーストも、7.2:1の圧縮比を選択しましたが、ポールリカールでテストを行った後、7.5:1でも充分なセッティングが可能と判断して、直ぐにマーレにピストンをオーダーして、エンジンを7.5:1に組み替えました。早くも1983年WEC開幕戦モンツァで、ヨーストの956が、ワークス956を破って優勝しました。

 カスタマーチームにクルマを販売するだけでなく、ポルシェは、956の開発に力を注ぎました。空力開発が進むにつれて、956最大の弱点と思われるようになったのはアンダーステアの操縦性でした。1983年ポルシェは新しいフロントサスペンションや0.5インチ幅広いフロントホイール、より大きなダウンフォースを発生するフロントカウル、そして、より俊敏なレスポンスを実現するため、1つのシリンダー毎2つのインジェクターを備えるエンジンを開発しました。

 またポルシェは、956のポテンシャルを引き出すため、1983年に新たなドライバーを採用しました。その人物がステファン・ベロフです。当時ベロフは、ミケーレ・アルボレートとアイルトン・セナと共に、注目の若手ドライバーでした。シルバーストーンでデビューしたベロフは、圧倒的な速さでグループCのデビューウインを飾りました。

Chapter.3 Development and Strategy


 956を開発した時、ポルシェはより大きな排気量の方が有利と判断しましたが、当時ちょうどIndy用の2.65リットルエンジンが存在していたため、そのエンジンをベースとしてグループCエンジンの開発が行われました。
 多くのプライベートチームが、より高いブースト圧を望んで7.2:1の低い圧縮比を選択しましたが、同時に彼らは排気量の拡大も目論みました。ドイツ国内で、燃費制限のないDRMが行われていたこともあって、935用の3リットルや3.2リットルの空冷エンジンに載せ替えるプランもありましたが、いくつかのレーシングチームは、956に積まれた水冷ヘッドの935/76エンジンのスケールアップを計画しました。1983年だけでもヨーストとフィッツパトリックが、エンジンをオーバーホールするのに合わせて、ストロークを延ばした3リットルエンジンを作りました。当時のフィッツパトリックのエンジニアを探し出して、ボアでなくストロークだけを延ばした3リットルエンジン開発のストーリーを掲載しました。

 フィッツパトリックは、WECやDRMだけでなく北アメリカへも956で進出しました。オイオイ本当か?と思った方も多いことでしょう。元々956は、ポルシェがグループCのルールを勝手に解釈した結果、ドライバーのつま先をフロント車軸の外側においてデザインされました。IMSAは厳格にドライバーのつま先がフロント車軸の内側に存在することを規定したため、956がIMSAで走ることは不可能です。ところが、ポルシェは956をIMSAで走らせることを目論んで、1983年のデイトナ24時間への参加を望むフィッツパトリックのため、一足早く956-102をデリバリーしました。このクルマに積まれたのが、IMSAのアルコール燃料を対象としたエンジンです。フィッツパトリックの北アメリカ進出計画のストーリーをご覧ください。


 ポルシェは、アンダーステア対策として、1983年新たに2種類の大ダウンフォースのフロントノーズを作りました。しかし、このノーズをプライベートチームに販売しなかったため、独自にフィッツパトリックは、大ダウンフォースノーズを作りました。今回の調査で、956には5つのノーズが存在することが判明しました。これらの5つのノーズをイラストにて解説致します。

 当時ウイングカーについての情報が乏しかったことから、1983年に956を買ったカスタマーチームの中で、最初からスプリントレース用のショートテイル(K)を買ったのはヨーストとフィッツパトリックだけです。残りのチームは、最初ルマン用として作られたロングテイル(LH)だけを注文しました。その内の1つが日本のトラストが買った956-108でした。超高速の富士スピードウェイで成功するには、ルマン用のロングテイルの方が適しているとの判断もあったようです。そのトラスト956は、1983年JSPCと富士ロングディスタンスシリーズで大活躍しただけでなく、WEC富士1000kmでは、ヨーロッパからやって来たレーシングチーム相手に大活躍を披露しました。トラストの最初の活躍のストーリーをご覧ください。

 本題と外れることから、TAGのF1GPエンジン開発に使われた956-107のストーリーについては、Sports-Car Racingとしては少々小さめとしました。

Chapter.4 956 vs 956


 つま先のルールの完全施行が決定したため、最初1985年限りで956は世界中のスポーツカーレースから閉め出されることが決定しました。1984年ポルシェ自身も、つま先をホイールベースの内側に備える962を開発しました。1984年の962は、IMSAへ参加するプライベートチームへ販売するため、ロードカー用を発展させた完全空冷の2バルブエンジンが積まれました。
 ポルシェは、962だけでなく、アンダーステアを削減する新しいフロントサスペンションや大きなダウンフォースを発生するフロントノーズ、そしてMP1.2モトロニックでコントロールする935/77エンジン等を盛り込んだ956Bスペックを発表しました。最初アップデイトパーツだけを販売する計画でしたが、その頃、1984年までに作られたクルマは、1985年末まで参加可能とするルールが施行されたため、多くのプライベートチームが956Bを注文しました。

 956Bが登場した時、ポルシェは、FISAとルールについて話し合っていました。元々FISAはグループC施行3年目に燃費のルールを厳しくすることを発表していました。ポルシェがMP1.2モトロニックの熟成に力を注いだ理由もここにありました。ところが、FISAが燃費ルールの強化を1年先延ばしにしたため、ポルシェはルマンのボイコットを決心しました。
 しかし、易々ランチアにルマンを勝たせることが無いよう、プライベートチームをテコ入れしました。RLR、フィッツパトリック、ヨーストの3チームを対象とした様ですが、最もポルシェが支援したのはRLRです。

 ヨーストは、MP1.2モトロニックの使用を拒否して、独自にクーゲルフィッシャーエンジンを熟成しました。この1年前ヨーストは、元ジャーナリストで敏腕マネージャーのドミンゴス・ピエダドを雇いました。ピエダドの手腕もあってヨーストが走らせた956B-117が1984年のルマンで優勝しました。しかし、レース序盤に大きく遅れる等、楽な戦いではなかったようです。
 ヨーストの最初の成功のストーリーをご覧ください。

 ルマンの直後ヨーストは、MP1.2モトロニックを開発するボッシュの支援を得ることが決まりました。直ぐにノリスリンクでEPROMを備える、新しいMP1.2モトロニックエンジンを搭載した956を走らせました。続くWECニュルブルクリンクにおいて、ピエダドはアイルトン・セナをチームに迎えることに成功しました。ピエダドは、元フィッティパルディで働き、2012年にペスカロロ童夢のエンジニアを務めたリカルド・ディビラとは旧知の仲です。
 敏腕で知られるヨーストの有能な参謀のストーリーをご覧ください。


 レース戦略を重視するヨーストに対してRLRは、独自にシャシーを開発することを決定しました。そうしてナイジェル・ストラウドによってGTi-106bシャシーが誕生しました。GTi-106bを開発する際、様々な空力開発を行いました。その結果GTi-106bがデビューする前ブランズハッチでRLRは優勝を飾りました。手堅い手法で作られた956と違って、ナイジェル・ストラウドのGTi-106bは、当時の最新の手法によってデザインされました。何と第二段階でRLRは、あのピーター・スティーブンスによるカタチのデザインまで目論んでいました。ナイジェル・ストラウド自身の協力によって、GTi-106bのストーリーを作成しました。

Chapter.5 The last 956 and 962C


 1985年FISAは予定通り、燃費規制を強化しました。1985年はランチアだけでなく、新たにTWRジャガーが参戦したため、ポルシェは、プライベートチームへのサポートを減らして、ワークスチーム専用の開発を行いました。新たにグループC用として962Cを開発して販売したため、ワークスチームの主力は962Cとなりました。ワークスチームの956や962Cは、ダンロップが独占的に供給する巨大な19インチホイールを使うタイヤを履きましたが、プライベートチームは従来通り16インチホイールのタイヤです。シーズン序盤グッドイヤータイヤを履くクレーマーの962Cが、ドライバータイトルだけのモンツァで優勝しましたが、純粋に速さを競い合うレースで、プライベートチームはワークスチームに歯が立たない状況となりました。

 しかし、ルマンではワークスチームも、空気量が多い16インチホイールのタイヤを使うため、再びヨーストがチャレンジしました。1985年ヨーストだけでなく、RLRも共同戦線を組んでワークスチームへ対抗しました。予想に反して、ヨーストとRLRがレースをリードして、ワークス962Cがプライベートチームを追いかけることとなりました。ボッシュのエンジニアの支援を受けたヨーストは、アクセルオフで燃料をカットするプログラムを使用した。その結果、ワークス962Cを引き離して、プライベートチームのヨーストの956B-117が、同一シャシーによる2連勝を達成しました。老練なヨーストの戦いをご覧ください。

 ルマンでヨーストが勝っても、タイヤの差は大きく、多くのプライベートチームが、ルマン終了後活動計画を見直しました。TWRジャガーがデビューしたWEC第6戦モスポートへは、クレーマーの2台だけがヨーロッパから遠征したプライベートチームでした。ところが、その1台、モンツァで優勝したマンフレッド・ヴィンケルホックの962-110がコンクリートウォールにクラッシュして、ヴィンケルホックが死亡するアクシデントが発生しました。
 フロント車軸の外側につま先が位置するだけでなく、アルミニウム製のロールバーを備える956と違って、それまで962Cは、ドライバーのつま先がホイールベースの内側に存在して、鉄製のロールバーを備えるため、安全と考えられていました。

 続くスパでも悲惨なアクシデントが発生しました。予選でジョナサン・パーマーがドライブするGTi-106bがクラッシュして、ジョナサン・パーマーは足を骨折してしまいました。決勝レースでは、トップ争いを行っていたステファン・ベロフのブルン956B-116がオウルージュでクラッシュして、アルミニウム製ロールバーが折れ曲がり、956B-116は完全に破壊されました。その直後火災も発生してステファン・ベロフは死亡しました。

 モスポートとスパの悲惨なアクシデントは、956と962の安全性に疑問が呈せられることとなりました。続いて行われたブランズハッチへは、1台も956と962Cのプライベートチームは参加しませんでした。続く富士でも、激しい雨となった結果、次々とプライベートチームはレースから撤退することとなりました。
 もちろんポルシェは、安全性を確保するため、ノーズに設置する耐クラッシュ構造を開発して、クラッシュテストを実施しました。安全性の確立を目指すストーリーをご覧ください。


 結局956は1986年末まで走ることが可能となりました。しかし、1985年のワークスチームの対応に懲りたプライベートチームは、総てがダンロップタイヤを選択しませんでした。ヨーストはグッドイヤーと、ブルンはミシュランと契約しました。
 プライベートチームの信用を失わない様、ポルシェは耐クラッシュ構造を作るだけでなく、TCプロトタイプのハニカムモノコック開発に協力する一方、プライベートチーム専用の2.87リットルエンジンを開発しました。
 この時期、多くのプライベートチームが、独自に丈夫なシャシーの実現を目指しています。962へ繋がる物語ですが、これらのストーリーも掲載しました。

 ルマンでは、ヨーストが緻密な戦略を駆使して、同一シャシーの3連勝を狙って挑戦しました。ヨーストの作戦は成功した様に見えましたが、アクシデントによってセイフティカーが導入されたことによって、ヨーストの戦略に狂いが出てしまいました。
 ヨーストが負けた理由は、何だったのでしょう?

 ルマン終了後、ミシュランタイヤを履くブルンは、最強の体制を作り上げました。そして、後半戦で圧倒的な強さを発揮して、ブルンがチームチャンピオンに輝きました。ミシュランタイヤを活かすため、コースに合わせて、956と962Cの2種類のシャシーを常に最高の状態でセットアップしたブルンのストーリーをご覧ください。

●956完全スペックとヒストリー
 28台の956と2台のGTi-106bが作られましたが、年式だけでなく、走らせたチームによって、様々なスペックが異なっていました。そこで、総てシャシーのスペックと総てのヒストリーの解明を目指しました。


■21世紀に蘇ったグループC


 2000年代に入って、世界中の先進的な自動車メーカーにとって、最大のテーマは、地球温暖化の抑制と大気汚染の抑制でした。このテーマは、現在でも変わっていません。スポーツカーレースにとっても、この2つのテーマは重要です。
 ところが、1999年まで繰り広げられたGT1の闘いの後、スポーツカーレースに興味を示すメーカーが激減したため、その後ルマンは、当時ヨーロッパの自動車メーカーが望んでいたディーゼルエンジンをスポーツカーレースに導入することを決定して、メーカーを勧誘するため、せいぜい550馬力だったガソリンエンジンに対して、圧倒的に有利な850馬力が可能なルールを与えました。2つのメーカーがディーゼルエンジンを搭載するLMP1カーを開発して、その頃ルマンで一騎打ちを繰り広げていました。

 地球温暖化の抑制については、少ない量で大きなエネルギーを発生可能なディーゼルエンジンは優れていました。
 ところが、ガソリンエンジンと比べると、ディーゼルエンジンは排出ガス浄化が難しく、現在中国の大気汚染の原因として名を知られるようになったPM(粉塵)をはき出すため、2000年代に入ると、ディーゼルエンジンが普及していたヨーロッパでは、大都市へのディーゼルエンジンカーの進入を規制する一方、次々と排出ガス規制を設けました。
 このような世の中の状況を、スポーツカーレースも無視することは出来ません。特にルマンが存在するフランスでは、パリにおける大気汚染が深刻な状況となっていました。

 それまでも、ACOとFIAは、黒煙を禁止していました。しかし、2006年ルマンにディーゼルエンジンを持ち込んだアウディは、当時でさえ黒煙を吸着するパティキュレートフィルターの装着をアピールしていましたが、2010年代になっても、コーナーを立ち上がる際、アウディのディーゼルエンジンカーは黒煙を吐いて走っていました。
 もう、ディーゼルエンジンを野放しで走らせることは不可能でした。
 排出ガス浄化の特効薬と考えられたのが、 ハイブリッドでした。


 2000年代に入ると、1997年に現実的な史上最初のハイブリッドロードカーであるプリウスを発売したトヨタが、ハイブリッドのルールを設けるため、ACOやFIAと粘り強く話し合いを行っていました。しかし、当時ディーゼルエンジンに圧倒的に有利なレギュレーションを与えていたACOやFIAは、直ぐにハイブリッドカーが同じ速さで走る様なルールを設けることが出来ません。やっと2012年に現実的なハイブリッドのルールを設けましたが、到底ディーゼルエンジンとイコールコンディションとは言えないルールで、しかも、ディーゼルエンジンカーは、野放しの汚い排出ガスを吐き出して走っていました。

 これでは、大気汚染に苦しむ人々を敵に回してしまいます。
 その結果、地球温暖化の抑制と大気汚染の抑制をテーマとした、新しいスポーツカーレースのルールが作られることとなりました。これが2014年のLMP1Hレギュレーションです。
 LMP1Hの特徴は、ディーゼルでもガソリンでも、そして、どのようなハイブリッド(リカバリーエネルギー)を組み合わせても、放出されるエネルギー量を同一とすることとして、地球温暖化の抑制を目指していました。


 つまり、2014年のLMP1Hは、1980年代のグループCの現代版です。1980年代のグループCの燃費が、せいぜい2km/リットルに過ぎないのに対して、2014年のLMP1Hは、50%も優秀な3km/リットル程度の驚異的な好燃費を誇ります。
 しかし、大気汚染の抑制については、大きな問題を抱えているようです。
 このLMP1Hレギュレーションが作られたストーリー、そしてLMP1Hで成功する方程式、さらに問題点を徹底追求しました。

■GT3の正体


 世界中にスポーツカー(GT)レースで活躍してもらいたい、あるいは、GTレースで走らせたいと望んでいる人気のGTカーがたくさん存在しています。ところが、従来のGTレースの画一的なレギュレーションでは、総てのクルマにチャンスを与えることは出来ません。そのため、20年以上前アマチュアドライバー達が、好みのクルマを持ち寄って始めた、ルールの無いGTレースが、現在のGT3レースのルーツです。

 その後、何度もGT3と名付けられたクルマが登場しました。ポルシェがGT3と名付けたクルマを販売しているのは、当時の名残です。その後2006年になってFIAは、正式にGT3のルールを設けました。この時のGT3は、アマチュアのためのレースと割り切って、参入するメーカーは“カスタマースポーツ”の概念によって、メーカー自身の参加を禁止しました。


 世の中には様々なクルマが存在することから、これまでのGTレースの柱であった統一したテクニカルレギュレーションは設けませんでした。その代わり、FIA(当時はSRO)はGT3カーを開発するメーカーに対して、性能のガイドラインを示しました。そのガイドラインの範囲内でGT3カーを開発することを求めました。
 同時に販売価格の上限を設定する一方、完成したGT3レースカーを同じサーキットで走らせて、性能調整まで行いました。
 これが現在のGT3カーです。GT3カーのルールが作られるまで、非常に興味深い物語が展開されました。
 メーカーが勝ち負けにこだわらないGT3レースが誕生したストーリーをご覧ください。

 少なくとも2015年までのGT3カーは、様々なクルマが可能です。安価なスポーティカーをベースとすれば、コンストラクターやメーカーは、大きな金をかけて開発出来ることから、様々な開発を盛り込んで、速いクルマを実現可能です。
 元々高価なスーパーカーをベースとした場合、大きく開発しなくても、素晴らしい速さが可能です。
 非常に興味深いGT3カーが次々と作られました。様々なGT3カー誕生のストーリーをご覧ください。


 しかし、上限価格を設定しても、ベースとなるロードカーの価格が高すぎる場合や、ベースとなるロードカーが極端に重い車重であった場合、容易に性能のガイドラインの範囲内にクルマを仕立てることは不可能です。そのようなクルマも、GT3レースでの活躍が望まれるようになったことから、昨年以来GT3の上限価格のルールは曖昧な状況になっています。
 ドイツの4メーカーは、この事態に危機感を覚えて、一旦ニューマシンの発売を取りやめました。そして新たな概念作りに動いているようです。彼らは2016年に一斉にニューマシンを販売するようです。
 混沌とした、現在のGT3の状況を追求します。

5月26日
●2017年のLMP2はコンストラクターを4つに制限 ダラーラ登場、どのコンストラクターが落選?

Photo:Sports-Car Racing

 紆余曲折の末、2017年にLMP2は新しいルールに移行することが決まった。2017年ルールは、当初、車幅をLMP1と同じ1.9mとすることを目指したこともあって、昨年まで流動的だった。現行ルールのマシンをベースとしたLMP2カーが参加出来ることを優先して、昨年、一足早くOAKがリジエLMP2を発表して、やっと大筋でクルマの内容が決定した。
 つまり、これだけでは、従来のLMP2と大きな違いはなく、上限価格を設定するため、LMP2カーを作るコンストラクター間で開発競争が勃発したら、開発費用を使うコンストラクターが、どんどん疲弊してしまう。

 また、ワークスチームのLMP1Hとの差が大きいプライベートチームのLMP1L廃止を前提として、現在、最低1人のジェントルマンドライバーの加入を義務付けるLMP2を、GTE同様LMP2-ProとLMP2-Amの2つに分ける意見も出された。
 GTEの場合、ほとんどがワークスチームのGTE-Proに対して、GTE-Amは1年落ちのマシンの使用を義務付けている。LMP2の同様のルールを導入すれば、LMP2において開発競争が勃発しても、資金力の無いレーシングチームはLMP2-Amに専念すれば、チームの負担が小さいと考えられていた。
 しかし、同じ時期、大胆にコストを削減したLMP3のプランがまとまったため、LMP2-Amに興味を示したレーシングチームはLMP3を支持する様になったことから、LMP2とLMP1Lを同じマシンとして、ProとAmに分割するプランは棚上げとなった。

 その結果、再び現行の概念のまま、2017年にLMP2のレギュレーションを変更することが決まった。しかし、コストを圧縮するため、FIAは、2017年のLMP2のコンストラクターを4つに制限することを決定した。ここまでは、世界中のコンストラクターも、大筋で合意している。しかし、4つのコンストラクターの内訳が問題だ。当初現在のLMP2のシェアを分け合っているOnroak(OAK)、ORECA、HPD、ギブソン(旧ザイテック)の4つが当確で、現行コンストラクターではストラッカ童夢が落選するだけと考えられていた。ところが、昨年秋ダラーラがLMP2のテクニカルワーキンググループに参加する様になって、状況は変わった。

Photo:Sports-Car Racing

 最初に開発競争を防止するため、2015年にホモロゲイションを取得したLMP2カーは、新ルールが施行される2017年まで開発を凍結することが決まった。2017年にほとんどのコンストラクター新しいLMP2カーを発売すると予想されたため、この決定によって、2015年始めニューマシンを販売したHPDはホモロゲイション申請を取り下げて、一旦販売されたクルマをベースとして、新しいルールに合わせてニューマシンを作って、2017年にホモロゲイションを取得して、販売することを決定した。

 2015年末にニューマシンを販売する計画だったギブソンも計画を見直し、新しいLMP2クーペの販売を延期して、現行のZ11SNをベースとした改良モデルの015Sを2015年に走らせることを決定した。新しく作るのはリアカウルだけで、フロントカウルは、従来2万ユーロで販売されていたルマン用のロードラッグボディをベースとしてハイダウンフォースに作り替えただけで、015Sは本当の意味で改良モデルだった。JOTA(ジオタ)とグリーブスも手持ちのZ11SNシャシーをベースとして、新しいカウルを組み合わせるだけで015Sを作り上げた。2015年、このギブソン015Sが最速のLMP2カーだ。

 計画変更によってギブソンは万々歳の状況かと思われたが、少々状況が混沌としているようだ。
 先に述べた様に、現在FIAは、2017年のLMP2コンストラクターを4つに制限する話し合いを行っており、新たにダラーラが立候補したことで、当確と思われた4つのコンストラクターの1つが落選する可能性が出てきた。
 既に2017年のLMP2コンストラクターは、Onroak、ORECA、HPD、ダラーラであるとの証言まで出ている。

 ギブソンは、ニッサンLMP2エンジンのエンジンビルダーで、ギブソン自身、確実に収益が見込めるエンジン事業を優先している。このような事情もあって、他のコンストラクター達は、ギブソンをエンジンビルダーと判断していた様で、LMP2のAgendaでも、いつの間にか、ギブソンを除いた4つのコンストラクターが中心となって話し合いが行われていたようだ。
 つまり、ギブソンが、2017年の新しいLMP2プログラムを取り下げてた訳ではなかった。

 このまま5つのコンストラクターがギブアップしないのであれば、既に2017年LMP2カーのベースとなる新しいシャシーを販売しているOnrokとORECA、一旦販売してしまったHPDの3つは除外出来ないと考えられることから、最後の一枠を巡って、ダラーラとギブソンが一騎打ちを繰り広げるか? 4つでなく5つにコンストラクター枠を拡大することとなるだろう。
 来週発行するSports-Car Racing Vol.21の校了後に飛び込んできた、最も気になるニュースだ。

Photo:Sports-Car Racing

4月21日
●今年のAsianLMSは事実上のウインターシリーズとして開催

Photo:ACO

 2月にACOは、AsianLMSをリニューアルして、ACO自身のディレクションによって開催することを公表した。しかし、その時点でも、契約を解除された上海のS2Mやマーク・トーマスに変えて、新たにAsianLMSを運営する人物は明らかとされなかった。昨日ACOは、2015年秋にスタートするAsianLMSをACO自身が運営することを確認すると共に、オペレーションマネージャーとしてACOのシリル・タエシュ・ワーレンを任命したことを発表した。

 また、2月の時点では富士、上海、セパンの3つだけがカレンダーに掲載されていた。しかも、セパンのイベントは12月20日の開催が予定され、クリスマスの直前であるだけでなく、1週間後年末にステファン・ラテルが関わる1000kmがセパンで開催されることから、プロモーションの面でも、都合が良い時期とは考えられなかった。

 昨日ACOは、富士と上海のイベントについては、予定通りWECの前座として開催することを確認したが、新たにタイのブリナムとも契約して、ブリナムとセパンのイベントは2016年1月に開催することを発表した。
 ヨーロッパで開催されるELMSは10月17日に終了する。北アメリカのTUSCは10月3日の“プチ-ルマン”でシリーズが終了するため、AsianLMSは、これまで望まれながら実現しなかった事実上のウインターシリーズだ。

2015-2016年AsianLMS
10月10日 富士(JPN)  2h
10月31日 上海(CHI)  1h20
1月10日 ブリナム(THA) 3h *2016
1月24日 セパン(MYS) 3h *2016

4月20日
●SuperCarRaceSeries Rd1 Fuji PhotoGallery

Photo:Sports-Car Racing

SuperCarRaceSeries Rd1 Fuji PhotoGallery

SuperCarRaceSeries Rd1 Fuji News

4月5日
●SuperGT Rd1 Okayama PhotoGallery

Photo:Sports-Car Racing

SuperGT Rd1 Okayama PhotoGallery

4月1日
●TMGを離れた木下美明が新制TRD社長へ就任! モータースポーツ再編の動き!

Photo:FIA WEC

 3月26日トヨタは、長い間TMG社長を務めていた木下美明が31日にTMGを離れて日本で新たな任に就くことを発表した。この際、新たに就任する部署や会社についての発表はなかった。しかし、1980年代からトヨタのモータースポーツに関わる部署を歴任して、IMSA、WRC、ルマン、F1GP、そしてWECで活躍した木下美明であるため、日本のトヨタのモータースポーツ関連部署において要職に就くと予想され、その任も噂されていた。それがTRDだった。
 現在トヨタ自身は正式に発表していないが、どうやら木下美明は社長としてTRDを指揮することとなるようだ。

 しかし、現在TRDはトヨタテクノクラフトの一部署であって、TRDは独立した会社ではない。そのため、TRD社長と言う話は、何らかの組織変えか新会社設立が前提となる。現在TRD(テクノクラフト?)は、神奈川県西部の富士スピードウェイ近くにおいて新社屋を建設中であるため、ここを拠点として新制TRDが誕生する可能性が高いようだ。
 と言っても、何人かの関係者が認めたものの、現在のところハッキリとした動きは確認出来ない。

 既に林みのるが公表した様に、現在童夢は、新体制に向けて再編に取り組んでいる。風洞をトヨタ(売却先の正式な会社名は不明)へ売却する一方、多くの社員は東レカーボンマジックへ移籍した。今後もマザーシャシーやF4等をサポートするため小規模な体制を維持して、米原駅前に建設する新社屋において活動するが、残りの社員の多くはTRDへ移籍すると考えられている。そして、このTRD移籍組の多くはLMPプロジェクトに関わったメンバーであるようだ。

 現在のTRDの仕事は、SuperGTのサポートや86等のワンメイクレースがメインで、トップレベルのカテゴリー向けのマシンを開発したり、レースに参加している訳ではない。つまり、童夢でLMPカーに関わっていたエンジニア達は、TRDへ移籍しても、ワンメイクレースカーのロールケイジを作る位しか仕事はないため、TRDから、彼らをトヨタへ貸し出すと考えられていた。
 しかし、木下美明がTRDの指揮を執るのであれば、木下美明に新たな選択肢を与えることとなる。

3月11日
●2015年のSUPER CAR RACEは25台が参加!

Photo:Sports-Car Racing

 昨年竹内浩典は、よちよち歩きでスーパーカーレースシリーズをスタートした。SuperGTがエントラントの他シリーズへの参加を禁止していることもあって、残念ながら、最初のシリーズは非常に寂しいエントリーとなった。
 しかし、現在スポーツカーレースの主流となっているGT3カーと使ったジェントルマンレースの要望は大きく、2015年に向けて竹内浩典は、様々なレーシングチームやスポンサーからコンタクトを受けていたようだ。コンタクトしてきた様々なレーシングチームと話し合った結果、どうやら、2015年のスーパーカーレースシリーズは、たくさんのエントリーを獲得したようだ。

 昨年1クラスでタイトルを獲得したディレクションは、マクラーレン、アウディ、ランボルギーニの3台のエントリーを目論んでいる。2クラスでチャンピオンを獲得したAGE-AGEは、新たにフェラーリ458GT3カーを導入して、既にテストを開始した。
 2015年1クラスのGT3カーが大きく増える様で、台湾のAAIは、最低3台、もしかしたら5台のGT3カーをスーパーカーレースシリーズへ送り込む。内訳はマクラーレン2台、メルセデス、BMW等であるらしい。現在チーム名は決定してないようだが、2つの日本のレーシングチームも、メルセデスによるエントリーを計画しているようだ。
 竹内浩典のシフトも、ランボルギーニとアウディを走らせる。旧AGE-AGEのフェラーリ458も、新しいオーナーが走らせる。

Photo:Sports-Car Racing

 竹内浩典は、現在確定したエントリーは12台程度、開幕までに数チームの準備整うことから、4月19日に富士スピードウェイで行われる開幕戦は、20台弱のエントリーを見込んでいるようだ。台湾のAAIはルマンで2台を走らせることから、ルマン終了後、大きな問題がなければ、本当に5台のGT3カーをスーパーカーレースシリーズで走らせるようだ。他にも夏以降富士スピードウェイのレースへ数チームがエントリーを計画しているため、8月以降25台程度のエントリーを見込んでいるようだ。

 今週末(土曜、日曜日)スーパーカーレースシリーズは、赤坂サカスでオープニングイベントを開催する。既に7台のスーパーマシンの展示が決定して、ミニコンサート等のイベントも行われる。このイベントの際シリーズスポンサーも発表される。

Photo:Sports-Car Racing

4月18-19日Rd.1/Rd.2 富士スピードウェイ
5月9-10日 Rd.3/Rd.4 ツインリンクもてぎ
7月11-12日 Rd.5/Rd.6 SUGO
8月22日 Rd.7 富士スピードウェイ
10月11日 Rd.8/Rd.9 袖ヶ浦
11月3日 Rd.10 富士スピードウェイ

2月28日
●ZytekからGibsonへ

Illustration:Gibson Technology

 昨年ザイテックグループは、電気自動車を中心とするロードカー部門をコンチネンタルへ売却した。ヨーロッパにおける代表的な電気自動車部門の買収劇であるため、当時大きな話題となった。このザイテックグループの総てがコンチネンタルへ売却された訳でなく、社長のビル・ギブソンは、モータースポーツに関わるレースエンジン部門やスポーツカー部門は売却しなかった。その結果、残されたモータースポーツ部門はギブソンテクノロジーと名前を変えて、2015年以降も従来通り、継続してモータースポーツ活動を行う。

 コンチネンタルとの買収交渉が締結する前、昨年6月ザイテックは、2016年にLMP2クーペを走らせることを発表した。相当開発は進んでいた様だが、LMP3の誕生等LMPカーを取り巻く環境に大きな変化が生じたこともあって、買収交渉がまとまった後ギブソンは、新しいLMP2クーペのデリバリーを1年先送りして2017年とすることを決定した。しかし、“確実に走る”ザイテックスポーツカーを要望する声も大きいことから、ギブソンは、2015年に従来のザイテックZ11SNスパイダーLMP2カーをベースとして、改良を加えたギブソン015Sを開発することとなった。

 ベースとなるZ11SNは、14台も作られたベストセラーLMP2カーで、2015年もグリーブスやJOTA(ジオタ)が走らせる計画だった。主な改良は空力だ。ギブソンによると、「現在開発段階で、まだホモロゲイション申請する内容が確定していない」と言うが、ベースとなるのは、2013年に登場したルマン用ボディであるらしい。

 LMP2は、クルマ本体だけでなく、様々なパーツやメンテナンス費用に上限が設けられており、3年間変更出来ないだけでなく、ルマン用のロードラッグボディは、何と2万ユーロで販売しなければならない。
 もちろん、たった2万ユーロでクルマのボディを作ることは出来ないため、カナードウイング等の空力パーツやロードラッグのリアウイングの価格と判断すべきだろう。しかし、ザイテック時代ギブソンは、登場から3年後に新しいボディを作らないで、新たにルマン用ボディを開発した。2013年ルマンに登場したルマン用ボディは、フロントフェンダー先端が前方に大きく突き出し、その後LMPカーのボディのトレンドとなった。

 先週アラゴンでグリーブスとJOTAは、ギブソン015Sの開発テストを行った。ノーズはルマン用ボディをベースとして改良を加えたものだったが、ギブソンが証言する様、2種類のリアフェンダーが使われていた。1つは従来のスプリントヴァージョンをベースとして後端を変更したもの、もう1つのリアフェンダーは、積極的にリアウイングへ空気を導入するため、トヨタやアウディのLMP1カーの様に、前端が大きく前方に突き出したデザインだった。1度ホモロゲイションしてしまったら、その後変更出来ないことから、慎重に開発が行われている。
 ちなみに、左右で違うリアフェンダーを装着した走行も行われているため、何らかの比較が行われたらしい。

 空力以外の改良は、サスペンションと重量配分(?)であるらしいが、昨年ダンロップがタイヤのスペックを変更しているため、サスペンションの変更は、新しいタイヤに合わせたものと考えられる。重量配分については少々不明。2013年グリーブスがGAINERと提携してWEC富士へ参戦した際、前後の重量配分を変更したテストを行っているが、どちらかと言うと、コンストラクターでなくレーシングチームが行うセッティング項目であるため、単なるテストに過ぎない出来事であるかもしれない。

2月12日
●2015年のAsianLMSは3レース 富士と上海はWECの前座イベント!

Photo:Sports-Car Racing

 昨年、非常に不可解な状況で開催されたAsianLMSは崩壊した。しかし、2年間の不可解な状況の原因だったS2Mを排除して、2015年新たにACO自身がオーガナイザーを務めて、再び開催される。しかし、具体的に何処で開催されるのか?非常に不可解な状況だった。既に2015年にAsianLMSを開催することを発表して、JAFを通じてカレンダー申請を行っていた富士スピードウェイでの開催は当確と考えられていたが、他の場所での開催については、非常にあやふやだった。

 第一アジアのプロフェッショナルなレーシングチームの90%が日本を拠点とするのに対して、昨年までの不可解なAsianLMSは、中国の上海を拠点として、日本のレースシリーズと同じ日に開催するカレンダーだった。この2つの問題だけでも、可能性の無いシリーズであったことは明らかだった。昨年7月にプランを再構築が行われていた時も、日本のいくつかのサーキットが協力を表明した際も、曖昧な対応を行っただけでなく、中国大陸とは一線を画して開催されているGTアジアへ擦り寄ろうとした。

 つぶれて当然のシリーズだったが、その後ACOがオーガナイザーを務めることを表明した際、ACOは日本での複数の開催を計画した。しかし、12月末になって、翌年に国際的なシリーズの開催を申し込まれても、富士や鈴鹿以外の地方のサーキットは充分に対応出来ない。その富士や鈴鹿はスケジュールが一杯だ。その結果、日本を除くとアジアで国際的なレースを開催可能なセパンでの開催が求められた。そして確実にシリーズが開催される様、富士と上海はWECの前座レースとして開催される。

 クラスについては、従来のLMP2、CN、GTに、新しいLMP3を加えて、4つのカテゴリーが設定される。現在のACOとGTAの関係は判らない。GTAも何も公表していない。しかし、GTAの協力を得られるのであれば、10月10日WEC富士の前座として開催されるAsianLMSは、30台以上のGT3カーが走ることとなるだろう。

2015年AsianLMS
10月10日 富士(JPN)
10月31日 上海(CHI)
12月20日 セパン(MYS)

2月6日
●2015WECエントリーリスト

Photo:Sports-Car Racing

 ルマン24時間レースと同時に、今年のWECのエントリーリストも発表された。ルマンはACOで、WECはFIAと考えている方も多いだろうが、2012年に復活したWECの本拠は、昔のようにパリやロンドンでなく、ACOと同じルマンのサルテサーキットに置かれている。昨年同様、LMP2カーの多くがELMSへ参加するため、少々顔ぶれが変わっていることを除くと、ルマンと大きな違いはなく、35台が全世界を転戦する。

LM P1 (11)

1 Toyota Racing Toyota TS040 HYBRID M Anthoney Davidson
2 Toyota Racing Toyota TS040 HYBRID M Alexander Wurz
4 Team ByKolles CLM P1/01 M Simon Trummer
7 Audi Sport Team Joest Audi R18 e-tron quattro M Marcel Fässler
8 Audi Sport Team Joest Audi R18 e-tron quattro M Lucas di Grassi
12 Rebellion Racing Rebellion R-One M Nicolas Prost
13 Rebellion Racing Rebellion R-One M Mathias Beche
17 Porsche Team Porsche 919 Hybrid M Tomo Bernhard
18 Porsche Team Porsche 919 Hybrid M Romain Dumas
22 Nissan Motorsports Nissan GT-R LM NISMO M Harry Tincknell
23 Nissan Motorsports Nissan GT-R LM NISMO M Olivier Pla

LM P2 (10)

26 G-Drive Racing Ligier JS P2 D Roman Rusinov
28 G-Drive Racing Ligier JS P2 D Gustavo Yacaman
30 Extreme Speed Motorsports HPD ARX-04b D Scott Sharp
31 Extreme Speed Motorsports HPD ARX-04b D Ed Brown
35 OAK Racing Ligier JS P2 D Jacques Nicolet
36 Signatech-Alpine Alpine A450b D Nelson Panciatici
39 Team SARD-MORAND Morgan LM P2 EVO D Christian Klien
42 Strakka Racing Strakka-Dome S103 M Nick Leventis
43 Team SARD-MORAND Morgan LM P2 EVO D Pierre Ragues
47 KCMG ORECA 05 D Matthew Howson

GTE-PRO (7)

51 AF Corse Ferrari 458 GTE M Gianmaria Bruni
71 AF Corse Ferrari 458 GTE M Davide Rigon
91 Porsche Team Manthey Porsche 911 RSR M Richard Lietz
92 Porsche Team Manthey Porsche 911 RSR M Patrick Pilet
95 Aston Martin Racing Aston Martin Vantage GTE M Marco Sorensen
97 Aston Martin Racing Aston Martin Vantage GTE M Darren Turner
99 Aston Martin Racing Aston Martin Vantage GTE M Fernando Rees


GTE-AM (7)

50 Larbre Compétition Corvette C7.R M Gianluca Roda
72 SMP Racing Ferrari 458 GTE M Victor Shaitar
77 Dempsey Proton Racing Porsche 911 RSR M Patrick Dempsey
83 AF Corse Ferrari 458 GTE M Francois Perrodo
88 Abu Dhabi Proton Racing Porsche 911 RSR M Christian Ried
96 Aston Martin Racing Aston Martin Vantage GTE M Roald Goethe
98 Aston Martin Racing Aston Martin Vantage GTE M Paul Dalla Lana

2月6日
●2014年ルマン24時間レースエントリーリスト

Photo:Sports-Car Racing

 昨日ACOは、今年のルマン24時間レースのエントリーリストを発表した。トップカテゴリーのLMP1には、トヨタ、アウディ、ポルシェ、ニッサンの4つのファクトリーチームがハイブリッドカーで参加する。2つのプライベートチームは、共にAERエンジンを使用する。タイヤは総てのチームがミシュランと契約した。LMP2には、新たにHPDとORECAのニューマシンが登場する。日本的にはSARDがMORANDと提携して登場することがニュースだろう。
 GTE-PROは、今年もポルシェ、ミケロットのフェラーリ、アストンマーティン、シボレーが、ファクトリーチームによって、熾烈な闘いを繰り広げるようだ。ライリーはダッヂヴァイパーをエントリーしたが、現在のところリザーブリストに掲載されている。
 GTE-AMの最も注目されるエントリーは、昨年AsianLMSに3台もGT3カーを走らせたAAIがエントリーを受け入れられたことだろう。昨年のAsianLMSの悲惨な状況を考えると、真面目なAAIの努力は報われないと思われていたが、真面目なAAIの活動を評価したACOは、新規参入チームでありながら、何と2台のエントリーを受け付けた。

LMP1(14)

1 Toyota Racing Toyota TS040 HYBRID M Anthony Davidson
2 Toyota Racing Toyota TS040 HYBRID M Alexander Wurz
4 Team ByKolles CLM P1/01-AER M Simon Trummer
7 Audi Sport Team Joest Audi R18 e-tron quattro M Marcel Fässler
8 Audi Sport Team Joest Audi R18 e-tron quattro M Lucas di Grassi
9 Audi Sport Team Joest Audi R18 e-tron quattro M Filipe Albuquerque
12 Rebellion Racing Rebellion R-One M Nicolas Prost
13 Rebellion Racing Rebellion R-One M Mathias Beche
17 Porsche Team Porsche 919 Hybrid M Timo Bernhard
18 Porsche Team Porsche 919 Hybrid M Romain Dumas
19 Porsche Team Porsche 919 Hybrid M Nicolas Hülkenberg
21 Nissan Motorsports Nissan GT-R LM NISMO M Tsugio Matsuda
22 Nissan Motorsports Nissan GT-R LM NISMO M Harry Tincknell
23 Nissan Motorsports Nissan GT-R LM NISMO M Olivier Pla

LMP2 (20)

26 G-Drive Racing Ligier JS P2 D Roman Rusinov
27 SMP Racing BR01 Mikhail Aleshin
28 G-Drive Racing Ligier JS P2 D Gustavo Yacaman
29 Pegasus Racing Morgan LM P2 D Leo Roussel
30 Extreme Speed Motorsports HPD ARX-04b D Scott Sharp
31 Extreme Speed Motorsports HPD ARX-04b D Ed Brown
34 OAK Racing Ligier JS P2 D Ho Pi Tung
35 OAK Racing Ligier JS P2 D Jacques Nicolet
36 Signatech-Alpine Alpine A450b D NelsonPanciatici
37 SMP Racing BR01 Maurizio Mediani
38 Jota Sport Gibson 015S D Simon Dolan
39 Team SARD-MORAND Morgan LM P2 EVO D Christian Klien
40 Krohn Racing Ligier JS P2 Tracy Krohn
41 Greaves Motorsport Gibson 015S D John Mowlem
42 Strakka Racing Strakka-Dome S103 M Nick Leventis
43 Team SARD-MORAND Morgan LM P2 EVO D Pierre Ragues
45 Ibanez Racing Wolf GB08 D Jose Ibanez
46 Thiriet by TDS Racing ORECA 05 D Pierre Thiriet
47 KCMG ORECA 05 D Matthew Howson
48 Murphy Prototypes ORECA 03R D Greg Murphy

GTE-PRO (9)

51 AF Corse Ferrari 458 GTE M Giammaria Bruni
63 Corvette Racing Corvette C7.R M Jan Magnussen
64 Corvette Racing Corvette C7.R M Oliver Gavin
71 AF Corse Ferrari 458 GTE M Davide Rigon
91 Porsche Team Manthey Porsche 911 RSR M Richard Lietz
92 Porsche Team Manthey Porsche 911 RSR M Patrick Pilet
95 Aston Martin Racing Aston Martin Vantage GTE M Marco Sorensen
97 Aston Martin Racing Aston Martin Vantage GTE M Darren Turner
99 Aston Martin Racing Aston Martin Vantage GTE M Fernando Rees

GTE-Am (13)

50 Larbre Compétition Corvette C7.R M Gianluca Roda
55 AF Corse Ferrari 458 GTE Duncan M Russel Cameron
61 AF Corse Ferrari 458 GTE Peter M Ashley Mann
62 Scuderia Corsa Ferrari 458 GTE William Sweedler
66 JMW Motorsport Ferrari 458 GTE D George Richardson
67 Team AAI Porsche 911 GT3-RSR M Jun-San Chen
68 Team AAI Porsche 911 GT3-RSR M Han-Chen Chen
72 SMP Racing Ferrari 458 GTE Victor Shaitar
77 Dempsey Proton Racing Porsche 911 RSR M Patrick Dempsey
83 AF Corse Ferrari 458 GTE M Francois Perrodo
88 Abu Dhabi Proton Racing Porsche 911 RSR M Christian Ried
96 Aston Martin Racing Aston Martin Vantage GTE M Roald Goethe
98 Aston Martin Racing Aston Martin Vantage GTE M Paul Dalla Lana

Reserve Car (7)

53 Riley Motorsports Dodge Viper GTS-R M Jeroen Bleekemolen
49 KCMG ORECA 03R D Alexandre Imperatori
60 Formula Racing Ferrari 458 GTE M Johnny Laursen
86 Gulf Racing UK Porsche 911 RSR M Michael Wainwright
25 Algarve Pro Racing Ligier JS P2 D Rudof Munemann
65 Proton Competition Porsche 911 RSR M Wolf Henzler
44 Ibanez Racing Wolf GB08 D Pierre Perret

1月17日
●2015ポルシェ919公開

Photo:Porsche AG

 昨年末12月15日ポルシェは、雨のヴァイザッハで2015年ヴァージョンの919LMP1カーのシェイクダウンテストを行った。もちろん、2015年中にシェイクダウを行っただけで、冬のヴァイザッハであることもあって、本格的な走行は行わなかった。
 新しい年を迎えてポルシェは、アブダビのヤスマリーナに2015年ヴァージョンの919LMP1カーを持ち込んだ。明日18日から初めて2015年ヴァージョンの919LMP1カーのテスト走行が行われる。
 昨年秋から、2015年にポルシェは2リットルV4ガソリンターボエンジンの排気量をスケールアップするとの噂が囁かれているが、現在のところポルシェは、2015年の919のエンジンのスケールアップについて、何も公表していない。
 今日ポルシェが公表した写真は、昨年末ヴァイザッハを走った際のもので、スプリントヴァージョンであるようだ。写真を見ると明らかなように、明らかに違うフロントカウルが取り付けられており、ボディには様々な改良が施されるようだ。

1月9日
●ベントレーモータースポーツ、2015年の総てのレース内容を発表

Photo:Bentley MotorSport

■サポートチームは3つ、ワークスチームのM-Sportと共に、世界中の4つのシリーズに参戦

 コンチネンタル GT3のデビューシーズンだった2014年、ベントレーはコンチネンタル GT3によって2大陸で3つのレースに優勝し、ブランパン耐久シリーズではシリーズ2位を獲得した。2015年はレースプログラムをさらに拡大し、4大陸で6シリーズに参加する。8日クルーのベントレーモータースポーツは、2015年に参戦予定の総てのレース日程を発表した。

 ベントレーモータースポーツのディレクター、ブライアン・ガッシュは次のように話した。
「2015年ベントレーモータースポーツにとって大変エキサイティングな一年となるでしょう。今年はカスタマーチームを通じ、コンチネンタル GT3によって世界各地の新しいサーキットに挑戦することで、レースプログラムの拡大を図っていきます。ベントレーの輝かしい歴史の中でも、これほど活発にレース活動を進めるのは初めてですが、昨年同様、コンチネンタルGTと共にモータースポーツの伝統を築いていく所存です。私たちはモータースポーツのDNAを受け継いでいます。そしてこれからもコンチネンタルGT3で勝利を重ねていきます。今シーズンはベントレーのお客様がご自身のチームでベントレーを走らせ、世界各国のレースシリーズに出場するのです」

 2015年はベントレーブランドのワークスチームであるベントレーチームM-Sportがブランパン耐久シリーズに再び参戦する。また、世界的に有名なスポーツカー耐久レースにも3戦出場する予定だ。ベントレーモータースポーツの今シーズン初戦は、2月8日に開催されるバサースト12時間だ。ベントレーチームM-Sportが2台のコンチネンタルGT3でマウント・パノラマコースに挑む。その数か月後には、世界一過酷と言われるADACチューリッヒ24時間レースに出場する。ニュルブルクリンクで開催されるこのレースに向けて準備を始めたのは2014年初めのことだ。実戦テストとしてVLNレースにも2度出場した。もう1つも耐久レースだ。アブダビのヤス・マリーナ・サーキットで開催されるガルフ12時間レースでシーズンを締めくくる。
 現在ワークスチームの参加が許されるGT3レースシリーズは、ブランパン耐久やSuperGT、条件付きでVLNのみであるため、M-Sportは、これらの耐久レースとブランパン耐久シリーズのみにコンチネンタルGT3で参加する。

 ワークスチームの活動と並行し、新たにパートナーとなった3つのレーシングチームがサポートチームとして主要地域のレースにエントリーし、コンチネンタルGT3を走らせる計画であることを発表した。
 ベントレーが公表するサポートチームとは、その地域においてベントレーがサポートするレーシングチームのことであって、その地域のディストリビューターではない。その地域のセミワークスチームと考えると判りやすいだろう。
 ヨーロッパでは、ベントレーチームHTPがブランパン・スプリント・シリーズ、ブランパン耐久シリーズ、ADAC GTマスターズ・チャンピオンシップに5台のコンチネンタルGT3を走らせる予定だ。
· 北アメリカにおいて、2014年ピレリ・ワールド・チャレンジにシリーズ途中から参戦して、勝利も収めたベントレーチームDysonが、2015年も同シリーズにフル参戦する予定だ。 アジア地域においては、ベントレーチームAbsoluteがGTアジアシリーズに参戦する予定だ。
 問題は、ベントレーが、日本のSuperGTで活動するサポートチームを決定出来なかったことだろう。

 ワークスチームとサポートチームの他にも、いくつかのカスタマーチームがドバイ24時間レースやオーストラリアGTシリーズなどでコンチネンタルGT3を走らせる予定だ。これらは純粋なカスタマーチームだ。ベントレーのカスタマーレーサーは、ドバイで開催されたNGKレーシングシリーズなどでコンチネンタルGT3を走らせ、すでに勝利を収めています。

■2015年のベントレーボーイズ

 ベントレーチームM-Sportは、2015年シーズンのドライバーラインナップも発表した。2014年にシルバーストーンとポールリカールで優勝を飾って、ブランパン耐久レースではシリーズ総合2位となった7号車のドライバーは引き続きイギリス出身のガイ・スミス、アンディ・メイリック、スティーブン・カーンが務めます。チームと共に戦う2度目のシーズンを心待ちにしているこの3名のベントレーボーイズの1人、アンディ・メイリックは次のように話した。

「昨年、ベントレーの一員としてレースに出場できたことを大変誇りに思うとともに、今年もこの3人でコンチネンタルGT3のドライバーを務められることに喜びを感じます。2014年に実戦デビューしたコンチネンタルGT3はブランパン耐久シリーズでシリーズ総合2位という素晴らしい成績を残しました。今年はコンチネンタルGT3でその上を目指したいと思います」

 8号車にはヨーロッパ出身の新しいドライバーを迎えて2015シーズンを戦う。ベントレーチームM-Sportに新加入するのは、スペイン出身のアンディ・ソウセク、GT3のスペシャリストでドイツ出身のマキシミリアン・ブウク、ベルギー出身のマイキシム・ソウルだ。2014ブランパン耐久シリーズで圧倒的な速さと巧みなレース運びを見せつけたこの3名が今年、ベントレーモータースポーツに加入したことは自然な流れかもしれない。新たにベントレーボーイとなったアンディ・ソウセクは次のように話した。

 「モータースポーツに長く関わり素晴らしい成績を誇るベントレーの一員となることを大変うれしく思います。このチームのためにレースに出場することは貴重な経験であり、新たな挑戦に胸が高鳴る思いです。コンチネンタルGT3に初めて乗ったのはポリマオのサーキットでごく最近のことでしたが、その性能が実に素晴らしく、それから数日後には契約書にサインをしました。今シーズンが大変楽しみです」

■2015年レース日程

耐久レース
2月6~8日 Liqui-Molyバサースト12時間レース(AUS)
5月16~18日 ADACチューリッヒ24時間レース、ニュルブルクリンク(D)
12月13日 ガルフ12時間耐久レース、ヤスマリーナ(ABU)

ブランパン耐久シリーズ(ベントレーチームM-Sport、ベントレーチームHTP)
4月11-12日 モンツァ(I)日
5月23-24日 シルバーストーン(GB)
6月19-20日 ポールリカール(F)
7月23~26日 スパ24時間(B)
9月19-20日 ニュルブルクリンク(D)

ブランパン・スプリント・シリーズ(ベントレーチームHTP)
3月18-19日 ノガロ*Coupes de Pâques(F)
5月9-10日 ブランズハッチ(GB)
6月5~7日 ゾルダー(B)
7月3~5日 モスクワ(RUS)
9月4~6日 アルガルヴェ(PT)
10月2~4日 ミサノ(I)
10月24~25日 バクー・ワールド・チャレンジ(AZE)

ADAC GTマスターズ(ベントレーチームHTP)
4月24~26日 オッシャースレーベン(D)
6月5~7日 レッド・ブル・リング(AUT)
6月19~21日 スパ(B)
7月3~5日 ラウジッツリンク(D)
8月14~1日 ニュルブルクリンク(D)
8月28~30日 ザクセンリンク(D)
9月18~20日 ザントフォールト(NL)
10月2~4日 ホッケンハイム(D)

ピレリ・ワールド・チャレンジ(ベントレーチームDyson)
3月6~8日 サーキット・オブ・ジ・アメリカ(USA)
3月27~29日 セントピーターズバーグ(USA)
4月17~19日 ロングビーチ(USA)
4月24~26日 バーバー・モータースポーツ・パーク(USA)
5月15~17日 カナディアン・タイヤ・モータースポーツ・パーク(USA)
6月26~28日 ロード・アメリカ(USA)
7月31日~8月1日ミッド・オハイオ(USA)
8月21~23日 ミラー・モータースポーツ・パーク(USA)
8月28~30日 ソノマ・レースウェイ(USA)
9月11~13日 マツダ・レースウェイ・ラグナ・セカ(USA)

GTアジア(ベントレーチームAbsolute)
5月15~17日 ヨンアム(KOR)
6月26~28日 岡山(JPN)
7月17~19日 富士(JPN)
8月14~16日 セパンまたはクアラルンプール(MYS)
9月25~27日 上海(CHI)
10月23~25日 ブリーラム・チャーン(THA)
11月19~22日 マカオ(MAC)*注:変更




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