●目を覚ましたアメリカの巨人
Cadillacの衝撃
2000年、スポーツカーレースに43年ぶりでGMが帰ってきた。シボレーやオールズモビルではなく、G
Mはアメリカ最強のブランドであるキャデラックでスポーツカーレースに挑戦する。
ところが、GMのモータースポーツに対する考えが、日本やヨーロッパのマニファクチュラーとはどう
やら根本的に違っていた。
我々はGMが新しい風をスポーツカーレースに吹き込んでくれることを期待した。
キャデラックLMPプロジェクトの総てと、GMレーシングのハーバート・A・フィッシェルがモーター
スポーツを守ろうと奔走する姿をストーリーとして紹介しています。
●NASCARは理想のスポーツカーレースか?
我々はNASCARの凄さは知っていても、あまりに壮大過ぎるため、これまで敢えてNASCARを
取り扱うことを避けてきた。
しかし、2000年にドイツで復活したDTMはNASCARを研究し尽くした上で構想されたものである
し、日本のJGTCもNASCARから様々なことを学んでいる。
ところが、これまで日本のメディアは、NASCARを正確に紹介したとは思えなかった。
パイプフレームのマシンとさえ評しているのだ。NASCARには立派なフロアパンが存在するから、
決してパイプフレームのマシンではない。
これでは、我々はとんでもない間違いをしたまま、21世紀を迎えることとなってしまう。
NASCARチームのほとんどが拠点を置くシャーロットに乗り込んで、NASCARの起源から探る
一方、我々は「NASCARが競輪である」という結論を得た。
誰もが思ってもいなかった、アッと驚くNASCARの正体を紹介いたします。

 
●Dome Magic
郷和道と童夢が造った秘密兵器の正体
現在、世界中のスポーツカー関係者が最も注目しているコンストラクターは日本の童夢だ。
この物語は、郷和道が、自身で1999年のルマンに走らせたBMW
V12LMを童夢に預けたところから
始まる。
世界中のスポーツカーチームとコレクターの誰もが欲しがるBMWのワークスカーを、郷和道は童夢に
預けて、可能性を求めた。
童夢では、その1年前からスポーツカーレースに復帰するための調査が行われていたが、具体的な行動
を起こすきっかけがなかった。
郷和道も7年間もスポーツカーレースを離れていた童夢が、最初からその実力を発揮出来るとは考えて
いなかった。童夢が作り直したV12LMは4月に完成し、フジスピードウェイに持ち込まれてテストが行
われた。
童夢は、ウイリアムズGPが造ったV12LMの空力性能を15%以上も改善して、トヨタGT
Oneよ
りも速い最高速度を獲得してしまった。
この秘密兵器誕生のストーリーです。

●再編成された2000年のスポーツカーレース
1998年のルマンで、ドン・パノスは「ヨーロッパ、アジア、アメリカの3つの地域でルマンシリーズを
開催する」と発表した。このルマンシリーズはFIAの妨害にあったり、アメリカ内ではUSRRCと縄
張り争いをしたりと、散々なスタートをきなければならなかった。しかし、2000年に、ヨーロッパでも2
つのレースを行うことが決定し、オーストラリアのアデレードで12月31日に行われる、“ミレニアム記念
レース”と合わせると、“アメリカンルマンシリーズ”は実質的な世界選手権に成長した。
ところが、アメリカでのライバル関係であったUSRRCはデイトナを中心としてGrandーAmシ
リーズを発足させ、もう一つのアメリカのスポーツカーシリーズとして成立した。
ヨーロッパでは、FIA GTがプライベートチームだけのイベントに凋落する一方、ジョン・マンゴ
レッティのSRWCは、アメリカンルマンシリーズの対抗馬と目されるほどに成長した。
複雑ながらも、再編成が実現したスポーツカーレースの世界を紹介します。
 
転機を迎えたJGTC
●NSXとスープラを遅くするために造られた2000年のレギュレーション
2000年のJGTCでは、興味深いレギュレーション改訂が行われた。この変更には、
驚くべき理由があった。
1999年のシリーズで、速さを見せ付けたのは、NSXとスープラGTである。この2つ
マシンを遅くすることで、激しいトップ争いを実現しようとJGTCとJAFは考えていた。
そして、NSXとスープラGTのアドバンテージを探り出して、そのアドバンテージを無く
すことを新しいレギュレーションに盛り込んだ。
乱暴なようだが、そうでもしない限り、NSXとスープラGTだけがトップ争いするシリーズ
となる危険もあったのだ。
どのようにして、NSXとスープラGTを遅くしたのだろうか?
そして、このレギュレーション改訂に直面した童夢とTRDは、どうような開発を行って、対抗
しようとしているのだろうか?
●JGTCでDTMレギュレーションを採用?
繁栄を謳歌してるか?に思えるJGTCがとんでもない状況にあるらしい。
人気のGT500カテゴリーは、2台のマクラーレンとJLOCのディアブロ以外、メーカーが
関与しないマシンは居なくなってしまった。しかも、そのメーカーのマシンも、ベースとなる
マシンがほとんど生産中止状態となりそうなのだ。
もし、生産や販売が中止されてしまったら、GT500用のレースカーも無くなって
しまう、という大変な危機なのである。
今すぐにではないのかもしれないが、この危機に直面した時のため、JGTCでは、ドイツの
DTMレギュレーションを導入する話し合いが行われている。既にマシンが存在しているため、
プライべートチームが走らせるマシンが最初から確保出来ることと、FRレイアウトを基本とし
ているため、FFが多くなって、ベース車種に悩んでいるメーカーにとっても都合が良いのだ。
果たして、DTM、もしくは、DTMと似たレギュレーションが、JGTCで採用されることが
あるのだろうか?
●コルベットT1
やっとポルシェ以外にも、JGTCで活躍出来そうなGTレースカーが現れるかもしれない。
GMは、シボレーコルベットのスポーツモデルを幾つか発表しているが、ポルシェのRSRや
GT3Rに相当する、GTレース用のベースモデルとして“T1”を1999年に登場させた。
コルベットT1は、コンバーチブルをベースとしてハードトップを被せたボディを持ち、アメリカ
のGTレースシリーズの一つであるスピードビジョンカップ用として造られた。
完全にレースを意識したフレームと、ACDelcoシリーズ用のストックカーと同じ450馬力の
LS1エンジンを持っている。
しかし、T1はたった28台だけ、それもそのほとんどはローリングシャシーでデリバリーされた。
そのため、現在では新車を手に入れることは非常に難しい。しかし、現在でも全米の各ディーラーを
通じて、フレームやロールケージを手に入れることが可能だ。
元々、最新型のC5コルベットは、日本で販売されている豪華仕様でも350馬力エンジン付きで
約650万円しかしない。これと同じパフォーマンスをポルシェに求めようとしたら、1,000万円以上
を支払わなければならない。
この図式は、コンペティションモデルであっても同じことで、完全に日本のGT300仕様のコルベット
T1を造ったとしても、ポルシェ996GT3Rの約半分のコストしか必要とはしない。
しかも、最近、T1の精神そのままに、380馬力まで強化したLS1エンジンを搭載して、軽量化を施し
たコルベットZ06が登場した。
もし、コルベット“T1”(実際にはZ06か?)が登場した場合と、実際に進行中のプロジェクトを紹
介しています。
|