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Sports-Car Racing Vol.17

●Who wanted SilverArrows ?
 誰がシルバーアローを求めたのか?

 1997年突如メルセデスはGT1カーを開発して、新たにスタートしたFIAGTへ参戦しました。これがCLK-GTRの登場でした。
 CLK-GTRは誰の目にもメルセデスに見えました。しかし、その中身は完全なレーシングカーで、SクラスのV12エンジンを除くと、メルセデスのロードカーとの関わり合いは何もありませんでした。
 つまり、CLK-GTRはメルセデスに見える怪物でした。
 CLK-GTRはFIAGTの象徴として君臨することとなりました。
 世界中のスポーツカーファンがGT1の正体に気付いた時、既に戻ることが出来ない過当競争がサーキットでは繰り広げられていました。
 たった2年間でFIAGTからGT1カーは姿を消し、6月のルマンでシルバーアローとトヨタは対決することとなります。
 そうして、1999年6月、あの事件が発生しました。

 1997年から1999年の3年間だけ登場したメルセデスのGT1カーについて、多方面からストーリーを組み立てました。クルマ本体や、V12とV8の開発とストーリーだけでなく、この時代のGTレースがどのように推移したのか、そして、1999年のルマンで空を飛んだ本当の理由は何だったのか? ストーリーは展開します。

●DOME Magic
 頂上は見えたか?

 2006年の童夢は、2005年に開発したS101-Hbを完全に見直してS101-Hbiを作り上げました。しかし、自身による活動は諦め、ヤン・ラマースのRacing for HollandにS101-Hbiを貸し出して、ルマンへ挑戦しました。スポーツカーファンにとって、少々歯がゆい状況での活動でしたが、S101-Hbiは、28年間の童夢ルマンの歴史の中でも、特筆すべき活躍を披露しました。ペスカロロと共にアウディを追い続けて、常にトップ争いの一角を占めることとなりました。
 童夢にとって頂上は見えたのでしょうか?
 2005年から2007年の童夢の状況を紹介します。

●AUDI R10
 スポーツカーレースの革命か? それともエンジニアの自己満足か?

 大成功したR8の後、アウディは、重さ250kgの5.5リットル90度V12ディーゼルターボエンジンを開発していました。そして、3m近い超ロングホイールベースのR10を登場させました。
 どうして、高性能のディーゼルエンジンを開発するのは難しいのでしょう? 重い12気筒、そして5.5リットルの大排気量の理由は何だったのでしょう? どうして、重くなるのが判っていながら、アウディは、最も大柄に成りやすい90度のバンク角のV12としたのでしょう?
 そして、この巨大な90度V12が3m近い超ロングホイールベースの理由だったのでしょうか?
 R10は、最先端技術の満干全席です。R10を理解することによって、現在のスポーツカーレースの状況を明らかにすることが出来ます。

●2006年の正解は何だったのか?

 2006年ルマンを中心としたヨーロッパにおいて、とうとう古いLMP900とLMP675は期限切れとなりました。2004年レギュレーションに基づき、完全に新しいP1かP2カーを開発するか? LMP900やLMP675を2004年レギュレーションによって、ハイブリッドカーに作り直さなければ、参加することは出来なくなりました。
 この状況に従って、ローラとクラージュは、ニューマシンを登場させました。幾つかのレーシングチームは、ローラとクラージュからP1とP2カーを買って、活動を開始しました。
 しかし、どのレーシングチームも不満足なシーズンを過ごすこととなりました。ローラとクラージュに何があったのでしょうか?
 新しいレギュレーションが施行されても、直ぐにニューマシンを作り上げることは不可能です。特に自分達でマシンを開発しているトップクラスのコンストラクターにとって、現在の混沌とした状況は、充分な資金を集めることが難しく、苦しい状況が続いていました。
 大メーカーのファクトリーチームのような潤沢な資金と時間を持たない彼らは、慎重に考えた結果、巧妙な方法を考え出しました。
 そうして、ペスカロロ、童夢、クリエイション、ザイテックは、従来のマシンをベースとして、トップクラスのスポーツカーを作り上げました。この4つのコンストラクターによるスポーツカーが、2006年アウディの重戦車に闘いを挑みました。アウディが居ないレースでは、彼らが主役となってレースは行われました。
 2006年の状況を考えると、彼らの選択こそが、2006年の正解でした。

 ポルシェは、少々不細工なRSスパイダーを2005年に登場させました。どう見てもポルシェらしくない内容でしたが、2005年に登場したRSスパイダーは、やはりプロトタイプだったようです。そうして、2007年正真正銘のニューマシンとしてRSスパイダーを登場させます。
 新しいレギュレーションに基づき、充分な資金を投入すると、このようなクルマが実現出来ることをポルシェは明らかとしました。しかし、RSスパイダーを手に入れるには1億5,000万円を要求されます。

 違う流れもスポーツカーレースには存在して、新興コンストラクターのラディカルは、ピーター・エラリーを見方につけて、ポルシェの1/4の価格でトップクラスのSR9を登場させました。今後少なくともP2クラスにおいて、ラディカルがスタンダードとなるでしょう。

 このような状況の中、プジョーは908クーペを発表しました。
 プジョー908までの、現在のスポーツカーレースの物語です。

 もちろん、エンジンにおいても同じことが言えました。
 ジャドは、3.5リットルF1GPエンジンが祖先のV10をベースとして、2006年最良の5リットルV10を登場させました。このV10は、2007年5.5リットルまで拡大され、童夢にも積まれることとなりました。
 スポーツカーレースにとって、最良のエンジンは何なのでしょう?

●我が道を歩むニッポンGT
 DTMを目指すSUPER GT

 ルマンに君臨した郷和道は、2006年10年ぶりに、日本のファクトリーチームに挑戦する決心をしました。そうして郷和道はマセラッティMC12に白羽の矢を立てました。と言うより、世界中のどのレギュレーションにも合致しない、異端児のマセラッティMC12の存在が、郷和道にSUPER GTでの活動を決心させたのでしょう。
 10年前と違って、郷和道の計画はGTAにも歓迎されました。しかし、SUPER GTは、10年前とまったく違う状況となっていました。
 戦国時代に迷い込んだ黒船は、どうすれば良いのでしょう?

 2007年SUPER GTは新しいレギュレーションを施行します。この新しいレギュレーションは、明らかにNSX-GTを研究した上で、NSX-GTが持っているものを、他のメーカーのクルマに与えるために作られています。逆の見方をすると、そうでなければ、圧倒的な速さを誇るNSX-GTを破ることは不可能と言える状況が続いていました。
 しかし、この新しいレギュレーションは、SUPER GTが新しい時代を迎えることを目標としているようです。

Sports-Car Racing Vol.17のコード番号:ISBN4-925254-12-X

価格2,310円(本体2,200円)



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