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7月30日 既報通りACOは、9月にLMSシルバーストーン、10月にALMS“プチ-ルマン”、そして11月にアジアンルマンシリーズのズーハイの3つによってインターコンチネンタルルマンカップを開催する。これまで中国の珠海(ズーハイ)で開催されるアジアンルマンシリーズについて、情報が伝わってこなかったが、先週ポルシェが911GT3Rハイブリッドカーによって(章典外)参加する計画を発表したことによって、イベントを開催する準備が行われていることが明らかとなった。 既にインターコンチネンタルルマンカップについては、5月にエントリーは締め切られている。インターコンチネンタルルマンカップはLMP1クラスだけが対象で、アウディが2台、プジョーが2台、ORECAがAIMエンジン搭載の01EVOを1台、シニアチュールPlusのアストンマーティン、ドレイソンのローラ/ジャド、そしてOAKの2台のペスカロロがエントリーしている。OAKについては、通常走らせているペスカロロP01がLMP2バージョンであるため、本当にエントリーをするのか?疑問が残るが、少なくとも正式にエントリーを行っている。 先週このアジアンルマンシリーズ枠で、東海大学はズーハイへの参加を発表した。 既報通り2011年ACOは、新しいレギュレーションを導入する。GTクラスを現行のGT2をベースとしたものに統一する一方、LMPカーについては、LMP1のパワーを削減するため、ガソリンエンジンの場合現行のLMP2と同じ排気量3.4ℓNAもしくは排気量2ℓターボに、ディーゼルエンジンの場合排気量を3.7ℓに制限されると共にリストリクターとブースト圧を引き下げられる。LMP1が現行のLMP2のエンジンを使うため、LMP2はどうなるのか?心配する方も居るだろうが、2011年のLMP2はGT2カーのエンジンの使用を義務付けられる。 トップカテゴリーであるLMP1の場合、大きな開発は、カテゴリーを活性化出来るため、歓迎される状況であるかもしれない。しかし、今年幾つかの有力なコンストラクターが活動を休止したことでも明らかなように、現在の経済状況を考慮すると、トップカテゴリーのLMP1でもコスト削減は重要な課題となっている。 LMP1でもコスト削減が叫ばれている状況であるため、ほとんど総てが限られた予算で活動しているプライベートチームであるLMP2の場合、GT2カーのエンジンによってコストダウンを図っても、従来のクルマが完全に使えない状況となったら、エントリーは激減してしまう。そのため、ベースとなるGT2のエンジン本体価格を約900万円とするルールをACOは設けることを公表している。最初ACOはGT2カーに積まれているエンジンに限定することを公表した。しかし、コスト削減が目的である以上、GT2カーに積まれているエンジンに限定する必要はないと考えられるようになって、その後ロードカーに積まれているエンジンをベースとしたエンジンも生産台数の下限を規定することによって、LMP2のエンジンとして認められることが決定した。このACOの改革は世界中のメーカーの興味を惹き、BMW、フォード、HPD(ホンダ?)、ジャガー、ジャド(メーカー名は未公表)、ニッサン、そしてトヨタが、ロードカー用をベースとするエンジンを供給する意向を表明した。これらに現行のGT2カーの中心であるポルシェ、フェラーリ、アストンマーティン等を加えると、2011年のLMP2が大きな可能性を持つことが判る。 と言っても、たくさんのLMP2カーが売れる状況とは考えられないため、マシンを販売するコンストラクターは様々な作戦を練っている。先週現在プロトタイプスポーツカーの最右翼のコンストラクターであるローラは、“屋根無し”のB05-40系LMP2をベースとした“屋根無し”のB11-40を発表している。既にローラは“屋根無し”のB05-40系の開発を終了したと考えられていたため、先週のローラの発表は、彼方此方から疑問を呈する意見が出された。第一2010年の状況を見ても明らかなように、“屋根無し”のB05-40系は“屋根付き”B09-80系LMP2カーに速さで敵わない。新たに大幅な開発を加えない限り、そのようなクルマを買うレーシングチームは存在しないと考えられていた。 ローラは2010年2011年以降の使用を前提として“屋根付き”のB10-60
LMP1カーを発表している。B10-60は前寄りの前後重量配分への対応したクルマではなく、発表した時から、2011年にローラは、B10-60をベースとして前寄りの前後重量配分に対応したシステムを搭載する一方、前寄りの重量配分を活かして、大きなフロントタイヤを履くマシンを発表することが予想されていた。 “屋根付き”のB11-80が、2011年のローラにとって本命のLMP2カーであって、“屋根無し”のB11-40が間に合わせであるのは明らかだろう。たぶん、B11-40の新車はほとんど作られることなく、ほとんどの場合、現在中古車市場で安価にに出回っているB05-40系をベースとしてアップデイトして作られることとなるのだろう。 ●LeMans24h FINISH プジョー全滅、アウディが1-2-3 ![]() Photo:Sports-Car Racing たった1ラップ差だったため、プジョーの速さを考えると、充分逆転可能と思われた。実際No.1ワークスプジョーとNo.4ORECAプジョーは、予選でさえアウディが出したことがない3分20秒台前半のラップタイムで走行していた。 これで終わった訳ではなかった。プジョー勢の全滅によって4位を走行していたNo.009アストンマーティンは、No.4ORECAプジョーがストップした20分後の2時5分、まったく同じミュルサンヌで煙を吹き上げた。プジョー勢と同じエンジンブローと思われた、インディアナポリスでストップした。 *総合順位 11 GT2 No.77/Team
Felbermayr Proton Porsche 997 GT3 RSR/338laps *GT2 1位 午後10時頃、No.1プジョーはピットに入ってきて、そのままガレージに入れられた。プジョーの発表によると電気系トラブルだが、その際トランスミッションとパドルシフトも点検している。パドルシフトの電気系に問題があったのかもしれない。このトラブルによって、No.1プジョーは7位まで後退した。 プジョー勢は2台共3分21秒台のハイペースで走っているのに対して、アウディ勢は3分23秒台であるため、差は広がると思われた。しかし、午前3時頃No.4ORECAプジョーが駆動系のトラブルでピットに張り付いた。最初デフのトラブルと思われたが、最終的にドライブシャフトと判って、ドライブシャフトを交換してレースに復帰した。 夜が明けた後、7時47分No.2プジョーはエンジントラブルによって火災を起こした。ダンロップブリッジ付近で火を噴いたNo.2プジョーは、そのままテルトルルージュまで走行してストップした。 9時30分頃GT2クラスの2番手を走っていたジャン・カルロ・フィジケラがドライブするNo.95AFコルセフェラーリは、インディアナポリスでブレーキをロックさせてタイタバリアに直進した。しかし、上手くタイヤバリアによって衝撃が吸収されたようで、フロントセクションを壊しただけで、フィジケラのフェラーリは自力でピットに戻った。 12:00時点の順位 14 GT2 No.77/Team
Felbermayr Proton Porsche 997 GT3 RSR/296laps *GT2 1位 午前中で雨は止んで、昼休みにエコカーのデモランが行われる頃になるとコースは完全に乾いた。決勝レースのスタート前、スターティングドライバーが乗り込む際、伝統的なルマン式スタート同様、コースの反対側からドライバーは自分のクルマまで走って、コクピットに乗り組んだ。 セイフティカーランが終了しても、プジョーのパレードは続いた。ところが、4時30分頃テルトルルージュ手前のS字コーナーの入り口でNo.70/Marc
VDSのフォードGTがクラッシュした。リアセクションを大破して、片側のサスペンションも壊れたが、辛うじて走ることが可能であるため、ドライバーは自力でピットを目指して走り始めた。しかし、努力虚しく、レースを諦めることとなった。 しかし、2位を走っていたNo.2プジョーがトップの座を引き継ぎ、ピットインのタイミングでNo.1プジョーと順位を入れ替えながらレースをリードしている。3番手もNo.4ORECAプジョーのままだ。アウディ勢はポジションを1つずつ上げたが、午後7時21分、アウディ勢のトップを走っていた、アラン・マクニッシュがドライブするNo.7アウディはポルシェカーブで、周回遅れのGT2カーと接触してしまった。マクニッシュは3周を失って、7位までポジションを落とした。 LMP2クラスは、No.42ストラッカHPDがNo.26ハイクロフトHPDをリードしている。GT1クラスはMarc
VDCのフォードGTがリタイヤしたため、No.73ルック・アルファンのコルベットとNo.60MatechフォードGTがトップを争っている。GT2クラスは、スタート直後2台のワークスコルベットは独走する気配だったが、昨日2日目の予選タイムを抹消されたNo.82RiSiフェラーリがワークスコルベットを追走して、午後8時50分コルベットを抜き去った。同一周回ながらトップを走っている。 LMP2 GT1 GT2 金曜日ルマンは晴天に恵まれた。このまま今年のルマンはドライコンディションで24時間レースが行われるのかと思われたが、日付が変わる頃から雨が降り出して、夜が明けると完全な雨模様となった。 木曜日ルマンは雨の朝を迎えた。午後グループCの予選が開始される頃になると、雨は激しさを増した。夕方ポルシェカレラカップの予選が行われる頃雨は止んだ。しかし、午後7時2回目の予選が開始された時、路面は完全なウェットコンディションだった。もちろん総てのクルマがレインタイヤを装着してコースインした。しかし、タイムが更新される訳でもなく、予選後半にコースが乾くことが予想されたため、総てのアストンマーティン、ワークスコルベット、BMW等はピットを離れなかった。予選開始20分後早くもコースが乾き始めた。と言ってもラインが出来始めただけだが、次々とピットインしてスリックタイヤに履き替えるチームが出てきた。 午後10時最後の予選が開始された。開始早々次々とタイムアタックが行われた。アラン・マクニッシュが乗り組んだNo.7アウディは、3分22秒台までタイムアップするが、アウディ勢のトップの座を奪取しただけで、プジョー勢には届かない。しかもアラン・マクニッシュのアウディ勢のNo.1をかけた闘いは、No.9アウディを操るマイク・ロッケンフェラーが3分21秒台を記録したことで、あっけなく幕切れとなってしまった。 昨日セバスチャン・ボーディによって3分19秒台の驚異的なタイムを記録したNo.8プジョーは、サイモン・ペジナウがセッティングを煮詰めているだけで、本気でタイムアタックを行い気配はない。プジョー勢はジャコバン広場で行われた車検で登場したのと違って、ORECAと同じ、ラジエターダクトと繋がったフィンを取り付けたボディによって予選を走っている。プジョーにこの点を質問したところ、使う可能性のあるパーツの総てを車検の際に提出する義務があるため、ジャコバン広場では、もう一つのボディを取り付けて行ったと答えられた。 タイムの更新が難しい総合トップ争いと違って、LMP2クラスは熾烈な争いが繰り広げられた。何時ものように、素晴らしい集中力を発揮したダニー・ワッツによって、No.42ストラッカHPDは3分33秒台のタイムを叩き出した。それをNo.26ハイクロフトHPDが追う展開となった。終了20分前までハイクロフトの闘いは行われたが、3分34秒台が精一杯で、No.26ストラッカHPDがLMP2クラスのポールポジションを獲得した。 11時20分を過ぎる頃からプジョー勢の動きが慌ただしくなった。No.4ORECAプジョーにはニコラス・ラピエールが乗り組んで、2種類のフロントカウルを付け替えながらセッティングが行われている。この2つのフロントカウルは、ヘッドライトのセッティングが違うのかと思っていたら、フロントフェンダー後方のスリットの存在するものと、ワークスプジョーの様に塞いでいるタイプを比較していた。最終的にニコラス・ラピエールはワークスプジョーと同じ後方のスリットを塞いだフロントカウルを選択したが、コースアウトによってタイムアタックは不発に終わった。 LMP2 GT1 GT2 記者会見の際ACOのスポーツダイレクターのヴァンサン・ボメニルは、2011年のレギュレーションの主立った事柄の幾つかを発表した。まず、3月頃から話題となっている現行の大排気量エンジンの取り扱いについて、2011年に限って、ポテンシャルを調整することを条件として使用を認める考えであることを公表した。この発表の際、ヴァンサン・ボメニルは、2010年レギュレーションカーと述べているが、現在のところ2011年に新たに導入される項目はエンジンについてのみであるが、もしかしたら、今後他にも変更点が設けられるのかもしれない。 2011年新たに設けられる最も象徴的なレギュレーションは、ハイブリッドの項目だ。これまでACOは、ハイブリッドについて電気のみしか述べていなかったが、機械的な方法ついても認めることを公表した。ハイブリッドのポイントである回生ブレーキについても、従来リアのみの設置しか認めなかったが、ご承知のように、彼方此方から反対意見が出されたことによって、フロントもしくはリアの一方から回生することを認めた。もちろん、リアと比べるとフロントの方が圧倒的に大きな回生が可能であるため、よほど大きな理由がない限り、総てのハイブリッドカーがフロントから回生することだろう。 今朝ACOは記者会見を行った。今年インターコンチネンタル・ルマン・カップを開催するが、アジアの開催について、これまで正式に場所と日程を発表してなかった。2週間前非公式に11月14日とだけ公表したが、今朝正式に11月7日ズーハイで開催することを発表した。しかし、主催者は発表されなかった。その1週間前10月31日に上海でDTMが開催されるため、それに併せたと言う見方が大きいが、2週連続で同じ地域での開催について、疑問が提起された。 インターコンチネンタル・ルマン・カップについては、2011年いよいよ全世界に展開する。同時に大まかなカレンダーが発表されたが、2011年は3月に北アメリカのセブリング12時間かラグナセカの6時間レースで開幕して、5月にスパ-フランコルシャン1000km、6月にルマン24時間、9月にシルバーストーン1000km、9月末もしくは10月初めに“プチ-ルマン”10時間、そして10月に富士スピードウェイで1000kmレース、11月中国で6時間レースを行うことが発表された。中国については、相変わらず場所は特定されなかった。 明日雨が降る可能性が高いため、午後10時最初の予選が開始されると、同時にタイムアタックが開始された。フリープラクティス同様4台のプジョーが主導権を握ったが、予選開始早々ニコラス・ラピエールのNo.4ORECAプジョーとNo.3ワークスプジョーは3分21秒台の闘いを繰り広げ、ニコラス・ラピエールが操るNo.4ORECAプジョーが最初のリーダーとなった。4台のプジョーの後ろ、5番手には、アウディ勢を出し抜いて、ステファン・モカが操るNo.007アストンマーティンが3分26秒台で付けた。 しかし、No.4ORECAプジョーは、燃圧の低下(ガス欠?)によってインディアナポリスでストップしたため、ニコラス・ラピエールの挑戦は終わった。その後アクシデントによって赤旗が提示されセッションが中断され、セッションが再開されるとワークスプジョーがタイムアタックを試みて、ニコラス・ラピエールのタイムは破られてしまった。 アウディ勢は4台のプジョーの後ろに3台が並んだ。ガソリンエンジンクラスは再びGT1エンジンを搭載するアストンマーティンがトップタイムを記録した。AMRの2台と共にシニアチュール(シグネチャは間違い)のNo.008が3番手に付けた。No.6ORECA-AIMは11番手のタイムを記録するのが精一杯の状況だ。 LMP2 GT1 GT2 午後4時いよいよ最初のセッションであるフリープラクティスがスタートした。2008年秋のリーマンショックに端を発する景気後退の影響を考慮して、昨年からテストディを廃止して、レースウイークの水曜日4時間連続のフリープラクティスが行われている。セッション開始直前ミュルサンヌ方向から雨が降り出した。雨は直ぐに止んだため、ほとんどのチームはスリックタイヤを履いてコースインした。しかし、不安定な天気を考慮したのか、プジョー勢はノーズ左右に小さなカナードウイングを取り付けて走り始めた。 アウディ勢は元気がなく、4台のプジョーの後ろのタイムを記録しただけだった。ガソリンエンジンのトップタイムは、GT1エンジンを積んだNo.009アストンマーティンが記録した。レーシングガソリンエンジンのトップタイムはNo.13レベリオンローラが記録した。ポールリカールテストで好タイムを記録したNo.6ORECA/AIMは13番手に沈んだ。 LMP2クラスは、HPDパワーが上位を独占した。ハイクロフトとストラッカはトップ争いを繰り広げたが、ハイクロフトが僅差でトップタイムを記録した。3番手にもHPDエンジンを積んだRMLローラが入った。 GTクラスは、GT1とGT2が入り乱れてタイムを競い合う状況となった。パワーが大きいGT1の方が速いハズだが、No.52AMRを除くと、強豪揃いのGT2カーと接戦を繰り広げることとなった。 LMP1 LMP2 GT1 GT2 現在世界中の人々は、ハイブリッドカーに代表される、低燃費と低エミッションのクルマに大きな興味を持っている。自動車メーカーにとっても、最重要課題は、このような新世代エコカーの開発だ。ルマンでは、その最初のステップとして、2006年以降ディーゼルエンジンカーが登場している。ヨーロッパにおいてディーゼルエンジンカーは非常にポピュラーな存在で、西ヨーロッパで新規に登録される乗用車の半分以上がディーゼルエンジンで走っている。しかし、より低燃費で低エミッションであることが求められるようになって、ハイブリッドや電気自動車が普及し始めている。 1975年20ラップルール(注1)を強行した様に、ACOは常に時代の感覚を意識しているが、将来の方向として、これらのエコカーの導入を決定した。現在活発にハイブリッドのレギュレーションが構想されていることは知っているだろう。 昨日ワークスプジョーが車検を行っている。ジャコバン広場に現れた3台の最新型908は、2010年バージョンの発展型で、フロントフェンダーとサイドポンツーンの間に設けられたフィンが、ラジエターダクト入り口まで延ばされていることが目を惹いていた。しかし、ラジエターダクト入り口とフィンの間には、明確なクリアランスが存在していた。それ以外の新しい部分は、フロントフェンダーのスリットの後ろ半分を塞いでいることだけだった。 今朝JLOCランボルギーニに続いてジャコバン広場にORECAが姿を現した。ポールリカールテストで好タイムを叩き出したORECA01EVOが人目を惹く一方、今年ORECAが走らせるプジョー908が人気を集めていた。 いよいよ2010年のルマンウィークがスタートした。例年と違って、今年のルマンは、1日早い日曜日からスケジュールがスタートする。日曜日と月曜日にルマン市内のジャコバン広場で車検を行って、火曜日は写真撮影以外のスケジュールは無く、事実上の休みとなる。水曜日午後4時から4時間連続でフリープラクティスを行う一方、午後10時から12時まで最初の予選が行われる。木曜日は例年と同じスケジュールで、午後7時から9時、そして10時から12時まで予選が行われる。前座のグループCレースについては、木曜日午後4時から5時に予選を行って、土曜日11時5分から50分に決勝レースが行われる。そして午後3時第78回のルマン24時間レースがスタートする。 今日から始まったジャコバン広場の車検は、同じジャコバン広場と言っても、例年使われている東側の広場ではなく、西側の広場で行われた。その理由は、東側の広場の手前にあった老朽化した劇場の取り壊しが決まって、新しい劇場の建築に併せて、東側の広場の地下を含めた開発が行われているためだ。既に劇場の取り壊しは終了して、東側広場の西側半分は、大きく掘り起こされていた。地下駐車場を含む、大がかりな開発が行われているそうだ。 最初にジャコバン広場に姿を現したのは、昨年LMSのGT1チャンピオンを獲得したルック・アルファンのコルベットだった。続いてやって来たのは、優勝候補最右翼のプジョーだった。プジョーは金曜日サトレーのプライベートサーキットで最終確認のテストを行い、そのままルマンにやって来た。写真をご覧になると明らかだが、サトレーはプライベートサーキットと言っても、相当な規模のコースであるようだ。 昨日パリで最高気温が35℃に達した。ルマンでも33℃を記録したが、今朝雷を伴った激しい雨が降り、金曜日まで不安定な気候は続くようだ。水曜日と木曜日に行われる予選は微妙な予報となっているが、土曜日以降は晴れの予報が出されているため、間違いなく、灼熱のルマンとなるだろう。 昨日JOTAは、アストンマーティンレーシングとの間で複数年のパートナーシップを締結したことを発表した。 JOTAは、2005年ザイテックを走らせたことで、その名を知らせるようになった。黒沢治樹が乗り組んで、しばしば上位に進出したため、日本でもJOTAを知っているスポーツカーファンが多いことだろう。2007年シュロースレーシングが、ローラB07-10/ジャドを走らせた際、メンテナンスの多くはJOTAが担当している。2008年シュロースがローラ/アストンマーティンを走らせたことで、アストンマーティンレーシングとの強力な信頼関係が構築されることとなった。 3台中2台がシュロースの所有だった様に、アストンマーティンレーシング自身、カスタマーからの依頼に頼らなければ、スポーツカーレースでの活動を行うことは出来ない。つまり、景気が良い時、仕事が無い時が存在する。そのようなアストンマーティンレーシングにとって、有能なJOTAの貴重な存在と判断したのだろう。 元々コルベットやBMWの参入によって、今後熾烈な闘いが繰り広げられることが予想されるGT2カテゴリーは、ポルシェやフェラーリ等と同様、活動をプライベートチームに頼っているアストンマーティンにとって、サポート体制の強化が望まれていた。そこで強力なアストンマーティンGT2チームを用意することとなった。 アストンマーティンは2011年に向けて、新しいLMP1エンジンを開発中だ。2011年に間に合ったとしても、2011年は開発が中心の年となるため、2012年にJOTAに任せることも、充分に納得出来る内容だ。 2011年以降LMP1クラスで使用可能なガソリンエンジンは、現在のLMP2クラスと同じ3.4リットル以下のNAエンジンと2リットル以下のターボエンジンだけに制限される。ほとんどのエンジンビルダーはLMP2用のエンジンを作っているため、一斉に切り替わるものと思われていた。しかし、3月に明らかになったように、ジャドは、2011年以降も、現在のLMP1クラスで使用している大排気量エンジンを使用出来るよう、ACOと交渉していた。 その後ACOは、ジャドが2011年以降もLMP1クラスで大排気量エンジンの使用を求めていることを認めた。そして、2年間の猶予期間を望んでいることも明らかとなった。もちろん、何らかのハンデを課すことを前提として話し合いは行われていることも認めた。しかし、2005年ハンデを課せられたアウディR8がルマンで優勝してしまった様に、2011年を目標として3.4リットルエンジンの開発の努力をしてきたエンジンビルダーは、容易に納得しなかった。 この話し合いが明らかになった後、もし、2011年に大排気量エンジンの使用が認められたとしても、登場するのは、レベリオン-ローラ/ジャドとシグナチャのアストンマーティンくらいで、多くても4台程度と予想されている。そのためALMSラグナセカの際IMSAは、基本的にACOは、2011年に大排気量エンジンの使用を認めないと、エントラントに説明していた。しかし同時に、ACOは認めなくても、ALMSではハンデを課すことで2011年以降も大排気量エンジンの使用を考慮することも示唆している。 来週木曜日11時(フランス時間)ACOは、2011年以降のプランを公表する。しかし、2011以降もLMP1クラスで大排気量エンジンの使用を認める件については、述べられないと言われている。アナウンスの中心は、現在曖昧なままのハイブリッドについてのレギュレーションの骨子であると考えられている。 5月19日 ACOは、今年アジアで開催されるインターコンチネンタルルマンカップについて、11月14日中国で開催されることを認めた。しかし、開催されるサーキットとオーガナイザーについて公表を避けた。もちろん、このレースはアジアンルマンシリーズのレースも兼ねて開催されるが、今年のアジアンルマンシリーズが、この中国で行われる1つだけなのか?
それとも、他にも、例えば日本での開催される可能性があるのか?
一切公表しなかった。 スパ-フランコルシャンは晴天の朝を迎えた。しかし、最低気温は0℃まで下がって、場所によっては霜が降りた。 決勝レース前のウォームアップランの際、アンドレ・ロッテラーが操るNo.8アウディは、スピンしてコンクリートウォールにクラッシュしてしまった。No.8アウディはパドックまで戻されたが、大きく破壊されているため、修理が完了次第、途中からレースに参加こととなった。 部分的にコースが濡れている中決勝レースはスタートした。1コーナーへ進入した際、ポールポジションからスタートしたフランク・モンタギーの乗り組んだNo.3プジョーはスピンしてしまった。No.2プジョーを先頭に2番手のNo.4ORECAプジョー、3→4番手にNo.9とNo.7のアウディ順でオルージュに進入した。2台のプジョーが通過した後、何と2台のアウディは勢い余ってオルージュのアウト側に2台揃ってコースアウトした。その際にレベリオンローラをパスしているため、何らかのペナルティが与えられることが予想された。 レースが再開された時、雨は止んでいたが、コースは濡れていた。トップはNo.2プジョー、2位にNo.1プジョー、3位にNo.7アウディがジャンプアップして、No.4ORECAプジョーは4位に順位を落として24時間ピット前のストレートを駆け下った。オルージュへ進入する際、ペースが上がらないNo.4ORECAプジョーを2台のレベリオンローラが襲った。どちらのレベリオンローラであるのか判らないが、ほんの少しどちらか一方のレベリオンローラとNo.4ORECAプジョーは接触して、No.4ORECAプジョーは、オルージュ先に右側フェンスにクラッシュしてしまった。 その後、もう1回セイフティカーが出動したが、1回目のレギュラーピットストップが行われる頃になると、レースは落ち着いてきたように見えた。その頃になって、ピットで作業を続けていたNo.8アウディは、やっとコースインした。 その直後事件は起きた。スパのパドックは、下側の24時間ピットのエリアと上側のGPピットのエリアの2つに別れている。コントロールタワー等レースコントロール設備はGPピット側に存在する。そのGPピットエリアが突然停電した。時折復活するものの、完全に電気を使用することは出来なくなってしまった。 フィニッシュまで1時間となった午後4時30分頃から山側で再び雨が降り始めた。彼方此方でコースアウトするマシンが相次いだが、フィニッシュ15分前サイモン・ペジナウが操るNo.3プジョーもコースアウトしてしまった。しかし、無事コースに復帰してチェッカーフラッグを受けた。 LMP2クラスは、No.42ストラッカHPDがトップを走っていたが、午後2時18番ポスト先の下りコーナーでクラッシュしてしまった。自力でピットに戻るが、たくさんのボディーパーツをまき散らしてしまった。No.42ストラッカHPDのクラッシュによって、LMP2クラスのトップはNo.40ASMザイテックとなった。 LMP1 LMP2 GT1 GT2 土曜日になってもスパ-フランコルシャンの気温の低さは変わらない。しかし、雨が止んで午後になると大陽も顔を出して、完全なドライコンディションで予選は行われることとなった。 逆にプジョーは、昨日1枚だけカナードウイングを装着して走り始めた。しかし、午後になるとカナードウイングを2枚に増やして、よりダウンフォースを増やして走行している。土曜日朝行われた3回目のプリープラクティスでは、ORECAを含む4台総てが2枚のカナードウイングを装着して走った。 LMSの予選は、たった20分間しか行われない。しかも、予選で使用したタイヤを履いて決勝レースをスタートしなければならなっため、ほんの数周しかタイムアタックは行われない。 トム・クリステンセンのアウディと接触したダニー・ワッツのストラッカHPDは、とてもLMP2クラスとは思えない素晴らしい速さを発揮しており、シグナチャのアストンマーティンDBR1-2(ローラ)を上回るラップタイムを叩き出して、LMP2クラスのポールポジションを獲得した。シグナチャのアストンマーティンDBR1-2(ローラ)は、常にローダウンフォースで走行しており、予選でさえノーズ左右のアタッチメントを取り外しただけで、一切カナードウイングが取り付けなかった。そのため、ディーゼルエンジンカーを上回る305km/hの最高速度を記録している。 LMP1 LMP2 GT1 GT2 いよいよLMS第2戦スパ-フランコルシャンが開幕した。今年アウディとプジョーの2大ワークスチームはシーズンを通じてLMSやALMSには参加せず、インターコンチネンタル・ルマン・カップの参加条件やルマン24時間レースのテストを目的として、それぞれ2つずつしか参加しない。そのアウディとプジョーが、インターコンチネンタル・ルマン・カップでないにも関わらず、共に参加を表明したのはLMSスパ-フランコルシャンだけだった。 スパ-フランコルシャンは、アルデンヌ地方の山間部に、その地形を活かして作られたサーキットであるため、非常に激しいアップ&ダウンを最大の特徴とする。そのため、テクニカルサーキットであるにも関わらず、独特のセッティングが要求される難コースだ。有名なオウルージュは、激しい登り坂の右コーナーだ。つまり、速いスピードで進入すると地面に押しつけられる縦Gが加えられ、より速い速度で通過することも可能となる。つまり、大きなダウンフォースより、ダウンフォースを減らしてドラッグを少なくした方が速く走ることが可能となる。しかし、一旦登った後は、再び下りなければならないため、下りコーナーではそれなりのダウンフォースが要求される。 通常一般的なテクニカルサーキットより、多少ダウンフォースを少なくしたセッティングで走る場合が多い。プジョーとアウディは、それぞれ少々違うセッティングを施して、スパを走り始めた。 午前中1回目のフリープラクティスは濡れた路面の中で行われたため、昨年のルマンや“プチ-ルマン”がそうだった様に、アウディが速さを発揮すると思われた。ところが、4台のプジョーが素晴らしい速さで走り回ったのに対して、アウディはプジョーを追うことさえ出来ない状況だった。何とトップタイムを記録したORECAプジョーよりも、アウディの中で最速だったNo.7(アウディのエースカー)は4秒も遅いラップタイムを記録しただけだった。 午後になってコースは乾いたが、夕方行われた2回目のフリープラクティスも低い気温の中で行われた。アウディ勢の挽回が予想されたが、3台のワークスプジョーがトップ3を独占する結果となった。4位にアウディNo,8、5位にORECAプジョー、その後ろに残る2台のアウディがつけ、ガソリンエンジンカーのトップは、No.12レベリオンローラ/ジャドの8位だった。レベリオンローラ/ジャドとアウディ勢のラップタイムは大きな違いはなく、プジョーの速さが際立っている。 LMP2クラスはASMザイテックが、GT1クラスはアストンマーティンがトップタイムを記録した。GT2クラスもアストンマーティンがトップタイムを記録した。予想されたことだが、GT1クラスのラップタイムが伸び悩んだのに対して、GT2カーが素晴らしい速さを発揮して、たった1秒差のラップタイムを記録している。 LMP1 LMP2 GT1 GT2 今日ACOは、LMSスパーフランコルシャンで記者会見を行い、新たに3つのチームが、今年のルマン24時間レースのエントリーを辞退したことを発表した。2つはLMP1クラスのペスカロロとSORAで、噂通りペスカロロは最悪の結果となった。3つ目はGT1クラスへコルベットC6RでエントリーしたベルギーのPekaレーシングだ。 詳しくは下記をご覧ください。 Sports-Car Racing Vol.19のISBN番号:ISBN978-4-925254-14-4 問い合わせ:ask@sports-carracing.net CONTENTS ■The Story of the Porsche 956 / 962 ■AUDIの戸惑い ■2009年の正解は何だったか?
■フェラーリの最後のターゲットはSuperGTだ! ■我が道を歩むニッポンGT 昨日ACOはインターコンチネンタル・ルマン・カップについて、再度概要を発表した。LMP1カーだけによるシリーズで、マニファクチュラーとチームのタイトルが設けられる。ヨーロッパ、北アメリカ、アジアの3つの地域で行われ、ヨーロッパは9月12日のLMSシルバーストーン、北アメリカは10月2日のALMS“プチ-ルマン”、そしてアジアは11月の早い時期に中国で行われるアジアンルマンシリーズのレースが対象となる。しかし、中国のレースは現在に至るも未決定で、2ヶ月前に噂となった上海は確定していない。4月末に中国のレースの場所と日程を確定することを発表した。 エントリーは3月30日から5月31日の間受け付けられる。インターコンチネンタル・ルマン・カップに参加する条件は、上記のインターコンチネンタル・ルマン・カップのタイトルがかかった3つのレースだけでなく、ルマン24時間レースを除いた、ルマン格式のレースに2つ、つまり5つのルマン格式のレースに参加することだ。 昨年末アウディが明らかとした予定によると、2月末のALMSセブリングテストか、3月初めのLMSポールリカールテストでR15+は公開されることとなっていた。ところが、この2つの合同テストのどちらへもアウディはやって来なかっただけでなく、現在に至るも、アウディ社外のサーキットでは走っていない。ライバルのプジョーが、既にORECAに908を手渡して様々なテストを行っていることを考慮すると、少々心配な状況だった。 昨日(15日)アウディは、やっと新しいR15+を公表した。R15+は昨年登場したR15の発展型で、信頼性の向上と空力性能の向上を中心として開発が進められている。2010年ACOのレギュレーションは、ディーゼルエンジンのパワーを約25馬力削減している。プジョーより2気筒少ないアウディにとって、パワーが減ることは有利な条件だっただろう。しかし、R15のコンセプトそのものが、ドラッグ削減よりも大きなダウンフォースの獲得を優先したものだったため、空気抵抗(Cd)の削減とより大きなダウンフォースを求めて、慎重に空力の開発は行われていたようだ。 元々R15は、開発の最初の段階で、以前のBMWのF1GPカーの様にノーズレスであったと言われている。その後ノーズが追加され、そこに疑惑の対象となった2つの隙間が設けられて、ウイングとしての機能が付加されたようだ。 予定より大きく遅れてR15+は、3月3日アウディ社内のヌウスタッドのテストコースでシェイクダウンテストを行っている。その後寒波に襲われていたポールリカールへ送る計画をキャンセルして、セブリング(とホームステッド?)に送られて2週間テストを行っている。しかし、今週末セブリングで行われるALMS開幕戦セブリング12時間へは参加しないで、既にインゴルスタッドに戻されている。 気温が低いだけでなく、非常に強い風が吹いているため、南フランスとは思えないコンディションの中テストは行われている。午後2時になっても気温は4℃に過ぎない。想定外の気温であるため、ほとんどのクルマは、暖機運転の際ラジエターへのダクトを完全に塞ぐ一方、走行する際も70%を塞いで走っている。最新のLMPカーは、ラジエターを通過する空気によって、ノーズ床下の空気を吸い出しているため、空力性能にも大きな影響を与えていることだろう。 昨夜BMWはエンジンに問題があることを確認したため、問題を特定するため、シュニッツァーはドイツ帰ってしまった。ポールリカールにはACOの記者会見に出席するドライバーだけが残された。 LMP2クラスは、ASMザイテックが相変わらずの速さを披露した。しかし、HPD勢を引き離すことは出来ない。ストラッカが走らせるHPD
ARX-01cは、2008年のARX-01bにARX-02aのスワンネックでマウントする1.6mリアウイングを取り付けたもので、リアフェンダーの金網は申請を行うことで、そのまま使われている。たぶん、トップクラスのコンストラクターの中で金網を使用するのはHPDだけだろう。 ストラッカのHPD
ARX-01bとHPDエンジンを搭載するRMLローラは素晴らしい最高速度を記録している。ザイテック勢が、ザイテックがマイレッジ保証したカスタマーエンジンであるのに対して、HPDエンジンは事実上のワークスエンジンであるため、当然の出来事かもしれない。HPDエンジンを使う2チームは、ストラッカはカスタマーと割り切っているが、ローラシャシーを使うにも関わらず、RMLはホンダからの仕事を期待しているようで、非常にピリピリしている。 既に事実上のペスカロロと考えられているOAKレーシングは、新しいボディを組み合わせたペスカロロP01を持ち込んだ。ペスカロロの状況を考慮すると、せいぜい小改造されているだけと考えられたが、リアカウルだけでなく、サイドボディも新しいデザインとなっている。今年OAKペスカロロはジャドエンジンを搭載するが、どういう訳か、新しいボディには、マツダフランスと書かれている。 LMP1ではORECA01EVO/AIMがプジョーを圧倒する状況が続いた。午後になってミストラルストレートで追い風となると、早速タイムアタックを行って、プジョーとの差を0.7秒まで広げた。トップタイムを記録した時ORECA01EVO/AIMの最高速度は303km/hに達した。空力開発が成功していることの証明だろう。 代わってORECA勢を追ったのは、マンセル親子のザイテックだった。ナイジェル・マンセル自身はほとんどドライブしないで、主に2人の息子達がザイテックをドライブした。 終始ORECA01EVO/AIMが、2010年パッケージのプジョーを圧倒して、トップタイムを記録したため、今回のテストを見る限り、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンの差が無くなっているように見える。本当にこの通りだろうか? 2日目 LMP2 GT1 GT2 左がアタッチメントを取り外して走るSignatureのNo.008、右がアタッチメントを取り付けながら、カナードウイングを取り付けて走るAMRのNo.009 アストンマーティンにとって、セブリングテストとポールリカールテストの両方に参加する最大の目的は、2010年レギュレーションの700馬力エンジンと駆動系の耐久テストであると考えられていた。つまり、出来る限り多くの距離を走ることが重要であると考えられていた。実際セブリングでは、アストンマーティンは、そう発言していた。 1.6mリアウイングを装着したDBR1-2は、高速コーナーでバランスを崩した場合、非常にナーバスな操縦性を示す場合がある。2009年の2度の大クラッシュや2週間前のセブリングでのクラッシュは、この高速コーナーでのナーバスな操縦性が原因であると考えられている。 ポールリカールでは、昨日からAMRのNo.009は頻繁に空力パッケージを変更しており、Signature
PlusのNo.008とAMRのNo.009はまったく違う空力セッティングで走ることが多かった。 DBR1-2のノーズ左右には、取り付けるとスムーズなノーズになり、取り外すとノーズ左右をえぐられたようなカタチとなって、タイヤハウスから床下の空気を吸い出すことが出来るアタッチメントを装着することが可能だ。一般的にアタッチメントを取り付けるとローダウンフォース、取り外すとハイダウンフォースパッケージとなる。 困ったことに、この2つの空気パッケージは、ダウンフォースの大きさやドラッグの量は大きく変わらなくても、ボディ側面の空気の流れに大きな差が生じるのだ。 同時にAMRのNo.009は、700馬力エンジンと駆動系の耐久テストを行っていたため、速いラップタイムを記録することは出来なかった。もちろんタイムアタックも行ってないため、どの空力パッケージがベストだったのか?
我々には判断出来ないが、ORECAやOAKペスカロロ、そしてローラが、新しい空力パッケージを持ち込んでいるため、もしかしたら、1ヶ月後のLMSポールリカール8時間の際、新しいボディと共に現れるのかもしれない。 右が昨日のスポーツカーノーズ付きのORECAプジョー。左が今日フォーミュラノーズ付きで走るORECAプジョー 2日めになっても気温は上がらない。午前9時テストが再開された時の気温はたった2℃で、1時間が過ぎても気温が上がる気配はない。しかし、昨日の朝と違ってコースは完全なドライコンディションであるため、総てのクルマがセッション開始と同時に次々と走行を開始した。 昨日ORECAプジョーは、2週間前プジョーが発表した2010年スペックのスポーツカーノーズ付き908を走らせた。ミストラルストレートでは314km/hを超える最高速度を記録して、スポーツカーノーズのアドバンテージを見せつけた。しかし、今日になると一転してフォーミュラノーズを装着して走行を開始した。 逆にORECA01EVO/AIMは、カナードウイングを1枚取り外したローダウンフォースパッケージで走行している。セッションが始まった後しばらくの間プジョーがトップタイムを維持したが、1時間後ORECA01EVO/AIMが連続走行を開始すると、あっさりとトップタイムを更新してしまった。ちなみにローダウンフォースパッケージのORECA01EVO/AIMの最高速度は、フォーミュラノーズ付きのハイダウンフォースパッケージのプジョーと同じ296km/hだ。 午後2時頃雨が降り始めた。一時強い風によって嵐の様な状況となったが、午後2時30分2回目のセッションが開始されると直ぐに雨は止んで、直ぐにコースも乾いた。ほとんどのクルマはしばらくの間様子を見ていたが、コースが乾いていることが確認されると、次々とテストを再開した。しかし、気温は朝からほとんど上がらず、午後3時の時点でも4℃に過ぎない。強い風(マルセイユ名物のミストラルではないそうだ)が吹いているため、体感温度は氷点下だ。 午後のセッションの初め、ORECAはO1EVO/AIMは走らず、プジョーだけが走行した。そのため、ORECAプジョーが、午前中ORECA01EVO/AIMが記録したトップタイムを破ってタイムボードの一番上に躍り出た。午後のセッション前半、2番手には午前中ほとんど走らなかったNo.12レベリオンローラ、3番手にNo.009アストンマーティンが走った。 今年LMP1のガソリンエンジンは700馬力以上を発生するため、アストンマーティンは耐久テストの目的で、セブリングテストと今回のポールリカールテストで同じエンジンを使用している。そのため、2週間前セブリングでクラッシュしたマシンからエンジンを取り外して、エンジンとトランスミッションだけをフロリダから空輸してポールリカールで使用するシャシーに積み替えている。午前中クラッシュしたエンジンのチェックのため、全開で走行することは出来なかった。ルマンで使用するギアレシオを組み込んでいるようで、トランスミッションの耐久性のテストも行われているようだ。エンジン同様セブリングでもルマン用ギアレシオが組み込まれていたらしく、パワーアップしたにも関わらず、ラップタイムが伸び悩んだ理由は、ここら辺にもあったかもしれない。 午後5時過ぎ再びORECA01EVO/AIMが走り始めた。そして、ほんの数周でプジョーのタイムを1秒も短縮する1分43秒259を叩き出してしまった。改良型01EVO/AIMの速さは本物であるようだ。 LMP2クラスは、夕方までNo.42ストラッカレーシングのHPD ARX-01cがトップに君臨していたが、日が暮れた後No.40Quifel-ASMのザイテックに抜かれた。HPDとザイテックも、空力開発を一新しており、様々な空力デバイスを取り付けてポールリカールに現れた。HPDはLMP2クラスの中でダントツの287km/hの最高速度を記録している。 GT2クラスは、予想通りフェラーリF430GT2バージョン6がトップタイムを記録している。ポールリカールには6台のフェラーリF430GT2がやって来たが、その総てが新しいバージョン6だった。完成したばかりのマシンも多く、カーボン地剥き出しで走っている。AFコルセは3台のF430GT2を持ち込んだが、その中の1台、No.95のF430GT2にはジャンカルロ・フィジケラとジャン・アレジが乗り組む。AFコルセのNo.96
F430GT2がGT2クラスのトップタイムを記録している。トップタイムを記録したジェイミー・メローは2週間前のセブリングテストの際Risiフェラーリでトップタイムを記録した、現代のフェラーリ使いだ。 シュニッツァーは1台のBMW
M3を持ち込んだが、ほとんど最後尾のタイムしか記録出来ない。ポールリカールの様な高速コースにおいて、前面投影面積が大きいセダンでポルシェやフェラーリと闘うのが難しいことを痛感しているようだ。 LMP2 GT1 GT2 今年のヨーロッパは春が遠いようで、例年であれば既に昼間は半袖で過ごすことが可能なマルセイユも、今朝の最低気温は氷点下だった。マルセイユの東の丘の上に位置するポールリカールでは、明け方小雪が舞う状況だった。午前9時30分最初のセッションが開始された時も気温は2℃に過ぎなかったため、コースが乾くまで、最初の1時間ほど、総てのクルマがレインタイヤを履いて走り始めた。 今年のLMPカーのレギュレーションの中で、ボディ形状の変更を必要とするルールは、金網のルールが撤廃されたことだった。しかし、2011年には新しいレギュレーションが施行されるため、たった1年のためだけに、新しいボディを作るのは難しいとして、ACOは、昨年10月20日までに申請を出したクルマについては、従来通り金網を取り付けたまま2010年も参加出来ることを認めた。ほとんどのコンストラクターが申請したため、新しいボディを作るチームは少数派と考えられていたが、2週間前のセブリングテストで明らかになった様に、トップクラスのコンストラクターの総てが、新しいボディをデザインしているようだ。ポールリカールでは、ORECAが走らせるプジョー、ORECAオリジナルの01EVO/AIM、OAKレーシングが走らせるペスカロロP01EVO、ローラB10/60等、やって来たほとんどのLMPカーが新しくデザインされたボディを装着している。 |
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